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ソニー TAE-8450 + TAN-8550

菅野沖彦

スイングジャーナル 11月号(1974年10月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 今年のオーディオ界の大きな論題の一つとして特筆すべきものといえば、FETパワー・アンプの実用化ということであろう。すでに、この新しい素子、V-FETについては多くの機会に紹介されている。従来のトランジスタとは異なった動作特性をもつV-FETが、かなりの高出力アンプの出力段に使えるようになって、その音質がいろいろうわさされているようだ。たしかに、この新しい素子によるアンプの音は、独自の音質をもっていて、従来のトランジスタ・アンプとはちがう。しかし、率直にいって、私には、その音のどれだけの部分が、V-FETそのものによるものなのかはわからない。アンプの音質や音色を左右するファクターはあまりに多く、ただ単純にFETアンプの音はこうだというような断定をする勇気はないのである。ただ、いえることは、私が今まで聞いて来た多数のトランジスタ・アンプ群とはちがった音の質感(タッチとクォリティ)をもっていて、大きく音質のカテゴリー別の地図を描くことが、可能だという程度である。この新製品を紹介するに当っては、先入観をもたずに、実際の音に接してみる努力をしたつもりだが、やはり新鮮な魅力を持った音というのが第一印象であった。
 TAE8450プリ・アンプと、TAN8550パワー・アンプは、当然ペアーで使われることを考えてデザインされたものだとは思うけれど、それぞれ、セパレート・アンプとして独立した機能と価値をもった製品である プリ・アンプのTAE8450は実に多機能なコントローラーで、一見したところ、その操作部分の複雑多岐なことに驚ろかされる。いずれもあって便利なものばかりだが、よほど馴れないと、一つ一つ見ながらでないと操作出来ない。無意識にコントロールするようになるには大変な熟練がいりそうだ。オプティカル・ピーク・プログラム・メーター(PPN)と称されるライト・ビームのピーク・メーターは中でも本器の大きな特長であろう。これはパワー・アンプ8550のほうにもついているから、二台一緒に使うと壮観である。このメーターはプログラムのピーク値を指示できるだけではなく、その値をホールドして示してもくれるという素晴らしいもの。またスイッチでVUに切換えても使える。各種コントロール機能についてふれているスペースはないが、全て確実な動作と効果のあるものが完備している。それよりも、このプリ・アンプの音質の純度の高さは高く評価できるもので、特性的には全く不満がないといってよい。音像の解像度、セパレーション、プレゼンスなど全て満足すべき高い品位をもつ。ただ、パネルのハードなイメージのためかも知れないが、座右において使いこもうという魅力には一つ欠けるというのが正直な感想だ。このことはパワー・アンプの8550についてもいえると思う。100W×2の余裕ある大出力で、ゲインも高いにも拘わらず残留ノイズの少さ、ローレベルからのリニアリティのよさ、暖みのある音の肌ざわりもあって、きわめて高度な水準にあるパワー・アンプだと思う。しかし、もう一つ音の生命感、力感というものが物足りない。素晴らしいなあと感心するのだが、もう一つ、ふるいつきたくなるような魅力に欠けるのである。こういうことは純技術的な立場からすれば理解できないかもしれないが、根拠のないことと片づけられるかもしれない。しかし、現実に多くのアンプの中に魅力の要素の有無がはっきりある以上、使い手としては、魅力を待ったものに惹かれるのは致し方あるまい。しかも、それが、私が録音し得たと思っている魅力のファクターをよく出してくれるものと、そうでないものとがあるという現実の前には、考え込まざるを得ないのである。微視的な見方をすると、このパワー・アンプ、中高域(400Hz以上)はウォームで豊かだ。私見としては、低域の力強さの点でもう一つといったところ。全体に今一つベールをはいだ冴えが欲しい。しかし、これはもの凄く高い次元での欲張った話であって、この二つのアンプが世界的水準で最高のものであり、その設計のバックグラウンドから製品の仕上りにまで、オーディオ・マニアの気質分析と技術の高さが横溢している。

パイオニア SM-101, SM-3000, SX-515, SX-616

パイオニアのパワーアンプSM101、SM3000、レシーバーSX515、SX616の広告
(スイングジャーナル 1971年11月号掲載)

Pioneer

テクニクス SB-300, SB-500, SU-3100, SU-3400, SU-3600, ST-3100, ST-3400, ST-3600, SL-40, SL-100W, EPC-205C, EPC-260C

テクニクスのスピーカーシステムSB300、SB500、プリメインアンプSU3100、SU3400、SU3600、チューナーST3100、ST3400、ST3600、アナログプレーヤーSL40、SL100W、カートリッジEPC205C、EPC260Cの広告
(スイングジャーナル 1971年11月号掲載)

SL100W

オットー DCA-170X, DCA-1400, DCP-180X, DCC-180X

オットーのプリメインアンプDCA170X、DCA1400、パワーアンプDCP180X、4チャンネルコントローラーDCC180Xの広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

