Tag Archives: CT97

パイオニア CT-97

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 カセットデッキでは、もっとも魅力のある製品が多い9万円台の価格帯に置かれたパイオニアのトップモデルである。基本型はCT−9であり、単にパネルフェイスを改良したモデルと思われやすいが、音質面では、聴感上の周波数帯域がよりワイドレンジ化されて、粒立ちも一段と細やかになっている。中域のエネルギー感と力強さを望むなら、むしろCT−9であるが、ラックに組み込み、システム中に入れるとなれば、CT−97だ。

パイオニア CT-97

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ラックマウントパネルを持った前面操作型。ヴァーティカルユースの同社製品シリーズ中の最高機種である。既発のCT9を充実させリファインした、この価格では大きな力作で、プロフェッショナルなイメージに溢れている。いかにもパイオニアの製品らしい豪華さで各種操作機構のスイッチ、ツマミ類の感触もよく、緻密な感覚を満足させる。CT9同様、音質もきわめてスムーズで、ワイドレンジながら、美しいまとまりをもつ。