瀬川冬樹
ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)
特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より
アルテックの755シリーズといえば、「パンケーキ」の相性で親しまれている20センチ口径の全域型スピーカー・ユニットの名作として有名だが、その最新型755Eを、輸入元のエレクトリが国内でエンクロージュアを作ってアセンブリーしたものが、この〝メディナ〟である。755Eというユニットそのものが、もともと、レンジの広さを誇るというタイプでなく、中域の充実した美しさに特徴があるのだが、もうひとつ、このタイプのユニットの低音再生を十二分に生かすには、少なくとも〝メディナ〟の倍以上の容積の箱に収める方がいい。755Eを大型の良質なキャビネットと組み合わせたときのヴォーカルやピアノのすばらしさは他に類がないが、ブックシェルフ・タイプでは、どうも755Eの本来の姿が半分ぐらいしか生かされていないように思われる。
採点表
大編成:★★
小編成:★★★
独奏:★★
声楽:★★
音の品位:★★★
音のバランス:★★★
音域の広さ:★★
能率:★★★
デザイン:★★★★
コストパフォーマンス:★★
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