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オンキョー M88

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 オンキョーM88は28cm口径ウーファーという、このクラス(1本5万円未満)最大のウーファーをベースにした3ウェイシステムで、10cm径のコーン・スコーカーと、新しいユニークなトゥイーターから構成されている。バランス、再現能力は大変優秀で、きわめて実質的価値の高い製品だ。明るく朗々とした響きには押しつけがましいところがなく、それでいて力を要求される音楽にも、十分な対応を聴かせてくれる。

オンキョー M88

井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 再生周波数帯域、ダイナミックレンジとリスニングエリアの拡大をテーマとして開発されたMシリーズの最新モデルである。
 ユニット構成は、モニター100のウーファー同様、回転抄造コーン採用の28cmウーファーをベースにとした3ウェイ型だ。回転抄造コーンは、従来ランダムに堆積していた繊維を、一定の方向性を保ち同心円状に配置させる新しい製法で、加えて特殊樹脂含浸により高剛性、高能率を確保している。磁気回路には直径120mmの大型磁石、ポリイミドボビンに3層巻ロングボイスコイル使用で、100Wの許容入力をもつ。10cmスコーカーは混抄コーンを採用。振動系質量は0・37gと軽く、15kHzまでのレスポンスをもつ。3cmダイレクトドライブ・トゥイーターは、12・5μ厚のポリイミド箔に20μ厚のアルミ箔を重ね、同心円のボイスコイルをエッチングした特殊型。指向性が優れ、70kHzに及ぶ高域レスポンスを誇るタイプだ。エンクロージュアは振動処理をしたバスレフポート採用で、ユニットは左右対称配置。コンピューターシミュレーションと聴感検査によるネットワークを採用している。
 バランスは、中域のアッテネーターが2時半の位置でナチュラルとなる。重厚で力強い低域と、明快な中高域がバランスをとった音で、比較的に音量を上げると特長が出るタイプである。