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オンキョー Integra A-810, Integra A-808, Integra A-805

オンキョーのプリメインアンプIntegra A810、Integra A808、Integra A805の広告
(モダン・ジャズ読本 ’80掲載)

A810

オンキョー Integra A-805

瀬川冬樹

ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
「JBL♯4343研究(2)」より

 プリメインアンプの中級クラスとでもいえる価格の製品。しかしこの価格を頭において試聴をはじめるとオヤッと驚かされる。鳴らしているスピーカーはペアで116万円だが、百万円をこえるスピーカーを6万5千円のアンプで鳴らしたらどうなるか。おそらく多くの人がはじめから不安感を抱くと思う。わたくし自身も、このクラスのアンプで♯4343がどの程度鳴ってくれるか自信がなかった。しかし接続を終えボリュウムを上げて鳴ってきた音は、そんな心配を一瞬忘れさせる、たいへん好ましい音だった。滑らかで、独特に広がる雰囲気をともなった美しい音に、まずびっくりさせられた。
 むろん時間をかけて聴き込むと、たとえば「ザ・ダイアログ」のドラムスとベース、「魔法使いの弟子」のオーケストラのトゥッティで、音のクォリティやスケール感の上から、やはりローコストなアンプだということがわかる。しかしずいぶん聴き手を楽しませる、たいへんうまいまとめ方をしたアンプといえる。ヤマハのところで作為という言葉がなにげなく出てきたのだが、その意味でA805にも相当作為があるといってよいだろう。この価格のプリメインを即物的に設計・製作したら、これほど聴き手をひきつける好ましい雰囲気は出ないはずだ。細かな点を指摘すれば、バスドラムやスネアのスキンがピシッと張っている感じが少し湿り気をおび、いわゆるスカッとした音とは違う。反面、弦やヴォーカルはとても滑らかなイメージを展開することで、聴き手に好感をもたせるアンプだ。

オンキョー Integra A-805, Integra A-808

オンキョーのプリメインアンプIntegra A805、Integra A808の広告
(ステレオ 1979年2月号掲載)

IntegraA808

オンキョー Integra A-805

井上卓也

ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 イコライザーアンプとハイゲインパワーアンプの2段構成の新プリメインアンプである。パワーアンプは、高GmデュアルJ−FETを初段に採用し、パワー段にA級動作に匹敵する低歪のリニアスイッチング方式を採用したスーパーサーボ型で、バイアス回路は低レベル信号に大きな影響を及ぼすパワーアンプのバイアス電流値を安定化するオートトラッキング方式を採用している。
 機能面では、トーンアンプ不要のダイレクトトーン方式採用、カラフルなインジケーターランプなどが特長的である。
 A805は、豊かで暖色系の低域をベースとして、やや細身の中域、粒子の細かい滑らかな高域がバランスしている。音場感はナチュラルに拡がり、雰囲気をよく再生するタイプである。