Category Archives: パワーアンプ - Page 17

アムクロン DC300A IOC

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 プロ用のアンプだけあって、ミス・ユースに対する対策は万全である。ステレオで155W+155W、モノーラルで310Wのパワーを引き出せる。スピーカー切替はなく、左右独立でレベルコントロール可能である。パルス性雑音リミッターというユニークなノイズ・リミッターを持つのも、いかにもプロ用らしい。いかにも機械らしい飾り気のないもので、仕上げや作りは決して繊細ではなく、むしろ、あらあらしい。

音質の絶対評価:7.5

ケンウッド L-06M

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 トリオが力を入れているシグマドライブ方式のモノーラルアンプで、120Wの出力をもつ。DCアンプ構成で、内外ともに最新アンプらしい斬新な雰囲気をもっている。少々冷たく感じられるが、パワーアンプとしての一つの方向ではある。ただの立方体という味気なさを逆手にとってすっきりとまとめている。コントロール機能をもたないパワーアンプだから、こうしたコンセプトも否定できないだろう。もちろんメーターもない。

音質の絶対評価:8

プレシジョン・フィデリティ M-7

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 見るからに合理的に作られていて、このアンプメーカーの思想が手にとるようにわかる。まったくのブラックボックスで、目にとまるのは、パワースイッチのみ。中味も、きわめてすっきりした回路構成で、シンプル・イズ・ベストのコンセプトに基づいているハイブリッド・アンプである。出力段は6CA7のプッシュプルである。出力インピーダンスは4、8、16Ωに確実にマッチングがとれる。ユニークなアンプだ。

音質の絶対評価:7

エスプリ TA-N900

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 ソニーの特別に高級なプレスティジ製品エスプリ・ブランドのパワーアンプだ。内容は別稿の通りかなりのもだが、見たところは、何の変哲もないぺたんこの金属箱で、夢や、使う喜びが感じられるものではない。2〜8Ω負荷に対して200W+200Wのパワーを保証したモノーラルアンプ。ノンスイッチングのA級パワーステージには、NFBも使っていない。電源はパルスロック型。内外ともにモダンで透徹なイメージのアンプ。

音質の絶対評価:9

パイオニア Exclusive M4a

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 M4をリファインしたモデルなので、マーケットにおけるキャリアの長い高級アンプ。A級で50Wのパワーだが、実力は相当なもの。緻密で美しい仕上げは、内外ともに高い次元の感じられる製品である。木枠に入った落着いたムードは、日本間においても違和感がなさそうなもので、いかにも日本の製品らしいキメ細かさをもっている。A級のため発熱が相当なもので、冷却ファンの音が気になるのが惜しい。

音質の絶対評価:8.5

マイケルソン&オースチン M-200

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 マイケルソン&オースチン・アンプ艦隊の旗艦である。200Wの大出力を誇るモノーラル管球パワーアンプ。シャーシはTVA1のものを利用しているが、これが片チャンネル分だけでぎっしりということからも、その重量ぶりが分る。回路はTVA10を発展させたものらしく、NFBをかけない独自の方式が採られている。これをステレオ用に2台並べてみると相当な迫力で、いかにも管球アンプ派をよろこばせそう。

音質の絶対評価:7.5

マイケルソン&オースチン TVA-1

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 同社の代表機種として、すでに多くの機会に紹介され好評のアンプだ。私もステレオサウンド誌上で何度も、そのよさについては書いてきた。70W+70Wのパワーは、このパワー管としてはマキシマム・パワーに近く、この点で耐久性が気にならないではないが、俗にいう管球アンプらしさを超えたパフォーマンスが魅力の製品。創りはしっかりしているが、仕上げは高いとはいい難いく、欲をいうと、もう一つ緻密な味わいがほしい。

音質の絶対評価:9

マイケルソン&オースチン TVA-10

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 イギリス生れの管球式アンプリファイアーで、出力は50W+50Wという値。これも、いまやマニア好みの管球式として貴重な存在だし、この上のTVA1と比較するとやや物足りないにしても、ファンには喜ばしい存在だろう。パワートランスとアウトプットトランスをシャーシ両端に配したマイケルソン&オースチン・アンプ共通のレイアウトをもち、ダストカバーは全体を覆う。よく選ばれたパーツによる、手造りのアンプらしい趣をもっている。

