瀬川冬樹
ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より
中低域の厚みをむしろ抑えこみ、中高域で線の細い光沢を持たせるというイギリス系のひとつ前のゼネレイションの音色だが、クラシック系で独特のプレゼンスを聴かせる。
瀬川冬樹
ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より
中低域の厚みをむしろ抑えこみ、中高域で線の細い光沢を持たせるというイギリス系のひとつ前のゼネレイションの音色だが、クラシック系で独特のプレゼンスを聴かせる。
瀬川冬樹
ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)
特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より
ドンシャリ型という表現ほどではないにしても低音のごく低いところで音に弾みとふくらみを持たせ、中域ぜんたいを抑え気味にし、高音域には独特の華やかな色彩を感じさせる。イギリスのスピーカーのひとつの典型で、ひと世代前のKEFなどにもこういう傾向があった。こういうタイプのスピーカーは、女性ヴォーカルの艶や弦合奏のオーヴァートーンを少しばかり色気過剰に鳴らすが、そこに一種の麻薬的な要素もあって、この音にとり憑かれると、ほかの鳴り方では満足できなくなるような魅力もある。しかしそれは弱点と裏腹の魅力とも言えるもので、男声の音域、オーケストラの厚みを表現する中低音域がことに抑えられているので、線が細いひっそり型で、そしてパワーに弱い鳴り方を嫌う人にはまったく受けつけない音でもある。しかし中低域が出ないわけではないことは、オーケストラの内声部のパートの動きもよく聴きとれ美しくハモって聴こえることからもわかり、ただ表面的には柔らかく芯の弱い音に聴こえるところが独特だといえる。高域のレインジがきわめて広く、従って28号の92ページや107ページに書いたような雰囲気(プレゼンス)を、このスピーカーは確実に聴かせてくれる。
周波数レンジ:☆☆☆☆
質感:☆☆☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆☆
解像力:☆☆☆☆
余韻:☆☆☆☆
プレゼンス:☆☆☆☆
魅力:☆☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆
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