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ヤマハ HA-2

井上卓也

ステレオサウンド 60号(1981年9月発行)
「MCカートリッジ用トランス/ヘッドアンプ総テスト──(下)」より

 ヘッドシェル内部に初段アンプを組込み、金属接点スイッチ、信号ケーブルなどに起因する歪を解消しょうという構想のアンプで、本体内部にRIAAイコライザーも備えたヘッドアンプイコライザーである。
 基本的にはフラットに伸びたレスポンスと、反応が速くダイレクトでシャープに粒立つ音で、一般のアンプと較べ、一段と鮮明で制約のない伸びやかさが特徴。
 MC20は芯の明解な低域とクッキリと緻密さのある中域、抜けの良い高域が特徴でコントラストの利いた音になり、305は全体に穏やかで、落着いた音だ。
 両者の音の傾向は相当に変わるが、原因の多くは組合わせたトーンアームの性質に関係がありそうだ。305はHA2用シェル付でアームはAC3000MC使用。

ヤマハ HA-2 + C-2a, BX-1

菅野沖彦

ステレオサウンド 53号(1979年12月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶか(下)最新セパレートアンプ25機種のテストリポート」より

 非常に鮮度の高い音で、ヴァイオリンの細かい音やピアノの粒立ちを克明に聴くことができる。音全体の感触にエネルギッシュで肉厚な充実感がある。解像力がいいが、決して弱々しい繊細な音ではなく、高音にもしっかりした肉付きを感じる。ジャズも血が通っている。