ナガオカのレコードクリーナーCleartoneの広告
(ステレオ 1970年1月号掲載)
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ナガオカ Cleartone
マイクロ MD-411, MC-4100/5, MC-4100/e. VF-3100/5-II, VF-3100/e-II, M-2100/5, M-2100/e, MA-77MKII, MA-77SR, MA-100, MA-101, MB-400S, MB-800, MTA-41, MSB-1
オーディオテクニカ AT-3M
スペックス SD-700 TypeII, SD-801EXCEL/E, 6140D, V-500A DELUXE
シュアー V15 TypeII
トーレンス TD125
サンスイ SR-3030
オーディオテクニカ AT-1005II
グレース F-8C
シュアー M75E/2
オーディオテクニカ AT-3M
菅野沖彦
スイングジャーナル 12月号(1969年11月発行)
「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より
ジャズのレコードに限ったことではないが、モノーラル時代の名演奏の再発売ものには見逃せない名盤がたくさんある。レコードというものの本質からいっても、記録性ということは大変重要なもので、特にジャズのような瞬間性の大切な、二度と再び同じ音楽がこの世に存在し得ないものについては、きわめて貴重なものだ。資料としてはもとより、かけがえない音楽体験として、モノーラルのレコードを、ただ局面的なオーディオ観で、ステレオ録音ではないからというだけで、遠ざけてしまうとしたら、その音楽的損失は計りしれないほど大きい。しかもモノーラルにも、ステレオ顔負けの素晴しい録音のものさえあるのだから、なおさらのことである。特にジャズ・サウンドは、空間サウンド以上に楽器音そのもののリアルな再現が好まれるという美的観念があるから、モノーラル録音はクラシックの場合ほどの制約にはならないともいえる。クラシックとジャズとの間には、音楽的な音そのものについての美学の差があることは否めない。ジャズのステレオ録音に、マルチ・モノ的な音が多いものもそうした理由による。荒々しいタッチ、生々しい触感、激しい圧迫感をもった音を明確に把握しながら、しかもステレオフォニックなプレゼンスを2チャンネルの再生から得ようとすることは容易ではないし、これは、ジャズ録音にたずさわる私たちの抱える大きな課題なのである。
ところで、モノーラルのレコードが現時点で再発売される時に、いわゆる擬似ステレオ化されているというケースがあるが、これについては、クラシックもジャズも、心ある人々が大反対しているようだ。しかし、先に述べたようなジャズ・サウンドの美的観念からして、ジャズの疑似ステ化についての反対はクラシックとは比較にならないほど強烈で、ついに、近頃では、ほとんどのレコード会社がモノーラルのまま再発するようになった。
こうなってくると、もう一つ問題となるのが再生のシステムであって、ステレオ・カートリッジで、モノーラル・レコードを演奏することには一考する必要が生じるというものだ。つまり、ステレオ・レコードとモノーラル・レコードとでは、溝を切刻するカッター針の曲率半径が異り、溝の形はちがう。また本来、モノーラル・レコードには縦振動の成分は含まれていないし、それを再生するカートリッジも縦の振動成分に対しては感度をもたないように設計されている。ステレオ・カートリッジでも、左右チャンネルの出力をシリーズ結合して縦成分をキャンセルして使えばまだよいが、そのままの状態で使ったのではかならず不都合が生じる。一般にいわれることは、モノのカートリッジでステレオ・レコードはかけられないがステレオ・カートリッジでモノーラル・レコードをかけても差支えない……というのだが、それはレコードに対する保護の面からであって、そのレコードを理想的に再生することに関しては問題がある。モノ・レコードはモノ・カートリッジでかけるのが本来である。そこで、このAT3Mは貴重な存在である。ステレオになってカートリッジの振動系は大幅な進歩を遂げているが、このAT3Mもモノ当時のカートリッジとは格段の性能をもつ。欲をいえば、現時点でカートリッジ・メーカーの技術をもってすれば、さらに理想に近いモノ・カートリッジが出現するはずだが、モノ・レコードを聞く人には、広くこの製品を推薦したい。ステレオ・カートリッジで聞くよりも、はるかに腰の入った、がっしりとした音の再生ができるのである。今さらモノ・カートリッジをと思われる人もいるかもしれないが、ジャズ・ファンならばぜったいに聞き逃せないモノーラルの名盤のよりよい再生のために、このカートリッジを今月のベスト・バイ商品として選んでみた。
