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ビクター MC-T100

井上卓也

ステレオサウンド 60号(1981年9月発行)
「MCカートリッジ用トランス/ヘッドアンプ総テスト──(下)」より

 独自のIC製造技術を応用したマイクロコイルを針先に近くおいたダイレクトカップル方式MC型MC1、MC2E用に開発された高インピーダンス専用のトランス。カートリッジインピーダンスは20〜40Ω。
 帯域バランスは、低域は少し抑え気味だが中域から高域はナチュラルに伸び、中高域にキラッと輝くキャラクターがある。
 305は帯域バランスがなかなか良く、音源は少し遠いが音場感は拡がり、音像もナチュラルである。スケール感はやや小さい。
 テクニカAT34EIIにすると、帯域バランスはスッキリとまとまり、安定感のある低域、密度のある中域がピタリとマッチ。位相差によるプレゼンスを自然に聴かせる音場感、定位のシャープさも相当に優れる。

ビクター MC-T100

井上卓也

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 インピーダンス30ΩのMC型専用ステップアップトランスである。トランス一次巻線は性能向上のためにタップのない専用設計で、磁気歪を低減する純アルミ製ケースの内部には、2個のトランスを左右独立してフローティングし、配線も左右分離し、機械的振動による混変調歪、クロストークを減らす構造が採用してある。付属のPASSスイッチは、可動片、固定片ともに銅接点を使用し特性変化とロスが少ない。ケース内部の配線材は、音質チェックで好結果が得られた無メッキ銅線、出力コードはトランス側は固定され、先端のプラグ、本体の入力ジャックは金メッキだ。