瀬川冬樹
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
おそらくペアとして企画されたコントロールアンプC77の、やや重い感じで反応の鈍い傾向の音をちらかがうまく補うという印象で、ややコントラストを強く、音の表情を生かすようにどちらかといえば身ぶりの大きな音を鳴らす。M25やエクスクルーシヴ・シリーズのM4の正攻法の作り方ではなく、どちらかといえばヤングマーケットをことさら意識したのではないかと思えるような、甘さ辛さをはっきりさせたいわゆるわかりやすい味に仕上げてあるので、音の品位という点からみるとかなりものたりない。中音域から低域にかけての厚みを持たせて腰の坐りを良く、大づかみな意味で音のバランスをととのえるうまさはパイオニアならではの手際の良さだと思った。
最近のコメント