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ビクター SX-3

菅野沖彦

スイングジャーナル 11月号(1972年10月発行)
「SJ推選ベスト・バイ・ステレオ」より

 SX3というスピーカー・システムは今オーディオ界で大きな話題となっている。あれこれとスピーカー・システムをつくり続けて来たビクターの初のヒットといっても過言ではないだろう。音響機器専門メーカーとしてのビクターの伝統と実力が実ったという観が強い。もっとも、今の話題の半分はこの製品の優秀性で、あとの半分は製品が足りなくてオーダーして数ヶ月も待たされるといった不満である……。こうなると、ますます欲しくなるのが人情で、SX3を渇望するマニアの数はどんどん増えているらしい。
 SX3の生産が追いつかないということは、このスピーカー・システムの本質と、あえてそうした製品をビクターのような大きなメーカーがつくった意義とを説明することにつながるのである。つまり、このシステムは、たいへん手のこんだ作業を要する手造りの性格が強いのである。オーディオ機器が通り一辺の理論と設計技術と生産技術では、最高の製品たりえないということは私が常々いっていることなのだが、このシステムはそうした常識を超えた製作者の音への執念と情熱、そこから発した多くのアイディアと実験に裏づけされた試行錯誤、それを一つの完成度の高い製品にまとめる、高い技術が生きているようである。このスピーカー・システムの生みの親は同社のスピーカー技術の中核である林正道氏だが、林氏のスピーカーづくりへの情熱は並々ならぬものである。しかし、今までは、正直なところ、氏の情熱と探求の努力、技術の蓄積は多とするが、それがスピーカーの音として私たちを説得するまでには至らなかった。氏の独得のねばりは、今までの不評によく耐えて、謙虚にそして入念に、幾度かスタート・ラインへもどって音響変換器としてのスピーカー、音楽を奏でるスピーカーという二つの性格を正しく把握して、このSX3を生みだしたといえるだろう。と同時に、こういう人間の自由な創造性を暖かく保護し、開発に余裕を与えたビクターという会社もほめられてしかるべきであろう。こういう体質がなくてはオーディオ・メーカーとして、これからの時勢を乗り切っていくことはできないといっても過言ではない。技術は人間の積み重ねてきた体系的所産であるが、それは常に発想に触発されて前進すべきものである。発想は創意という、人間が神から与えられた偶発的な要素の濃いもので、すべての創造の基盤となる。すばらしい発想は優れた才能と、その才能を開花させる環境から生れるものだと思うのだ。音そのものはもとより、人間のつくり出したスピーカーという変換器ですら、そのすべてが解析されてはいない複雑な要素からなるものだから、これに既成の理論と技術だけで当っていては、できる製品はたかがしれているというものである。
 SX3の随所に見られるアイディア、豊富な実験から得られた新しい前向きのオリジナリティは、こうした私の考え方からして高く評価できるものなのである。しかし、そうした姿勢があるだけで、よいものができるわけでもないし、またSX3が最高のスピーカー・システムというつもりはない。
 SX3はやはり、メーカーに利益をもたらす商品として生み出されたものだから、そこには多くの制約も妥協もある。小型(実際上は中型といえるが)ブックシェルフ・システムという市場でもっとも人気のある形態、3万円を切る小売価格などという商品としての条件の中でつくられたものであることは当然で、その結果、強烈な音響再現を可能にする大型システムや、そうした音を要求する音楽には自ずから限界はある。しかし、この範囲での製品としてトップ・クラスのものであることは保証する。25cmウーファーとソフト・ドーム・ツィーターの2ウェイ。手のこんだ材料と工作によるシステムとしての念入りなアッセンブルは非常に豊かでリアリティのある低音をベースに、スムースで奥行のある中高域とステレオフォニックなプレゼンスを再現してくれるのである。

ビクター CCR-667, CCR-668, JX-51

ビクターのカセットデッキCCR667、CCR668、アクセサリーJX51の広告の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

CCR668

ビクター JA-S9, JA-S7, MCA-V9, MCA-V7B

ビクターのプリメインアンプJA-S9、JA-S7、MCA-V9、MCA-V7Bの広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

JA-S9

ビクター CCR-668, CCR-667, CCR-666

ビクターのカセットデッキCCR668、CCR667、CCR666の広告
(スイングジャーナル 1972年10月号掲載)

ビクター TD-550, TD-553, 4TD-405

ビクターのオープンリールデッキTD550、TD553、4TD405の広告
(スイングジャーナル 1972年10月号掲載)

ビクター CCR-668, CCR-667, CCR-666, JX-51

ビクターのカセットデッキCCR668、CCR667、CCR666、アクセサリーJX51の広告
(ステレオ 1972年10月号掲載)

