Category Archives: 国内ブランド - Page 82

ビクター P-3030

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 活気がある,華やいだ雰囲気の音をもつコントロールアンプである。聴感上での周波数レンジは、あまりワイドレンジ型でないが、かなりナチュラルに伸びており、バランス的には、低域は豊かで柔らかく、少し軟調であり、重さが感じられる。中域は硬質な面があり、低域とバランスしてこのアンプのキャラクターとなっている。
 リファレンスパワーアンプ♯510Mとの組合せは、やや相乗効果的なミスマッチが感じられ、予想よりも中域が粒立たず、低域が尾を引いたように、鈍く大味で散漫な印象となってしまう。むしろM3030とのペアのほうが、音が決まり、一種の個性的な音となるようである。

トリオ L-07C

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 クリアーで硬質な明快さをもつ音である。聴感上の周波数レンジは、かなり充分に伸びているが、ソリッドな音であり、爽やかに抜けたワイドレンジ感とはならない。バランス的には、低域が甘くかなり軟調傾向があり、豊かさはあるが、中域以上の音のキャラクターからすれば、一段と引締ったダンピングの効いた音が必要と思う。中域は、量的には問題はないが緻密さが不足気味で、中高域にかけての帯域は、クリアーで硬質な輝きをもっているために、弦楽器はやや金属的な響きとなり、オーバートーンが過剰気味となる。このあたりは、リファレンスパワーアンプ♯510Mとの相乗効果でもあろう。もう少し柔らかさ、滑らかさが欲しい。

ラックス CL32

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 薄刃のカミソリのようなシャープな切れ味はトランジスターアンプでなくては聴けないが、中には刃こぼれしたように切れ味の印象のよくないアンプも少なくない。その意味ではCL32は、あまり鋭く歯を立てない身の厚い刃物でやわらかく削り出してゆくようなところがあって、いわゆる解像力をことさら目立たせないが、鳴らすべき音はすべてきちんとバランスよく整える。ただ、単体の評価ではマランツ510Mとの組合せでは、MB3045との場合のようなあの素敵に暖かく心を包み込む世界にまでは至らず、互いに個性を殺し合うかのように、どこか目づまりしたというか音楽の流れのせきをとめられたようで素気なく表情がおさえられて私には楽しめなかった。

テクニクス SU-A2

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 ナチュラルで端正な音をもつコントロールアンプである。聴感上の帯域は充分に伸びきっており、リファレンスパワーアンプ♯510Mの硬質さを抑え、滑らかなクォリティの高い音とする。バランス的には、やや中域の緻密さが必要と感じるが、全体に音を引締め、粒立ちがクリアーなタイトな音にする点では、A1よりも♯510Mのほうが一段と優れているようだ。しかし、音のディテールの再現性や情報量の多さでは、A1のほうが一段と優れている。音のクォリティは非常に高く、反応もかなり早く、シャープで豊かな余裕たっぷりの音は素晴らしいが、実態感のある活き活きとしたダイナミックな表現では、もう一歩のもどかしさがある。

テクニクス SU-9070II (Technics 70AII)

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 リファレンスパワーアンプ♯510Mとの組合せのほうが、9060IIパワーアンプとの場合よりも伸びやかさが減り、スケールも小さく感じられて、何とはなしにつまらない音になる。聴感上の周波数レンジは、平均的よりもむしろナローレンジ型であり、バランス的には中域の低い部分でエネルギー感が不足し、安定度の悪さが出てくる。音の表情でも、やや消極的で伸びやかさが不足し、フレッシュな鮮度の高さがあまり出てこない。やや中域が粗粒子型で硬い部分があるのは、♯510Mとのマッチングが悪いためであろう。スケール感は小さく、小型ながらせい一杯に頑張って音を出している印象である。

アキュフェーズ M-60

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 露(あらわ)とか、あからさま、といった感じをことさら避けて、潜在的に持っている力をさえ一見それとわからないほどさりげなく感じさせるところまで練り上げたとでもいうような、いわば日本に古くから伝わる美徳とでもいった雰囲気を漂わせる音、といったらほめすぎになるだろうか。ほどよく潤いのあるしっとりした肌ざわりで、どんなハイレベルでも荒々しい音をとろりとくるみこんで上品に鳴らすところは「M60の音」とでも呼びたくなりそうになる。反面、すべての音を音源からやや遠くに持ってゆく傾向があり、曲によってはもっと荒くとも演奏に肉迫した感じ、もっと生々しい躍動感を求めたいという気持にもさせる。だが良いアンプであることは確かだ。

