Category Archives: 海外ブランド - Page 72

エレクトロ・アクースティック STS455E

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ナマの楽器の持っている艶やかな色っぽさを、むしろ実物以上といった感じで美化して鳴らす。こういう鳴らし方を国産品は絶対にしない。レコードの音すべてにやや脂っこい磨きをかけて、そこにSTS455Eでなくては聴けない独特の世界を展開する。555Eの音はもっと繊細だが、455Eの独特の音の厚みと力づよさの方が、あらゆる音楽ジャンルによく合う。1・3グラム以上の針圧でトレースが安定する。

JBL 4333A

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 L300より若干価格の高い、プロ用モニタースピーカーで、A型になって従来の4333よりエンクロージュアが、さらに強化され、デザイン的にも僅かながら変更を受けた。JBLの代表的な高級システムであり、比較的コンパクトでもあるので、スタジオだけでなく一般家庭でも使いやすい製品である。その再生音は、広いレンジにわかり過不足なく、プログラムソースを鳴らしきる。

JBL L300

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 JBLの民生用スピーカーの高級モデルで、中、高域にホーンドライバーを使った、本来のJBLのよさを発揮した優れたシステムである。プロ用モニターでいえば4333に匹敵する製品であるが、使用ユニットは違う。きわめてワイドレンジ、ハイ・エフィシェンシー、大きな許容入力と、物理特性も第一級のシステムで、エンクロージュアもつくりも、プロ用を上廻る優美さと緻密さが魅力だ。

スペンドール BCII

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 サンプルを初めて聴いたときから、その音のバランスの良さと響きの美しさが印象的だったが、いろいろな機会に聴くにつれて、ますます好きになってきて、いまや、自分用に買い込もうかと思いはじめた。鋭角的な音や、圧倒的なスケール感などを期待するのはこのスピーカーの性格から無理だが、反面、穏やかによく溶けあい広がってゆく豊かな響きは、クラシック中心の愛好家には、ぜひ一度は耳にする価値のある名作だ。

オルトフォン MC20

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 MCA76またレビンソンJC1ACといった、最近の優秀なヘッドアンプの出現とタイミングが合ったことがいっそう得をしたように思うが、しかしMC20を単独でみても、リファレンスカートリッジとして使えるほどよくコントロールされていながら、あらゆるレコードを実に音楽的に再現して聴かせるところは、さすが老舗だけのことはある。

マッキントッシュ C28

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 マッキントッシュの傑作コントロールアンプC28は、何よりも高級機にふさわしいデザインの完成度と仕上りをもって、やはりトップクラスのアンプといえる。音そのものにもマッキントッシュの伝統が受けつがれ、重厚で艶やかな音色をもち、最新アンプとは一味違って安定したキャラクターが得られるのが魅力だ。

マッキントッシュ C26

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 C28に次ぐいわゆる廉価版というよりも、このコントロール自体に独立したキャラクターがあり、そうした点でこのアンプの存在理由が明白となる。いまやこの価格帯に製品が少ない点でも、もっと注目されてよいアンプだ。マッキントッシュの伝統と新しいキャラクターと両立がうまくバランスされている。

QUAD 405

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 100W×2のパワーアンプとしては世界一小型でチャーミングな仕上りだろう。その音もまた、目鼻立ちのはっきり整って、音楽の起伏を生き生きと掘り下げてゆくところがいい。低域の厚みやスケール感という点ではやや不満はあるが、音の魅力の方が勝る。ただ、発売後数回にわたって回路が変更されているようで、音のニュアンスもわずかに違うし、プリのノイズを拡大する傾向のある製品もあるようなので、選択に注意したい。

オルトフォン MC20

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 MC型カートリッジの魅力を知らせてくれたオルトフォンが、現時点で再び開発に力を入れて発表した新しいMC20は、その後、エキセントリックにMCのMCらしさを追求した他メーカーによるものと違い、きわめてオーソドックスなバランスのいい音を聴かせてくれる傑作である。音楽が生き生きとよみがえり、造形も表現も確かな再生音である。

マークレビンソン LNP-2L

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 電源部を大型化した改良型(末尾にLがつく)になって、本体の外観は殆ど変わらないが、音質は全く別のアンプのようにまた一段と向上した。+20dBまでだったゲイン切換が+40dBまでになったが、これを絞り気味に使うとどうも音が冴えないので、ややオーバーゲインで使わざるをえないのが難しい。

テレフンケン M28C

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 2トラック・38cm型のデッキは、有名ブランドの海外製品が次々とその価格が上昇し、少なくともプロ用にも使える製品で、アマチュアに仕えそうなデッキは皆無にひとしくなった。M28Cは、業務用デッキとしては、小型、軽量であり、価格的にも、無理をすれば入手可能な範囲にあることが魅力的である。

AGI Model 511

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 いかにも現代エレクトロニクスの最先端をゆくような、即物的でクールな、しかしいわゆる無機質とか無味乾燥というのではなく音楽の持つ表情に鋭敏に反応する生き生きとした鳴り方が魅力といえる。ただトーンコントロールはおろか、フィルターもラウドネスも何もついていないところが、実用上やや不満になる。

B&W DM4/II

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 II型に改良されてからのDM4の良さはおどろくばかりだ。小型のキャビネットの割に音が豊かで、とても鮮度の高い、しかし上品さを失わない節度を保って鳴るところは、まさしくイギリスの製品の良さだ。価格の面から、UL6が比較の対象になるが、セレッションはくつろぎのための、というような感じだ。つまりDM4IIの方が、音楽の形をいっそう確かに聴き手に伝える。