マイクロ MR-411
ビクター ARM-1000
サンスイ SP-30, SP-50, SP-100, SP-200, SP-1001, SP-2002, SR-2020, SR-3030
グレース F-8C
シュアー M44-5
グレース F-8C
岩崎千明
スイングジャーナル 11月号(1969年10月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
F8Lというベスト・セラーのカートリッジに「MUSICA」と名付けたF8Mが加わったのは昨年春であった。F8シリーズは国産MM型カートリッジの代表のようにいわれ、その性能、品質、さらに再生品位までもが高い信頼度をそなえている製品である。
非常に繊細に音のひとつひとつを適確に拾い上げる能力、どんな演奏のレコードでも正確に音溝をトレースする能力、このようなもっとも大切にして必要な条件を、危な気なくそなえているという点て、グレースのF8Lは国内製品中でもベストに上げられるひとつであった。
そして、その音の繊細さに、より以上の迫力、アタックの力強さを加えて誕生したのがF8Mであった。
むろんF8Mは発売後、F8Lと並んで好評を持って迎えられ、特にジャズ・ファンからはF8L以上に支持されていると聞く。
F8L、F8Mの話を長々と前置をしたのには理由がないわけではない。
今回、F8Cが発売された。F8シリーズの最高級品としてのF8Cについて、次のようなことがよくいわれているのである。
つまり「F8CはF8LとF8Mとの中間的な製品である」「F8LとF8Mの良い所を採り入れて作られたのがF8Cである……」
これは結論からいくと誤りである。F8CはF8シリーズの標準品種F8Lを基として出発したF8Mとは兄貴分に当る製品である。メーカーの言によると「F8シリーズの最高級を目指して、精密技術を駆使して完成した製品」である。
結果としてF8Mのアタックを加えられたF8Cは、音色の上で、F8LとF8Mの中間的なファクターを示すこととなった。メーカーサイドでは、しかしこれはあくまで聴感上の結果であるという。
F8Lをもととしてその性能向上化の結果、それ以前のF8Mと似たとしても、技術的にはかなり違ったものからスタートして得たのである.
一般にカートリッジの高性能化の方法として、針先カンチレバーの質量を減らし、その支持をやわらかにすることにより、振動系を動きやすくするのを目的とする。これはシュアーのカートリッジが追従能力、トラッカビリティの向上を狙って優れた性能を得るに到ったことからも納得ができよう。
レコード音溝に刻みこまれた20、000ヘルツにも達する高速振動に追従するには、そのカンチレバー自体の自由共振はその限界を越えることが好ましい。しかし現実にはそれが、いかに難かしいことか現在の市販製品は20、000ヘルツ以上のものがない。もっとも高いひとつであるF8Lにしても18、000ヘルツである。一般には音声帯域内にあるこのカンチレバーの高域共振はダンパーによって押えられているわけである。このように押えられて周波数特性はフラットにされている。
微少化されて20、000ヘルツ以上の音声帯域以上高い範囲に自由共振点が達したためJ支持部によるダンプの必要力くなくなって、針先の自由度が大きく向上したわけである。つまり針先コンプライアンスが向上して追従性がF8Cにおいて、25×10の−6乗
cm/dynと、より優れているのはこのためである。アタックの優れているのはこの結果、過渡特性が向上したからである。
しかし、この僅かな向上のためにかなりのコストアップがつきまとうことになり、コスト・パーフォーマンスの点でF8Lにくらべて損をすることとなるのだが、この点こそ次のように強調したい。
一般にコスト・パーフォーマンスを考えない最高級カートリッジとして国産を選ぶことは今日ではめったにないのが通例である。国産メーカーの奮起を促すことをいつも叫んできた我々にしては、このF8Cの出現をもっと価値のある成果として見直してもよいのではないだろうか。F8Cこそ外国製高級カートリッジに挑戦した国産カートリッジ第一弾なのであるから。























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