CCR668

ビクター SX-3, MCA-V7B, MCT-V7B, SRP-B33M, CCR-667

ビクターのスピーカーシステムSX3、プリメインアンプMCA-V7B、チューナーMCT-V7B、アナログプレーヤーSRP-B33M、カセットデッキCCR667の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

ビクター SX-3, MCA-V7B, MCT-V7B, SRP-B33M, CCR-667

ビクターのスピーカーシステムSX3、プリメインアンプMCA-V7B、チューナーMCT-V7B、アナログプレーヤーSRP-B33M、カセットデッキCCR667の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

ビクター CCR-667, TD-550

ビクターのカセットデッキCCR667、オープンリールデッキTD550の広告
(スイングジャーナル 1972年7月号掲載)

CCR667

ビクター CCR-667, TD-550, 4ED-205, JX-51

ビクターのカセットデッキCCR667、オープンリールデッキTD550、8トラックデッキ4ED205、アクセサリーJX51の広告
(スイングジャーナル 1972年6月号掲載)

CCR667

ビクター JL-B55, JL-B77

ビクターのアナログプレーヤーJL-B55、JL-B77の広告
(スイングジャーナル 1972年6月号掲載)

JL-B77

ビクター SX-3, JL-B55, JL-B77

ビクターのスピーカーシステムSX3、アナログプレーヤーJL-B55、JL-B77の広告
(スイングジャーナル 1972年5月号掲載)

JL-B77

ビクター CCR-667

菅野沖彦

スイングジャーナル 5月号(1972年4月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 CCR667は日本ビクターの発売した最も新しいカセット・デッキである。カセット・デッキというのは、カセット・テープを使ってステレオの録音再生ができるデッキ・タイプのテープレコーダーで、出力はラインで出るから、これをステレオ・アンプのライン入力回路に入れて使うように作られているもの。そして、一般に、カセット・レコーダーというと、それ自体にパワー・アンプとスピーカーを内蔵してしいて、他のアンプなどにつながなくても再生音がきけるものをいう。いいかえれば、カセット式のテープレコーダーの場合には、家の中に据置いて使うものがデッキ、どこへでも持って歩けるものが、カセット・レコーダーというように考えてよいだろう。また、今、はやりのコンポーネント・システムという概念でいけば、カセット・デッキはそれ自体では音が出ないし、高級なシステムにつないで使うように、設計されているから、これはカセット・コンポーネント、あるいは、コンポーネント・カセットと呼んでもよさそうである。いずれにしても、カセット・デッキはカセット式の高級機であって、ハイ・ファイ・マニアの音質的要求にも応えるものというのが条件である。カセットはそもそも開発の意図からして、簡便、小型、軽量という使いやすさを第一の目的としてきた。したがって、その範囲での音質向上は当然計られるにしても、本来の〝イージー・ハンドリング〟〝コンパクトネス〟といった特徴を犠牲にしてまでもハイ・ファイ再生を目指すようになろうとは想像出来なかったのである。それは、やや馬鹿げたことにも思えたし、第一、あんな細いテープで、しかもゆっくり廻して、そんな高性能が得られるわけもないと誰もが考えたにちがいないのである。しかし、そうした馬鹿げたことをも、馬鹿げたことと感じさせないのが技術の進歩というものらしく、最近のカセットの性能は、オープン・リールのテープ・デッキ並の大型化をも不満と感じさせないだけのものとなってしまったようである。
 このCCR667を使ってみても、そのカセット本来の特質を失った堂々たるデッキのスタイルが気にならないだけの性能をもっているのであった。これで、音質が悪かったり、ノイズが聞くに耐えなかったりしたら、途端に、カセットの数十倍もあろうと思われる大きさに腹が立ってくるところだろう。
 CCR667はビクターが独自に開発したノイズ・リダクション・システムANRSが内蔵している点を第一のフューチャーとすべきだろう。これは、有名なドルビー・システムと同じような考え方による回路であって、入力信号が小さい時に、高域における録音レベルを上げ(伸長)てテープに録音し、再生の時に、その分を下げ(圧縮)てやることにより、耳につくテープ・ヒスを減らそうというものである。つまり、ハイ・レベル録音でS/Nをかせぐというテープ録音のコツを利用して、これをたくみに電気回路で自動動作をさせたものである。そしてこのANRS(AUTOMATIC NOISE REDCTION SYSTEM)はドルビー・システムとの互換性があるそうだから都合がいい。それにしても、同じ考え方、同じような動作、さらに互換性もあるとなると、世界的特許を盾に、世界中の市境を席巻しているドルビー氏との関係はどのようになっているのだろうか? というヤジウマ根性が首をもたげてくる。
 第2のフューチャーはクローム・テープに対する適応性である。ごぞんじのことと思うが、最近のテープ界の話題となっているクローム・テープは、従来の磁気テープが、ガンマフェマタイトという酸化鉄の微粒子を磁性体として使っていたが、この新しいテープはクロミダイオキサイド(CrO2)という合金の微粒子を磁性体としたもので、その磁気特性はまったくちがうものだ。テープに録音をするにあたって、あらかじめ高い周波数の交流電流を磁気ヘッドに流し、これに信号を重ねてテープを磁化する交流バイアス法が現在使われているが、そのバイアス電流の量はそれぞれのテープの磁性の特質によって異るのがテープ・レコーダーの厄介な問題の一つであった。クローム・テープとまでいかなくとも酸化鉄系のものでも、普通のテープと、ロー・ノイズ・タイプとでは性格が異り、同じバイアス電流量で使うと周波数特性に変化が起きたり、歪の少ない録音がとれなかったりという不都合が起きた。正しく使うと高性能を発揮するテープでもまちがった使い方をするとかえって悪い結果に終る、というわけだ。これがテープとデッキの適応の問題で、クローム・テープは、そのために設計されたデッキではないと使えないのである。このテープ・デッキは普通のテープとクロームとの二点切換スイッチがついていて、クローム対策は万全であり、実際、同社ブランドのクローム・テープを使ってFMやレコードから録音してみたが、なかなかよい。またフジ・フイルムのクローム・テープが手元にあったので使ってみたが、ANRSと併用して、とてもカセットとは思えない結果が得られた。メカニズムも安定していてドロップ・アウトも少なく、カセット特有だったフラフラとレベルが変動することがなかった。リニアー式のレベル・アッテネーターも確実だし適度に軽くて気持がよい。またテープの巻き終りで、ライト・ビーム・センシングによるカセットのポップ・アップ機構がついているのも便利だし、全体のデザイン・イメージもマニアの好みに合いそうだ。ヘッドまわりのクリ−ニングもカバーをとりはずすことによって容易に出来るような配慮があって好ましい。

