Monthly Archives: 12月 1978 - Page 6

パイオニア PT-20

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ダイアフラムには、絹を素材とし、これに柔軟性のある合成樹脂を含浸し、成形したソフトドーム型トゥイーターである。磁気回路はフェライト磁石を使い、12、300ガウスをの磁束密度を得ているが、ドーム型であるため出力音圧レベルは89dBとやや低い。しかし、実用面では、2ウェイ構成の場合でもウーファーには直列にLが入り、この抵抗分によるロスがあるため、90dB前後の出力音圧レベルのフルレンジ型や20〜25cm口径程度のウーファーと組み合わせることが可能である。

ダイヤトーン TW-503

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 従来のTW23にかわるダイヤトーンの単体として発売されている3機種のユニット中で、もっとも新しい製品である。口径は5cmのコーン型で振動系の等価質量は0・392g、φ20×15mmの鋳造磁石を磁気回路に使い9、500ガウスの磁束密度を得ている。クロスオーバー周波数は2・5kHzという低い周波数から使用できる特長があり、16〜20cm口径程度のフルレンジ型ユニットの高音用として2ウェイ構成で使用するのが相応しい製品である。

コーラル H-100

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 外観上では、H104と同じで区別がつきにくいが磁気回路のカバーの塗装の有無で両者の違いが判別できる。磁気回路はNKS5DGと純鉄の内磁型ヨークの組合せで、19、000ガウスの磁束密度はH104と等しいが、出力音圧レベルは2dB高い110dBと発表されている。ダイアフラムは、厚さ15ミクロンスーパージュラルミン製で、H104よりは軽量化されているようだ。クロスオーバー周波数を8〜10kHz程度として使う本格派のスーパートゥイーターである。

コーラル H-104

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 肉厚を充分にとった開口径が小さなアルミ棒削り出しのホーンを採用したスーパートゥイーターである。ダイアフラムは、厚さ15ミクロンのスーパージュラルミン製で、熱風炉で焼入れ加工が施してある。磁気回路はアルニコ系磁石とカップ型ヨークを組み合わせた内磁型で、漏洩磁束が少なく、19、000ガウスの磁束密度を得ている。このユニットは、3ウェイ構成以上の高音用や完成システムの最高音用に使いたいが、優れたフルレンジ型ユニットの高音用としても魅力がある。

コーラル H-70

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 指定クロスオーバー周波数3.5kHzと発表されているようにホーン開口径も比較的大きい、トゥイーターらしい製品である。ダイアフラムは、厚さ18ミクロンのスーパージュラルミンでボイスコイルはアルミ線のエッジワイズ巻、ホーンは旋盤加工のアルミ棒削り出しでハイパーボリックカーブを採用している。磁気回路はアルニコ系磁石とカップ型ヨークで15、000ガウスの磁束密度を得ている。フルレンジユニットからマルチウェイ方式の高音用まで幅広く使えるユニットだ。

コーラル H-1

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 コーラルは、国内初のホーン型トゥイーターHH2010を製品化した伝統を誇るメーカーであるが、第2弾製品がこのH1で、発売以来、既に20年程度の異例ともいえる超ロングセラーを続けている。アルミダイキャスト製のホーンはバッフル開口径が89mmと大きく、バッフルマウントとすれば、かなり低い周波数から使える特長がある。音のキャラクターが少なく、30cm口径程度以下のウーファーと2ウェイ構成で使うのが、もっとも相応しい使い方のようだ。

オットー TW-77

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 現在、市販されているトゥイーターのなかでは、本体に固定したスラント型の音響レンズを採用し、専用の付属スタンドを備え、エンクロージュアの上にのせて使うコンセプトでつくられている点が特長の製品である。振動板と磁気回路はTW601と共通だが、ホーン部分が変更されたモデルで、クロスオーバー周波数2・5kHz以上から使用できる。スラント型の音響レンズは、6枚の鉄板プレスフィンを組み合わせてあり、使用目的により、少しデッドニングを施すことも考えられる。

オットー TW-601

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 開口部が6個のセルに分割されたマルチセルラホーンを採用した点が、このTW601の特長である。ホーンは軽合金ダイキャスト製で、前後が二分割でつくってある。振動板は、厚さ50ミクロンのマイラーフィルムで、ボイスコイル径17mm、ボイスコイルはアルミ線使用である。このTW601は、ホーン開口部面積が広く、クロスオーバー周波数3・5kHzで使用できるため、30cm口径までのフルレンジ型ユニットとの2ウェイ構成や既製スピーカーシステムの高域用も考えられる。