スタックス SRA-12S

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 帯域バランスが、かなり低域側に偏った独得なレスポンスをもっている。本来のDA80Mパワーアンプよりも、リファレンスパワーアンプ♯510Mのほうが、引締った力強さが感じられる音になるが、バランス的には、やはり高域が伸び不足で、細やかさや粒立ちのよさは求められず、ウォームトーン系のソフトで大柄な音であり、表情が鈍く、反応が遅いために絞らず、散漫で、クリアーな音にならない。
 ステレオフォニックな音場感は、DA80Mよりもナチュラルさがあり、左右には広がるが、パースペクティブが抑えられ、音像定位のシャープさはあまり感じられない。

ラックス C-12

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 たいへん美しい音がする。その美しさは、単に歪が少ないというようなものではなく、磨き抜かれたとまで言ってはオーバーかもしれないが、そう言いたいほど美しい。ただ、すべてのプログラムソースに対して、やや小造りというか、スケールの大きさが出にくい傾向がある。ことに低音の量感がかなり物足りない。そしてハイエンドの方もそれとバランスをとっておさえた感じで、総体にレインジのあまり広くない音にきこえる。エリー・アメリンクやキングズ・シンガーズの声はとてもみごとな反面、ピアノの丸みのある脂こい艶が出にくく、テルマ・ヒューストンの声もどこか可愛らしくきこえる……というように、ややミニチュアール的な世界を表現するコントロールアンプだ。

ソニー TA-E88

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 オーソドックスにまとめられた、かなりマジメな音をもつコントロールアンプである。聴感上での帯域バランスはかなりワイドレンジ型で、バランス的には、低域がおだやかであり、中域はやや薄く、中高域から高域では硬質な面があるようだ。この硬さは♯510Mのキャラクターかもしれない。
 付属のMC型ヘッドアンプは、MC20ではMCA76よりも全体にソフトで甘い音となり、トータルバランスはこの方が安定感があり好ましいが、表現が少しパッシブな傾向となる。103Sでは、高域がスッキリと伸び、中域がカッチリと引締り、音の表情もMC20よりは明らかに一段と伸びやかとなり、情報量の増した音となる。

アキュフェーズ P-300S

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 ロングセラーに改良を加えて事実上のニューモデルに変身したが、改良の成果はコントロールアンプよりもこちらに顕著のように思える。旧型のP300は(というより従前までのアキュフェーズの目ざしていた音は)、どちらかというと穏健型のおだやかな、音の丸みを大切にした作り方だったが、Sタイプになってそれが一変して、現代の新型アンプに共通の入力に対する反応(レスポンス)の鋭敏な、とても新鮮な音のするいいパワーアンプに生れ変ったと思う。ただそれがしいていえばもうひとつ熟成を待ちたい感じとでもいうか、C220やM60の鳴らす解像力の優れているがそれをあらわに出さないといういわば大人の雰囲気にくらべて、むしろ若さを感じさせるところがある。

Lo-D HCA-7500

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 やわらかく繊細で、一聴した印象ではどこか女性的ともいえる音がする。コントロールアンプ単体の試聴の際には、パワーアンプにはリファレンスのマランツ510Mを組み合わせている。その510Mは、どちらかといえば硬質で腰の強い音がするのだが、それをここまで耳あたりを柔らかく、線を細く鳴らしてしまうのだからかなり個性的なコントロールアンプだ。そういう音だから、音の密度あるいは実態感といった面が弱く、いくらか輪郭で聴かせる傾向がある。また表面のやわらかさに反して意外に芯の硬いところがある。欲をいえば音のひろがりももうひと息だ。が、6万円のコントロールアンプとしてみるとかなりのできばえといえるかもしれない。ただツマミの形やデザインはいささか大味すぎる。

ソニー TA-E86

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 リファレンスパワーアンプ♯510Mとの組合せでは、中域の充実感とエネルギー感ではリファレンスの組合せ(LNP2L+510M)に一歩を譲るが、細やかさと滑らかさでは、むしろこのコントロールアンプとのほうが優れた面を聴かせる。聴感上での周波数レンジはワイドレンジ型で、バランス的に中域が薄い傾向をもち、ステレオフォニックな音場感はスッキリと広がるが、音源は遠く感じられるタイプである。付属のMC型ヘッドアンプは、MC20でMCA76よりも全体にバランスが低域側に偏った安定型となり、低域の分離も向上する、やや硬質な音だ。103Sでは、かなりダイレクトな音源に近い音となり、一種のドライさがある音になる。