オルトフォン RMG212

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 最近の性能が向上したトーンアームでも、SPU/Gが、やや特殊なカートリッジだけに、充分の性能が引出せるとは限らない。このモデルは、完全に専用アームとしての存在に魅力のポイントがあり、優雅に弧を描くS字アームの曲線、音質など、SPU/Gファンには欠かせない魅力をもつトーンアームである。

SME 3009/S2 Improved

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 最近では、オーディオ製品の性能が止まるところを知らぬように向上し、次々に最新技術を導入したモデルが登場しているが、趣味的な面から考えると、実用性が前面に押し出されてきたために、直ぐに使える性能が高いものが多く、当面は使う予定はないが、手もとに置いて眺めるだけで楽しいという製品は皆無に等しい。この点では、SMEのトーンアームは、例外的な存在であり、デザイン、性能、機能、精度を含めて抜群である。

アルテック 620A Monitor

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 アルテックはアメリカの代表的なスピーカーメーカーであるが、その作品中、ながい伝統に輝く傑作が、38cm口径のコアキシャル同軸型ユニットである。604、605シリーズと呼ばれ、世界中の録音スタジオのモニターとして大きな信頼に支えられてきた。これは、そのユニットを最新のテクノロジーでリファインした604−8Gというユニットをバスレフのフロアー型エンクロージュアに収めたプレイバック・スタンダードである。

タンノイ Arden

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 タンノイが、新しい経営体制に入って発表したシリーズの最上級モデルが、このアーデンである。38cmウーファーの同軸型コアキシャル・ユニットは、タンノイの歴史的、伝統的傑作ユニットをリファインしたもので、スピーカーのサラブレッドと呼ぶにふさわしい。往年のタンノイのようなクラシックな雰囲気は消えたが、これはこれで高く評価できる。癖はずっと少なく、おだやかでありながらタンノイの風格がある。

AKG P8ES

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 AKGのカートリッジは、最近になってから開発された現在のシリーズが第二世代の製品である。このモデルは、AKGの最高級製品であり、現代的な高い性能をもつが、とくにヴォーカルでの、ナチュラルで、エレクトロニクスの介在を感じさせないような、濡れた、みずみずしさはかけがえのない魅力である。

QUAD ESL

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 エレクトロ・スタティック型で、このシステムほど、実用的に、高く、長く評価され続けているものもあるまい。3ウェイ構成のコンデンサー・ユニットを、きわめてユニークで美しい仕上げのエンクロージュアにおさめ、見るからに音の繊細さが彷彿とするような魅力あるものだ。このシステムで聴く弦の美しさは無類であり、スタティックな控え目な嗜好を持つ趣味人には、これをもってベストとするといっても過言ではあるまい。

オルトフォン SPU-G/E

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 本来は業務用システムのプレイバック用に開発されたモデル。シェルと一体型で、AとGにわけられているのはこの背景を物語っている。本機がベースの改良モデルが常に存在しても未だ現役として充分の実力をもっているのは珍しい例で、今後いつまで残るかが、SPUファンとしては心配のたねである。

スペンドール BCII

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 スペンドールは、イギリスのスピーカー専門メーカーだが、このBCIIは、シリーズ中の中堅に位置するものだ。しかし、音の美しさでは、ベストといってよく、スペンドール社自身の意識外の自然発生的な傑作ともいえる。無論、同社のスピーカー技術は世界最高水準といえるが、それよりも、この美しい音を聴くと、その感覚の素晴らしさが強く感じられずにはおくまい。みずみずしい音である。3ウェイのバランスは完璧である。

ピカリング XSV/3000

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 モノーラル時代以来の古きカートリッジメーカーであるピカリングの製品は、CD−4方式対応型のXUV/4500Qで非常に高い評価を得たが、このXSV/3000は、レギュラーなステレオ用に開発されたトップモデルである。洗練され現代的になったとはいえ、腰が強くクッキリと粒立つピカリング伝統の音は、このモデルも充分に受け継いでおり、直線的に表現する独特の魅力は、他では求められない素晴らしさがある。

B&W DM4/II

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 イギリスのB&W社の存在は地味だが、それは、その外観にも音にも滲み出している。つまり、渋味のある、じっくりと聴き込むほどに滋味の味わえるといった音である。DM70やDM6などの大型システムから、この4のようなコンパクトなものまで、一貫したポリシーをもっているが、他社製品との価格比較の上からすると、断然、生彩を放つのが、このシステムだ。クラシック・ファンにはとくに推めたい家庭用のさりげない優秀品。

セレッション UL6

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 スピーカーの音をどうしたら、人の感覚に美しく響かせることが出来るかをよく心得たセレッションらしい傑作だ。スピーカー作りのキャリアのベテランが、家庭で音楽を聴くという目的を十二分に知りつくして作り上げたコンパクトながら、堂々とした音の再生も可能なシステム。品位の高い音の風格が感じられる。

QUAD FM3

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 チューナー単体としての物理特性や音質で比較すれば、もはや国産各社が内容的にいっそう充実した製品を作り出しているが、プリの33、パワーの303や405の存在が貴重であるとすれば、それと組み合わせるのに、やはり見た目にも同じ兄弟のFM3を使いたくなるのは人情というものだろう。