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カウンターポイント SA-12

井上卓也

ステレオサウンド 84号(1987年9月発行)
特集・「50万円未満の価格帯のパワーアンプ26機種のパーソナルテスト」より

厚みのある安定した音と強調感のないスムーズなレスポンスが特徴。音の粒子は基本的に粗いタイプだが、程よく磨かれており、細部を引き出しはしないが、これが一種の安定感につながり、安心して音が聴けるメリットにつながる。音像定位は少し大きなタイプで、音場感は標準的にとどまる。中域に少し硬質のキャラクターが聴かれるが、アッテネーターの特徴が加わったようで、低域も少しタイトに感じられる。

音質:80
魅力度:84

カウンターポイント SA-12

菅野沖彦

ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)

特集・「CDプレーヤー・ダイレクト接続で聴く最新パワーアンプ48機種の実力テスト」より

 ひろびろとしたレンジ感をもち、屈託なく鳴りきる快い再生音である。きめの細かい繊細な高音域が瑞々しい雰囲気と、鮮度の高い音の印象を与え弦合奏の美しさは特筆に値する。歌も自然で、細かい唱法の機微もよく聴きとれる分解能のよさを持っている。大編成のオーケストラの音色の分離識別、全体の溶け合いもよくバランスし、空間再現性も優れている。俗にいう抜けのよい音で、ジャズのリズミカルな動き、ピアノの絶妙なタッチの変化による音色の鳴らし分けも優秀だ。冴えている。

音質:9.0
価格を考慮した魅力度:8.5

カウンターポイント SA-12

井上卓也

ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)

特集・「CDプレーヤー・ダイレクト接続で聴く最新パワーアンプ48機種の実力テスト」より

 ナチュラルな帯域バランスと、滑らかさとクッキリさが両立したプレゼンスの良さが特徴である。全体に音のまとまりは小さく、箱庭的であるが、むしろ良い意味でのカセット的といった性質が面白い。農民カンタータは、少しナローレンジ的なまとまりで、全体に演奏のテンポが速く感じられ、やや狭い場所の演奏となる。幻想は一見スッキリ型でまとまり良く聴かせるが、スケールが小さい。サイド・バイ・サイドは曇り空の雰囲気だ。聴かせどころをおさえたアンプ。

音質:8.1
価格を考慮した魅力度:8.5