サンスイ CA-2000

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 ソフトで滑らかな音をもつアンプである。聴感上での周波数レンジは、素直に伸びており、バランス的には、低域が柔らかく豊かであり、中域は少し薄く、高域はスッキリと伸びている。音色は、基本的にはウォームトーン系で、音の粒子は細かく磨かれており、適度に粒立つため、表情が甘くならず、一種の爽やかさがある。
 リファレンスパワーアンプ♯510Mとの組合せでは、BA2000の場合よりも中域の充実感は一段と加わり、粒立ちがクリアーになる。ステレオフォニックな音場感は、左右方向によく広がるタイプで、スッキリとしたプレゼンスを聴かせる。音源は少し距離感のあるタイプである。

パイオニア Exclusive C3

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 かなりクリアーで引締った音をもち、初期の製品に比較して、音のクォリティは相当に高く、表現力が加わっているようだ。
 聴感上での周波数レンジは、現在の水準からは少しナローレンジ型で、バランス的には、低域が軟調であり、高域が少し粗粒子型の、やや硬調さがある。ステレオフォニックな音場感は、左右によく広がるが、音の粒立ちがクッキリとしない面があるためか、前後方向のパースペクティブが少し抑えられ、音像の立ちかたが少し甘くなる傾向がある。このあたりが、最新のアンプと比較するとC3のマイナス面となるが、音楽を聴くアンプとしては、非常にまとまりがよくクォリティが高く、出色の製品である。

パイオニア C-77

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 マクロ的に音を外側からゆったりと掴み、響きを豊かに、あまり細部にこだわらず音を聴かせるコントロールアンプである。
 聴感上での周波数レンジは、ローエンドとハイエンドを抑えた、いわゆるカマボコ型のレスポンスを感じさせるタイプで、全体にウォームトーン系の音色をもち、音の粒子は粗粒子型で基本的にはソフトである。
 リファレンスパワーアンプの♯510Mとの組合せでは、ややマッチングが悪いようで、スケールは大きいが、エネルギーが加わるだけに、ややまとまりに欠け、音が素直に伸びきらない面が感じられる。積極的にトーンコントロールを活用して、効果的な音として使うべきアンプのように受け取れる。

パイオニア C-21

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 おだやかで聴きやすい音のコントロールアンプである。聴感上の周波数レンジは、やや狭く感じられ、音の粒子が粗く、クリアーに粒立たないために、シャープにフォーカスが合った音にならず、表情が抑えられた、マットな印象になってしまう。
 バランスコントロール用のボリュウムをマキシマムとして、カートリッジ負荷抵抗を75kΩか100kΩとすると、かなりスッキリとした感じが出てくるが、低域は軟調で、音の姿・型が不明瞭であるために、力感が充分に再生できず、組み合わせるパワーアンプの♯510Mの250W+250Wのパワー感がダイレクトに感じられない。表情に活気があればまとまる音である。

マランツ Model P3600

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 標準モデルの♯3600とくらべると、聴感上での周波数レスポンスはよりフラット型であり、中域の密度が高く、ソリッドで引き締り、硬質で粒立ちがよく、キリッとしたメリットがあるのは大きい。
 バランス的には、現代のワイドレンジ化されたコントロールアンプの水準から見れば、ローエンドとハイエンドを抑えた印象があるが、帯域は充分に広い。音色は明るく、適度のソリッドさと、豊かな柔らかさがある。
 音の表情は伸びやかでナチュラルであり、ストレートな表現力、基本的なクォリティの高さでも充分である。ステレオフォニックな音場感はよく広がり、空間の広さを感じさせる。音像は標準的で、やや距離感がある。

マランツ Model 3250

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 現代アンプらしい、しなやかさと表情の細やかさがある、ワイドレンジ型のコントロールアンプである。
 リファレンスパワーアンプ♯510Mとの組合せでは、♯P3600よりも反応が早く、音の粒子が細やかで、プレゼンスの豊かな音になる。バランス的には、低域は柔らかく豊かで、音色が明るく軽く、中域はやや薄いが、適度に鮮度が高く、粒立ちが滑らかであり、音のニュアンスをかなりナチュラルに引き出す。高域はスッキリと伸び切り、細やかである。ステレオフォニックな音場感は、左右には充分に広がり、、前後方向のパースペクティブをもよく聴かせる。音像は少し奥にスッキリと定位をする。

オンキョー Integra P-303

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 リファレンスパワーアンプ♯510Mと組み合わせると、音が全体に爽やかで、適度のコントラストが付いたフレッシュな音になる。やや間接音成分が多く、中域の密度の薄さは残るが、中域のエネルギー感もあり、クォリティ的にもセパレートアンプらしさが充分に感じられる。バランス的には、中域から中低域にかけて、エネルギー感的に不足ぎみの部分があり、厚み、力強さがわずかに抑えられる印象がある。
 付属のMC型用ヘッドアンプは、MC20で、柔らかく間接音がタップリとした、まるく甘い音となり、103Sでは、トランスよりも鮮度が高く、細部のディテールをかなりスッキリと引き出して聴かせる。

