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アキュフェーズ T-104

瀬川冬樹

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 ほんらいは、コントロールアンプC−240、パワーアンプP−400とマッチド・ペアでデザインされた製品。三台をタテに積んでもよいが、横一列に並べたときの美しさは独特だ。だがそういう生い立ちを別としても、アナログ感覚を残したディジタル・メモリー・チューニング、リモートコントロール精度の高いメーター類などは信頼性が高い。そしてそのことよりもなおいっそう、最近の同社の製品に共通の美しい滑らかな音質が魅力だ。

アキュフェーズ T-103, T-104

アキュフェーズのチューナーT103、T104の広告
(ステレオ 1979年2月号掲載)

T103

アキュフェーズ T-104

井上卓也

ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 豪華なローズウッドキャビネットに収まった、デジタル型らしくないデザインをもち、高級機らしい雰囲気を備えたモデルだ。
 選局は、プッシュボタン操作の4局のプリセット同調、アキュフェーズ独自に開発した手動のパルスチューニングの2系統でおこない、切替なしで任意に選局できる。メモリーは、内蔵のニッカド電池でバックアップされ、電源スイッチを切っても約一年間はメモリーを保持できる。
 2個の大型メーターは、マルチパス兼変調度計と新IHF法によるdBf目盛付信号強度計である。パルスチューニングツマミを回転すると100kHzステップでデジタルディスプレイの指示は変わり、ピップトーンがピッピッとその変化を知らせ、同調点では同調表示ランプが点灯する。機能面では、IF帯域帽2段切替、ディマースイッチ、メーター切替の他5mの範囲で使えるリモート選局スイッチが特長である。
 マニュアル選局もピップトーンを備えるためフィーリングは通常の横行ダイアルに匹敵するものがあり、ミューティング動作もほぼノイズレスで快適。局間雑音チェックではノイズ分布がナチュラルで、受信チェック時の音質も今回試聴したチューナーのなかでトップランクである。