音質の絶対評価:7.5

オーレックス SC-88

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 非常に剛性の高いコンストラクションで、左右一対のヒートシンクをシンメトリックにつかったどっしりした風格をもつ。いかにもパワーアンプらしい重量感が好ましい。240W+240W(8Ω)のパワーをもち、スピーカー切替などファンクションはもたない。純血派のコンセプトでまとめられた、作り手の力の入れ方がよくわかる製品だ。パーツも、作りも、仕上げも入念で、妥協のないものだ。

音質の絶対評価:7

アキュフェーズ P-400

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 B級A級切替のできるパワーアンプで、8Ω負荷時にそれぞれ200W、50Wのパワーを引き出せる。また、モノーラル接続では、ほぼ倍のパワーとなる。ピークホールドの可能なメーターの精度は高く読みとりやすい。ステレオ両チャンネルが電源から独立し、MOS・FET使用のDCアンプという、アキュフェーズとしてはP260とともにより新しい設計のセカンドジェネレーション・アンプと見ることができるものだ。

音質の絶対評価:9.5

アキュフェーズ P-300X

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 姉妹機P300Sのリファイン・モデルと見ることもできるが、内容は別物だし、デザインイメージもフェイス・リフトされている。4Ω負荷で200W+200Wが保証されている。8Ω負荷では150W。あらゆる点で、P300シリーズを土台にしただけあって、充分信頼性の高いものだし、物理特性も、よくリファインされている。モノ接続が簡単にできて8Ωで400Wとなる。メーターはピーク、ピークホールドで見やすい。

音質の絶対評価:9

アキュフェーズ P-260

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 アキュフェーズらしいといえばいえるが、あまり重厚なデザインではない。MOS・FETを使ったDCアンプで、A級、B級の切替ができる現代アンプ。B級130W、A級30Wというパワーは、単体パワーアンプとしては標準的で使いやすい。出力直読、ピークホールドのできるメーターを備えているが、照明色調ともに、本格派というよりはデザイン的である。それも、少々センスが安っぽいのが惜しまれる。

音質の絶対評価:7

アドコム GFA-1

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 見るからに、アメリカのヤンガー・ジェネレーションを感じさせられる雰囲気をもっている。ビスは丸出しで、フレームに鉄板をただ当てつけたというスタイルだ。それに黒塗装、スクリーン・プロセスのモダンなロゴのプリントといった様子は、まるで、倉庫かガレージといった感じである。信頼性のほうはどうなのだろうという気にさせられる。200W+200Wの高効率アンプで、冷却ファンつきだ。

音質の絶対評価:8

ヤマハ BX-1

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 100Wパワーのモノーラルアンプで、ピュアカレント・サーボアンプ回路採用とあるが、内容的にも充実したマニアックなアンプである。モノーラル・パワーアンプとして、これ以前に出たB3の系統といえるが、実力的には価格差以上ものをもつ。配線ロスの少ないコンストラクションは、アンプとして純血派であるが、緻密な仕上げを含めて、大人の風格も持っている。完成度の高い製品である。

音質の絶対評価:9

パイオニア M-Z1

菅野沖彦

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 Zシリーズのパワーアンプで、独特の奥行きの深いプロポーションを共通してもっている。ノンNFB思想によって開発されたのが、このZシリーズ共通のコンセプトである。このアンプも、実際上はNFBループをもたないストレートアンプであって、音もきわめて直裁感に満ちていて、屈託のないものである。純Aクラスアンプで、出力は大きくないが、音の力感は充実している。独創性と完成度が、高い次元で一致した優れた製品だ。

ヤマハ B-5

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 見るからに美しく、すっきりと、しかも落着きと重味を感じさせる質の高さが、外観に滲み出ている。ブラック・フィニッシュの色調仕上げもキメが細かく、好ましい質感で仕上げられている。オブジェとしてみても美しく、B6と並べて楽しめる。オーソドックスな完成度の高いアンプである。240W+240Wのパワーも、独立パワーアンプとして本格派で、内部のコンストラクションも整然としていて質が高い。

音質の絶対評価:8.5

ヤマハ B-6

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 実にユニークでオリジナリティに溢れたパワーアンプである。こういう製品を作るヤマハに拍手をおくりたい。決して使いやすくもないし、必然性があるとも思えないが、フリーな感覚があってもよい。ピラミッド型、しかも、コンパクトで、200W+200Wのパワーをもつ。魅力的だ。多少内容に不満があっても、技術的興味とデザインのユニークさにカバーされて、愛着をおぼえる製品である。

