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テクニクス SB-2510 (Technics6)

瀬川冬樹

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より

 今回のヒアリングで、第一日目からまっ先に浮かんできて、最後まで評価が殆んど変わらなかったスピーカー。音の品位という点ではもう一歩の感があるが、あらゆるレコードに対して過不足なく、楽器も声も割合素直に再生する。難をいえば、低域がいくらかこもり気味であること。しかし、やわらかく、フラットな印象の再生音である。どちらかといえば、小さめの音量で静かに聴くことの好きな人によいだろう。

テスト番号No.26[特選]

テクニクス SB-2510 (Technics6)

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 ベルリン・フィルの内声部が引っこんで、栄養失調のやせっぽちオケと化してしまった。音がひ弱で充実感が不足し、迫力や説得力に欠ける再生音としかいいようがない。音づくりの派手なレコードでは、ソースの個性でもつが、まともな録音ではどうも淋しい音となるようで、特に中音域の充実を考えるべきではないかと思う。試聴レコードの中ではピアノが一番問題が多く、腰の弱い力のない打音はリアリティのない再生しか得られなかった。