ラックス 5C50

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 音の粒子は、全帯域にわたって滑らかで、細かくよく磨かれている。聴感上の周波数レンジは充分に伸びているが、表情がおだやかで、やや間接的な表現をするために、クリアーに伸びた印象とはならない。
 音はやや薄いタイプで、音場感は左右によく広がるが、前後方向のパースペクティブは抑えられ、音場は、左右のスピーカー間の奥に引っ込んで広がる。リニアイコライザーをアップティルトにすると、スケールは小さいが反応の早い、キレイな音になる。4000D/IIIや881Sなどのハイインピーダンス型カートリッジでは、負荷抵抗を100kΩとすると、クリアーさ、シャープさが増して、音の鮮度感が高まる。

ラックス CL32

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 おとなしく、滑らかな音のコントロールアンプである。聴感上での周波数レンジは、ややナローレンジ型ではあるが、ソフトで磨かれた音をもつために、狭さは感じられず、かなりナチュラルに伸びた印象となる。
 全体に、間接音成分を豊かにつけて、響きのよい音を聴かせる傾向があり、低域は甘さがあるが、トータルとしては安定型のバランスとなり、落着いた印象を聴くものに与える。中域は、予想よりもエネルギー感があり、このあたりはワイドレンジ型でない、このアンプのメリットであろう。ステレオフォニックな音場感は、音源が遠く感じられ、スピーカー間のかなり奥に広がるタイプで、音像は少し大きくまとまる傾向がある。

ラックス C-12

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 全体に音をスケール小さく、箱庭のようにキレイに縮小して聴かせるアンプである。
 聴感上の周波数レンジは、かなりスッキリと伸びた印象があり、バランス的には、低域が抑え気味、中域は薄さがある。音色は、全体に軽く、フワッとした明るさを感じるタイプで、小さいながら、音楽のステレオフォニックな音場感を含めたプレゼンスを、かなり正確にきかせる。
 マランツ♯510Mと組み合わせても、M12の場合と決定的な変化は見せず、やや緻密な、シャープさが出てはくるものの、スケールは小さく、250W+250Wのエネルギー感は、ボリュウムを上げなければ得られない。

Lo-D HCA-7500

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 おだやかな音をもつコントロールアンプである。聴感上での周波数レンジは、ややナローレンジ型で、バランス的には、低域が安定し、中域の厚みも感じられる。高域は、ハイエンドを少し抑えているが、低域とのバランスはよく保たれている。
 ステレオフォニックな音場感は、少し狭く感じられ、音像の定位と音像の大きさ、輪郭は、セパレート型の平均的と思われる。
 音の表情は、基本的にはマジメなタイプだが、ときにはアクティブさも感じられる。音や音楽をマクロ的に外側から掴んで聴かせるタイプのアンプとして、オーバーオールのバランスは、よくコントロールされており、安定感がある。

ダイヤトーン DA-P15S

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 リファレンスパワーアンプ♯510Mと組み合わせると、A15DCの場合よりも、全体にソリッドで、引締った音になる。しかし、音が薄く、予想よりもコントラストが付かない。音色は、軽く明るいタイプで、低域は少し柔らかく、中高域に一種の色付けがあり、アクセントをつけている。
 MCカートリッジ用ヘッドアンプは、柔らかく細やかで、音色が明るい。聴感上の周波数レンジは広く、伸びているが、MC20では、スケール感が一段と小さくなり可愛らしい音になる。DL103Sのほうが、ワイドレンジ型で、クッキリと粒立ちがよい鮮度の高い音だ。音像定位もスッキリとし、輪郭がクリアーで表情が若々しくなる。

デンオン PRA-1001

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 PRA1001は、比較的にスタンダードな性格をもっている。聴感上での周波数レンジも適度で、帯域の音色バランスもよくコントロールされ、音色的な違和感は少ない。スケール感も、このクラスのコントロールアンプとして応わしいが、音の鋭角的な切れ込みでは、リファレンスのLNP2Lに一歩譲る。また、中域のエネルギー感も、いま一歩といった印象である。
 音の表情は、かなりマジメ型で、ややパッシブな面がないでもない。♯510Mとの組合せでは、音に伸びやかさがあり、音場感がかなりスッキリと広がるようになる。これは、♯510Mの力強さと緻密さが素直に出ている結果であろう。