オンキョー TW-3001

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 数多くのユニットで構成されているオンキョーのSCEPTERグループ・システムスピーカーの最高音を受持つ製品として開発されたのが、このTW3001で、同社のトップモデルSCEPTER500にも採用されているユニットだ。ホーン開口径はφ45mmと小さく、スーパートゥイーターらしい外観をもっている。ダイアフラムはジュラルミン軽金属製で、磁気回路はφ30×20mmのアルニコ系マグネットを使った内磁型構造で14、000ガウスの磁束密度を得ている。

オンキョー TW-40A

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 オンキョーのM6MKII、M3MKIIは、出力音圧レベルが高く、明るい音色のスピーカーシステムとして定評を得ているが、これらのシステムに使われているトゥイーターと同じ設計方針でトゥイーター単体ユニットとして開発されたのがこのTW40Aである。4cm口径のカーボン繊維コーンの中央部にはチタンキャップが取り付けてあり、超高域で箱の部分がドーム型として動作をするため複合型トゥイーターとオンキョーでは名付けている。能率が高く広帯域型の製品だ。

マクソニック T45EX

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 基本的な構造はT45と同様なユニットであるが、磁気回路にはいわゆる磁石を使わず、磁気回路内部にコイルを巻込み、これに電流を流して電磁石とする励磁型を採用したモデルである。励磁用端子電圧8V時に20、600ガウスの磁束密度が得られるが、電圧を変化させれば磁束密度も変化し、ダイアフラムへの磁気制動が変わるため、一種のダンピングコントロールが可能となり音質をある範囲内で調整できる利点がある。外見寸法、重量ともパワートゥイーターといった印象。

マクソニック T45

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 一般にトゥイーターは軽量で直径が小さな振動板を使い高域特性を改善しているが、このT45は直径45mmのジュラルミンダイアフラムを使い、高域特性を向上するためには、同心円状に置かれた3個のイコライザー・マルチホーンにより小口径ダイアフラム同等の結果としている。なお、このマルチホーンは、長さとフレアが異なった3個のリングホーンの組合せで、ダイアフラムの平面波を球面波とするよう働き、指向性を改善しているのが特長である。

フォステクス T725

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのホーン型トゥイーターのトップモデルで、ドライバーユニットを使う本格派のスコーカーと組み合わせて使用するのが本来の目的である。開口径74mmのホーンはアルミブロックから削り出し加工でつくられ、かなり低い周波数から使用できる設計だ。磁気回路は、重量350gのアルニコ系マグネットを採用し、102dBの出力音圧レベルを得ている。このユニットは、マルチウェイ用で使うほかに、優れた20〜30cm口径のフルレンジ型ユニットとの2ウェイも考えられる。

フォステクス T925

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのTシリーズ・トゥイーターは同社の最高級モデルで、なかでもこのT925は、ホーンのカットオフ周波数が高く設計された、スーパートゥイーターであることが特長である。アルミ棒から削り出し加工をしたホーンは、開口径60mmで、5kHz以上からの再生周波数範囲をもっているが、クロスオーバー周波数は7kHz以上と考えてよい。磁気回路は、15、000ガウスの磁束密度をもち、出力音圧レベルが108dBと高いのもこのユニットの特長である。

フォステクス FT5RP

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 RPシリーズのトップモデルで、FT3RPをケースに収納した製品と考えてよい。振動板は、厚さ12・5ミクロンのポリイミドフィルムに高密度ボイスコイルパターンをエッチングしたタイプである。磁気回路は、強力な希土類コバルトマグネットを同極同士対向させ、そのサイズは前後非対称としている。この非対称が超高域での周波数特性と指向性の優れるRPシリーズのポイントだ。FT5RPは出力音圧レベルが93dBと高く、既製システムの超高域用としても使える。

フォステクス FT60H

井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 カットオフ周波数1・5kHzの比較的口径が大きなホーンを採用したトゥイーターである。ホーンはアルミ合金を切削加工したハイパーボリックカーブをもち、ダイアフラム材料には、FT50Dの振動板と同様な構造の5層構造をもつ軽質量、高剛性のタイプを使っている。この振動板はグラスファイバーを中心とし熱硬化性樹脂と表面に金属蒸着としたタイプで、エッジ部分も振動板と一体成型されているのがFT50Dと異なる点だ。