Daily Archives: 1967年3月15日

サンスイ SR-4040

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 トーレンスを思わせる2重ターンテーブルのベルト・ドライブのフォノ・モーターに、高級パイプ・アームと、MM型カートリッジの組合せによる山水初めてのプレイヤーだ。超低音、超高音のソフトで繊細な美しさは、特筆できよう。

ケイエス KL-515HA

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 4極16コイル・ヒステリシス・シンクロナス式の優秀なモーターを採用した4スピードのプレイヤー。SN比40dB、ワウ0・2%以下。トーンアームにスタティック・バランス型を、カートリッジにMM型を採用し、周波数特性20〜20、000c/sで出力5mV特性である。

CEC BD-414

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 BD412ベルド・ドライブ方式のターンテーブルを開発して、スタティック・バランス、針圧直読式カウンターウェイト採用のパイプアームを装備したプレイヤー・ユニットである。カートリッジにMM型を使用。ターンテーブルの駆動には、ポリウレタン・エンドレス・ベルトによる2スピード方式。諸性能としてSN比45dB以上、ワウ0・1%以下。

クリーン CL-7

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 新規のプロフェッショナル・プレイヤーらしく、洗練されたメカニカル・デザインが全体のイメージを強めている。トーンアームはスタティック・サイドバランサ・ライトシェル付を装備し、カートリッジにMM型を使用し周波数特性20−21、000c/s。SN比45dB、ワウ0・1%以下の性能。

デンオン DP-4500

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 モノーラル時代、マニアなら誰しも垂涎の的であった〈電音〉がコロムビアと合併し、このMC型ステレオ・ピッグアップ、ベルト・ドライブ方式の最高級プレイヤーを市販した。すべての面で、派手な印象はないが、国産中最も信頼のおける製品である。常にベストの動作を望む向きに最適であろう。

ビクター SRP-471L

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 アウターローター・モーター、ダブルアイドラ、2重ターンテーブルなど、独自の開発技術によるプレイヤーは、マニア垂涎のものとなったが、この機種のプレイヤー・ユニットにもすべて独自の機構が見られる。そして性能においてもSN比50dB以上でワウ0・08%という高性能を誇る。カートリッジはMM型で出力5mV。

ニート NR-101

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 最近流行の超薄型フラットデッキライン・スタイルで、新鮮さを加味している。SN比が50dBと優れているベルト・ドライブ方式で、超重量級ターンテーブル採用によるフライホイール効果が出ていてワウ0・1%以下という高性能。アームに自社製のG35型を、カートリッジにV50を取り付けたプロフェッショナル型プレイヤーである。

CEC FR-180

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 現存するターンテーブル製品中、もっとも古くからの製品として、今もプロ級によく用いられ、その安定さ、堅牢さをかわれる。

パイオニア PL-41

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 好評のベルト・ドライブ・ターンテーブルを中心に、パイプ・アームによる軽量級の超仕上げのアームと、MM型カートリッジの組合せ。海外製品級のこの程度の高級品となると、カートリッジはもうちょっと高性能を望みたくなるのは人情だろう。MCでなくとも高性能は望めるのだから、とはいうものの、市販プレイヤー中のもっともまともな高性能品といえる。

マイクロ M-8P

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 8極モーターによるリム・ドライブは、高級品にベルト・ドライブが流行する今日、やや古さを感じないでもないが、力強いトルク、使いやすい価格から、数少ない選ばれた中級品といえよう。

トリオ PC-3030

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 針先交換可能の高出力MC型カートリッジという大きな特長が、まずマニアには嬉しい。14インチの本格アームは、オルトフォン・タイプ。ターンテーブルは30センチでヒステリシス・シンクロナス型モーターでリム・ドライブ。まともな正攻法だ。

ソニー TTS-3000

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 トランジスタによる電子制御ということで、デビュー当時の昨年後半大いに目を引いたが、その肝心のサーボ回路のトラブルが重なって、トルクが少ないとか、遅いとか一時やや悪評を買ったこの製品も、今や本来の高性能を発揮するように内部的にも改められたとみられる。米国で単体として最高価格の製品のひとつで、高く評価され、国内マニアにも愛用者は少なくない。

ナショナル SF-180M

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 15〜25、000c/sまでフラットな再生特性で、しかも高柔軟性垂直駆動方式の半導体ピックアップ。レコード盤をのせるだけで45−33のスピード切換が自動的に行われる新機構。側圧0でも自動的に回転ストップし、アームがオートリターンする機構。駆動はベルト・ドライブ方式。いずれも流行の先端をいく技術を取り入れてきる新製品。SN比45dB。カートリッジは、針圧1・5gである。

