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ネイム・オーディオ NAP250

菅野沖彦

ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)

特集・「CDプレーヤー・ダイレクト接続で聴く最新パワーアンプ48機種の実力テスト」より

 この価格帯の中に入るセパレートタイプのパワーアンプとしては、少々、場違いの観をもたざるを得ない。メーカーのコンセプトも、もっと実質的、合理的なところにあるのではないか。作りからも音からも、そう考えざるを得ないアンプである。帯域のナローレンジ感が気になるが、その中ではよくまとまったバランスだと思う。中域がもう少し充実すればさらによいのだが。聴きやすい音で、再生音に対して、ある種の諦観をもった上でのオーディオ製品のように感じられてしまった。

音質:6.5
価格を考慮した魅力度:7.0

ネイム・オーディオ NAP250

井上卓也

ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)

特集・「CDプレーヤー・ダイレクト接続で聴く最新パワーアンプ48機種の実力テスト」より

 ややナローレンジな帯域バランスと、硬質に縮小したスケールで、音を聴かせるアンプである。リン/LK2と同様にアースをとると、音は変化するが、変化幅はこちらの方が少なく、表情に少ししなやかさが加わり、まとまりが良くなる印象だ。プログラムソースとの対応は、アンプの個性が強く、ひとつの独自の音として聴かせるタイプ。その意味では、情報量は少ないが、巧みに作った聴きどころをおさえた音である。CDをどのように聴くかが選択の分岐点になる。

音質:8.2
価格を考慮した魅力度:8.6