音質の絶対評価:7

テクニクス Technics A1 (SE-A1)

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 もう4年前に発売になったテクニクス・アンプの旗艦としての存在。出力は350W+350W(8Ω)で、スピーカーは4系統使える。独特な、クラスA+と称する回路で、A級、AB級の中間的な動作でノッチング歪のない設計。さすがに、その堂々たる体躯で貫禄充分だが、雄々しさやヒューマンな暖かみのあるものではない。どちらかというと端整で、少々冷たい感触を受ける。悪くいえば、やや陰湿なのである。

音質の絶対評価:8

テクニクス Technics A3 (SE-A3)

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 200W+200WのニュークラスAアンプで、スピーカー切替は2系統と、A+Bの3点。ローレベルの読みやすい大型パワーメーターを装備、これがパネルフェイスの基本となっている。テクニクス・アンプに共通の、日本的ともいえる、さっぱりしたデザインイメージが、どこか音と共通するニュアンスを持っている。決して重厚感や、強い個性的主張のあるほうではない。この辺がよきにつけあしきにつけ印象の薄い原因。

音質の絶対評価:7.5

テクニクス Technics A5 (SE-A5)

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 120W+120W(8Ω)のパワーアンプで、スイッチ切替で30W+30Wにパワーを押え、メーター・イルミネーションを消して省エネ使用ができる。スピーカー切替2系統。テクニクスのパワーアンプの中では最も新しく、普及タイプともいえるが、総合的に完成度が高い。ただし、ややスピーカーを選ぶ傾向があるようだ。大型のパワーメーターはVU的な動きでピーク指示はしない。デザインセンス、仕上げは中の上。

音質の絶対評価:8.5 

マッキントッシュ MC2500

菅野沖彦

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
特集・「第3回《THE STATE OF THE ART 至上のコンポーネント》賞選定」より

 マッキントッシュのMC2500は、同社の最新・最高の製品として、昨年(一九八〇年)発売された、超弩級アンプである。このアンプのパワーは、片チャンネル500Wという公称値で、実測では600Wオーバーという強力さである。しかもそれが、単にパワーの大きさにとどまらず、ローレベルからのリニアリティや、音の緻密さ、繊細感が瑞々しい雰囲気の再現とともに第一級の品位をもっているのである。
 MC2500は、今から約13年前に、マッキントッシュのパワーアンプの最高峰として君臨した、MC3500のピュア・ディグリーである。管球式のモノーラルアンプで350Wのパワーを誇ったこのアンプは一九六八年の発売で、20Hz〜20kHzのバンドウィズス、0・15%の歪みをフルパワーまで保証された、まさに当時の王者各のアンプであった。もちろん、同社の伝家の宝刀であるアウトプット・トランスフォーマーの特別に巨大なものが使われ、1Ω〜64Ωまでものインピーダンス・マッチングが得られる代物に目を見はったものだ。これとほぼ同形のシャーシにトランジスター式ステレオアンプとして構成された製品が、MC2300であって、この製品の登場とともに、MC3500は、その位置をトランジスター式ハイパワーアンプに譲り渡すことになった。
 MC2300は、300W+300Wのパワーで、トランジスター式ながら、依然としてアウトプット・トランスをもち、信頼性と安定性に充分な配慮がなされている点は、他のマッキントッシュアンプ同様である。このアンプの登場によって、マッキントッシュの全製品が、トランジスター化されたわけだが、一九七三年というこの時期は、大変遅い転換であり、同社の信頼性を第一に考える慎重な姿勢が現われているといえるだろう。
 以来、7年目に登場したが、このMC2500であって、80年代の幕開けに、MC3500の孫に当るMC2500が、マッキントッシュ艦隊の旗艦となったわけだ。3代にわたって、共通のデザイン・イメージをもつ、こトップモデルは、内容もまた、脈々と流れるマッキントッシュのアンプ作りの一貫した技術個セプトとノウハウの上に実現したものであって、この姿一つとっても、マッキントッシュが、いかに信頼性の高い筋金入りのメーカーであるかが理解できるであろう。創立以来35年、同社は、現在アメリカで、真の意味での独立企業として、最も古い伝統と、新しいテクノロジーをもち、積極的に開発とマーケティングに取り組んでいるメーカーの数少ない一つである。多くのアメリカのオーディオメーカーが、経済的に独立できず、古いメーカーは、ただ伝統の上にあぐらをかき、まるで老人のような体質になってしまったり、あるいは経験不足の新しいメーカーが、やたらに新しいテクノロジーだけを振りかざし、信頼性のない素人づくりのような製品を馬鹿げた高い値段で売ってみたりする中で、マッキントッシュ社は、確かな手応えの高級機器を、プロの名に恥じない完成度をもってわれわれに提示してくれるメーカーとして、今や貴重な存在なのだ。
 MC2500は、そうした同社の代表製品にふさわしい充実したもので、500Wオーバーのパワー、モーラルでは1kWを超える大出力を、高効率で得、しかも20Hz〜20kHzにわたって0・02%の歪みを保証している。118万円という価格は決して安くはないが、因みに、他の同級アンプの内容、価格と比較してみるならば、これが破格といってよい安さであることもわかるだろう。ましてや、一度このアンプを目前にして、使ってみるならば、もうお金にかえられない喜びと、充実の気持に満たされるはずだ。MC3500、MC2300と、常にその時代の最高のパワーアンプの後継にふさわしく、あらゆる点で、現代最高のパワーアンプの風格に満ちている。