ケイエス VL-777

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 関西ののれんを誇る老舗。ターンテーブル業界では草わけで、この社の高級品のプロ級ベルト・ドライブの製品がこの777だ。メカニカルでシャープなデザインにまとめられた製品として、随一の35センチ3・2kgの大型ターンテーブルは、マニアには魅力だろう。スイッチまわりにもう一歩のセンスが欲しいが、機構の良さと価格からまずは推薦できる製品だ。

テクニクス FF-253 (Technics 100P)

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 アームが横にスライドするという驚くべき機構で、アームの理想的動作がこのプレイヤーで初めて成功された。このクリティカルなスライド・メカニズムが、この価格で製品としてあることは、マニアにとって嬉しい。この事実は松下のハイファイ界における大きな布石となることも確かだ。

ティアック TN-60

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 高級テレコの専門メーカーのプロ級ターンテーブル。強力なトルクの8極モーターを2個そなえた高級メーカーにふさわしい製品。モーターが強力なためか、モーターそれ自体の振動が、やや大きいのが目立つが、業務用の目的として十分の仕様は魅力で、マニアに愛用者が少なくない。

東京サウンド SV-1

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 サウンドのMC型の好評に乗って、ベルト・ドライブ・メカニズムのターンテーブルと、ヘッドアンプ、オルトフォン・タイプのアームとの組合せによる超高級プレイヤーが出た。カートリッジ・メーカーとして初の製品だが、その高性能ぶりは専門メーカーたるにふさわしい。もう少し豪華なデザインが欲しかった。

コーラル CP-701

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 総合ハイファイ・メーカーとしてののれんをかけた高級プレイヤー。市販プレイヤー中でも最高性能のアームとIM型カートリッジは、ベルト・ドライブの高級ムードのターンテーブルとともに、すぐれたデザインでまとめられている。キー・スイッチ式の切換入力も扱いやすく、豪華な高級品だ。

マグネフロート MFD-202

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 プロ級ベルト・ドライブ専門のマグネフロートの新型は、流行のモーターボードを備えた大型のフラット・スタイル。特に大きな変化はないが、2・6kgと更に重いターンテーブルでSNが一段と改善された。

パイオニア MU-41

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 この所、急速に評価を高めてきたのがこのパイオニアの41。この精巧は、試用されているモーター自体の驚くべき静かなことにある。市販製品中でもひときわ優れたSN比は、海外一流品とくらべてもひけはとらない。しかもフラット・スタイル、大型ボードにまとめられて魅力十分。価格も手頃で、どんなマニアに対しても推薦されるに足る国産品だ。

ソニー PUA-237, PUA-286

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 国産市販アーム中、最高価格のアームだが、その価格だけの諸特性と精巧でユニークなアクセサリーが魅力だ。超軽針圧用ながら、ガッチリした機構と、工作、そして十分吟味された材料と仕上げの良さがよく溶け合って、理想的ともいえる優れたアームを形づくっている。オートリフトや独特のインサイド・フォース打消し機構、レコード直径を選ぶクリックストッパーなどが楽しい。

スタックス UA-3

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 コンデンサーPUの専用アームを改造したユニバーサル型だが、元来、超軽針圧用だっただけに、その類のない軽やかな動作をそままに保ち、軽針圧用アームとして成功している。各部の精巧な仕上げと、独創的なワンポイント支持機構は、市販アーム中でも最も高く評価されてよい。独特のアーム差し換え機構は、差し入れ部でも長くしない限り、ガタによる狂いが生ずるという問題があるのではないか。

スペックス VA-55, VA-255

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 1グラム・オーダーの軽針圧用として、スペックスが開発したワンポイント支持のユニークなパイプ・アーム。細身のパイプと、シンプルなカウンター・ウェイト付近の機構は、スマートなデザインにまとめられて魅力を加えている。ラテラル・バランスが支持部を中心に回転して、支点を変えるのも新しい。メーカーとしては新しいが、永年PU製品を作ってきたキャリアの結集がどの製品にも輝いている。

スペックス 6120C, 6140C

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 ミニチュア・ベアリングを垂直・水平軸共に初めて使ったのが、このスペックスのアーム。外観的にオルトフォンそっくりのデザインだった初期の製品から、C型ではスマートさを加えて、特に6140はストレートなS字アームで、オリジナルな性格も加えた主力製品。スペックスの最大の長所は動作が安定なこと。あまりクリティカルな鋭敏さを追うより故障の絶無を目指し、製品化しての本当の価値を見失うことがないのは、本格的なメーカーといえよう。

東京サウンド ST-1200, ST-1400, ST-900

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 細身のパイプは、スマートなメイン・ウェイトとバランスよく、スタックスの軽量型を思わせるデザイン。しかもこの社の方針で、「良い物を安く」を強く打出して、驚くほどの低価格だ。従来のオルトフォン・タイプのアームから、自社のオリジナルにやっと達した所で成果を期待しよう。局用アームを一手に引受けていた貫禄をここらで発揮してもらいたい。