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ラックス B-10II

菅野沖彦

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

ラックスのパワーアンプ最上級機B10のアップグレードモデルで、1999年の新製品である。大電流、ローインピーダンス負荷に対し、いちだんと安定度を増した。惜しみなく物量を投入した音は、B10と同系の重厚でグラマラス、かつ艶と輝きに満ちた、ラックス独特の充実感に溢れたものである。

ラックス B-10

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 B10は、同社初の出力段をブリッジ構成としたモノーラルパワーアンプで、500W/8Ω、1kW/4Ωの巨大な定格出力をもっている。
 基本構成は、入力部にアンバランス/バランス入力切替スイッチと0、−6、−12、−20、−∞の6段階の独立固定抵抗切替型アッテネーターがある。これに続き、C10と同様な構成のバランス型バッファーアンプがあり、出力段もC10の出力アンプと相似のCSSC回路によるパワーアンプで、出力段は+用−用にPc200W級のマルチエミッター型トランジスターを6個並列使用である。NF回路もC10と同様のODβ回路を採用している。
 電源部は、800VAのEI型電源トランスとカスタムメイドの22000μFを4個使用。バッファーアンプ電源などは、ハイイナーシャ電源を採用している。
 筐体構造は、内部に独立電源ルームを設けたクリーン電源を中心とする、不要振動と電磁・高周波ノイズを遮断するラックス流配置で、シャーシベースは重量級FRP製、脚部は5点設置型を採用している。
 また、大型120×100mmパワーメーターや、3種類に使い分けられるオリジナルスピーカー端子をはじめ、カスタムメイドの部品が数多く採用され、さらに非磁性体抵抗、銅製バスバー、6N配線材、70μガラスエポキシ基板など、超高級機らしい贅沢な物量投入によりベストな音質を引き出し、音楽表現に貢献しているようである。