スレッショルド STASIS 1

菅野沖彦

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 比較的新しいメーカーながら、スレッショルド社は堅実な製品づくりで信頼性が高い。技術的な内容とデザイン、創りの入念さなどがよくバランスしている最高級品である。中でも、このステイシス1は、同社のパワーアンプ中で最高の製品で、世界的レベルでみても堂々たる存在。200Wのモノーラルアンプで、実に大胆に物量を投入して最新のテクノロジーと合体させている。密度の高い、こくのある音は音楽の品位をきちんと出す。

100万円以上の価格帯の特徴(パワーアンプ)

菅野沖彦

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 全面的に海外製品の占める分野である。このクラスも、コントロールアンプのスーパーマニア製品の項で述べたことが共通していえる。パワーアンプの場合には、パワーで差が出るというのがコントロールアンプより誰にでも理解のいくところだが、かといって、実際にすべての100万円以上のアンプが超出力であるとは限らない。マーク・レビンソンのML2Lのように、モノーラルで25Wというものもある。これを2台そろえれば、198万円だ。ステイシス1は200懦夫るあるが358万円にもなる。同じパワーでステイシス2は半値以下の113万円である。マッキントッシュのMC2500は500Wのパワーで118万円。このように、パワーと価格も全く無関係というのが現実である。メーカーの実情と力などによっての価格水準も変わってくることも加わって、その価値判断は実に複雑な様相を呈することになる。これが趣味の世界というものなのかもしれない。

40〜100万円未満の価格帯の特徴(パワーアンプ)

菅野沖彦

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 これもずい分広い価格帯の設定で、概括するのが難しいが、このランクにはかなり特色をもった個性的な製品が多くある。出力は小さいが、技術的には興味深いAクラス・アンプなどは、このゾーンに多いようだ。そして、一般的な国産パワーアンプは今のところ、ステレオで100万円が最高価格であるから、このゾーンはトップモデルを含むことになる。全体としては、海外製のアンプがこのゾーンではめっきり増えてくる。パワーでは200Wクラスが大きいほうで、先に述べたように、,50Wクラスのものまである。作りやデザインにも個性が強く現われ、不思議なことに、国産アンプも、コントロールアンプよりも、ずっとオリジナリティをもったデザインのものが多いようだ。音の密度の充実した製品が多く、海外の大型スピーカーシステムのもてる個性を十分に発揮させるに必要なアンプとなると、このクラスのものが望まれる。

20万円〜40万円未満の価格帯の特徴(パワーアンプ)

菅野沖彦

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 このクラスのパワーアンプとなると、さすがに、パワーアンプとして存在感が強い。国産パワーアンプがほとんどで、パワーも100〜150Wが標準である。歪特性はいずれも優秀で、性能的には不足のないものばかりに見える。しかし、実際に音を聴いてみると、実にいろいろな音を出すのが面白い。個性が興味の的となってくる。このクラスに総じていえることは比較的オーソドックスで汎用性の高いものが多いということである。パワーの小さめなものは、その分音質にまわっていることか納得出来るのも、このクラスから上の製品のもつ誠実さといえそうだ。だからといって、パワーの大きいものは音質が劣るとはいえない。僅かだが、そうしたものもあるにはあるが、国産パワーアンプの技術の見せどころといった中堅機種が、このゾーンの代表であり、もともと趣味性の高いセパレートアンプの世界のこと故、この面から見ると、もう一歩といったところだ。