ビクター CCR-667

ビクターのカセットデッキCCR667の広告
(スイングジャーナル 1972年5月号掲載)

CCR667

ビクター CCR-667

ビクターのカセットデッキCCR667の広告
(スイングジャーナル 1972年4月号掲載)

CCR667

ビクター CHR-260, CCR-661, TD-450

ビクターの8トラックデッキCHR260、カセットデッキCCR661、オープンリールデッキTD450の広告
(スイングジャーナル 1972年2月号掲載)

Victor

ビクター SX-3

ビクターのスピーカーシステムSX3の広告
(スイングジャーナル 1972年2月号掲載)

SX3

ビクター BLA-305, MCA-V9

ビクターのスピーカーシステムBLA305、プリメインアンプMCA-V9の広告
(スイングジャーナル 1972年1月号掲載)

BLA305

ビクター CHR-260, CCR-661, TD-450

ビクターの8トラックデッキCHR260、カセットデッキCCR661、オープンリールデッキTD450の広告
(スイングジャーナル 1972年1月号掲載)

CHR260

ビクター TD-450, CCR-661, CHR-260

ビクターのオープンリールデッキTD450、カセットデッキCCR661、8トラックデッキCHR260の広告
(スイングジャーナル 1971年12月号掲載)

TD450

ビクター MCA-V9, SRP-B33M

ビクターのプリメインアンプMCA-V9、アナログプレーヤーSRP-B33Mの広告
(スイングジャーナル 1971年12月号掲載)

Victor

ビクター MCA-V9

ビクターのプリメインアンプMCA-V9の広告
(スイングジャーナル 1971年11月号掲載)

MCA-V9

ビクター TD-450, CCR-661, CHR-260

ビクターのオープンリールデッキTD450、カセットデッキCCR661、8トラックデッキCHR260の広告
(スイングジャーナル 1971年11月号掲載)

Victor

ビクター MCA-V5, MCA-V7, MCA-V9, CD4-1, 4MD-1X

ビクターのプリメインアンプMCA-V5、MCA-V7、MCA-V9、4チャンネルデコーダーCD4-1、カートリッジ4MD1Xの広告
(スイングジャーナル 1971年10月号掲載)

victor

ビクター CCR-661, TD-450, QTD-400, CHR-250A

ビクターのカセットデッキCCR661、オープンリールデッキTD450、QTD400、8トラックデッキCHR-250Aの広告
(スイングジャーナル 1971年10月号掲載)

CCR661