OTTO

オットー DCA-170X, DCA-1400, DCP-180X, DCC-180X

オットーのプリメインアンプDCA170X、DCA1400、パワーアンプDCP180X、4チャンネルコントローラーDCC180Xの広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

Otto

オンキョー Integra 931

オンキョーのパワーアンプIntegra 931の広告
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

Integra931

サンスイ BA-100, BA-150

サンスイのパワーアンプBA100、BA150の広告
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

BA150

オットー DCA-170X, DCA-1400, DCP-180X, DCC-180X

オットーのプリメインアンプDCA170X、DCA1400、パワーアンプDCP180X、4チャンネルコントローラーDCC180Xの広告
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

OTTO

サンスイ BA-100, BA-150

サンスイのパワーアンプBA100、BA150の広告
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

Sansui

オンキョー Integra 931

オンキョーのパワーアンプIntegra 931の広告
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

Integra931

パイオニア QA-80, QC-80, QM-80

パイオニアのプリメインアンプQA80、コントロールアンプQC80、パワーアンプQM80の広告
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

QA80

ハーマンカードン Citation 11, Citation 12, Citation 13

ハーマンカードンのコントロールアンプCitation 11、パワーアンプCitation 12、スピーカーシステムCitation 13の広告(輸入元:ローランド電子工業)
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

Citation

パイオニア QA-80, QC-80, QM-80

パイオニアのプリメインアンプQA80、コントロールアンプQC80、パワーアンプQM80の広告
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

QA80

ビクター MCSS

ビクターの4チャンネルシステムMCSSの広告
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

Victor

テクニクス SU-3600, SU-50A, SU-30A, SU-40A, SA-54, SA-4200, SA-4500

テクニクスのプリメインアンプSU3600、SU50A、コントロールアンプSU30A、パワーアンプSU40A、レシーバーSA54、SA4200、SA4500の広告
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

SU3600

パイオニア QA-80, QC-80, QM-80

パイオニアのプリメインアンプQA80、コントロールアンプQC80、パワーアンプQM80の広告
(スイングジャーナル 1971年3月号掲載)

Pioneer

アルテック 211, アムクロン DC-300

アルテックのスピーカーシステム211、アムクロンのパワーアンプDC300の広告(輸入元:エレクトリ)
(スイングジャーナル 1972年1月号掲載)

ALTEC

ラックス CL35, MQ60

ラックスのコントロールアンプCL35、パワーアンプMQ60の広告
(スイングジャーナル 1971年2月号掲載)

Lux

サンスイ SP-10, BA-60, QS-1

サンスイのスピーカーシステムSP10、パワーアンプBA60、4チャンネルデコーダーQS1の広告
(スイングジャーナル 1971年2月号掲載)

Sansui2

パイオニア SA-70, SA-90, SA-100, SC-70, SC-100, SM-70, SM-100, TX-50, TX-70, TX-90, TX-100, TVX-90, SF-50, SF-70, SD-100

パイオニアのプリメインアンプSA70、SA90、SA100、コントロールアンプSC70、SC100、パワーアンプSM70、SM100、チューナーTX50、TX70、TX90、TX100、TVX90、エレクトリッククロスオーバーネットワークSF50、SF70、ステレオディスプレイSD100の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

Pioneer

サンスイ SP-3005, CA-606, BA-150, CD-5A, TU-888, SR-4050

サンスイのスピーカーシステムSP3005、コントロールアンプCA606、パワーアンプBA150、エレクトリッククロスオーバーネットワークCD5A、チューナーTU888、アナログプレーヤーSR4050の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

Sansui2

サンスイ SP-10, BA-60, QS-1

サンスイのスピーカーシステムSP10、パワーアンプBA60、4チャンネルデコーダーQS1の広告
(スイングジャーナル 1971年1月号掲載)

Sansui

サンスイ BA-150, CD-5A

サンスイのパワーアンプBA150、エレクトリッククロスオーバーネットワークCD5Aの広告
(スイングジャーナル 1970年12月号掲載)

BA150

サンスイ SP-150, SP-3005, AU-888, CA-606, BA-150, TAC-505, SAX-350D, SAX-1000X, TU-888, CD-5A, QS-1, SR-4050

サンスイのスピーカーシステムSP150、SP3005、プリメインアンプAU888、コントロールアンプCA606、パワーアンプBA150、レシーバーTAC505、SAX350D、SAX1000X、チューナーTU888、エレクトリッククロスオーバーネットワークCD5A、4チャンネルデコーダーQS1、アナログプレーヤーSR4050の広告
(スイングジャーナル 1970年12月号掲載)

Sansui

ソニー TA-2000F, TA-3120F, TA-3130F, TA-4300F

ソニーのコントロールアンプTA2000F、パワーアンプTA3120F、TA3130F、エレクトリッククロスオーバーネットワークTA4300Fの広告
(スイングジャーナル 1970年11月号掲載)

TA2000F