Monthly Archives: 4月 1970 - Page 3

マイクロ MR-211, MC-4100, MB-800S

マイクロのアナログプレーヤーMR211、カートリッジMC4100、ターンテーブルMB800Sの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

MR211

ADC ADC10E, ADC25, ADC26, ADC27, ADC220X, ADC220X/E, ADC550X/E, ADC660X/E, ADC990X/E

ADCのカートリッジADC10E、ADC25、ADC26、ADC27、ADC220X、ADC220X/E、ADC550X/E、ADC660X/E、ADC990X/Eの広告(輸入元:今井商事)
(ステレオ 1970年5月号掲載)

ADC

サテン M-11

サテンのカートリッジM11の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

SATIN

オンキョー Integra 613

オンキョーのパワーアンプIntegra 613の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

Integra613

TDK SD

TDKのオープンリールテープSDの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

TDK

JBL Olympus S7R, S8R

瀬川冬樹

ステレオ 5月号(1970年4月発行)
「世界の名器」より

 低音の再生ほど、むずかしいものはないと思う。ぶんぶんと締りのない低音なら楽に出る。腹にこたえるほどの量感を出すなども、たやすい話だ。が、そんな低音は「ほんもの」ではない。ほんものの低音は、むしろ控えめだ。それは決して鳴り響かず、音というよりは振動的で、部屋いっぱいの空気を、一瞬、確実に押しのける感じに身体をやわらかく包みこむ。しかもそういうほんものの低音は、レコードやテープにひっきりなしにつめこまれているわけがなく、ふだんはひっそりとおとなしく、プログラムソースに低音がある場合だけ、たしかな手ごたえで聴こえてくる……。
 そんな音を商品に望むのは無理だとあきらめて、家を削り、壁に穴をあけ、コンクリートを流し、はた目にはきちがいとしかみえないような努力を堂々と続けるマニアが後をたたないのも、つまり低音の再生がいかに難しいかの証左であり、逆にいえばそれほどのクロウトひきかえにしても惜しくないほどの魅力が低音にはあり、そして努力するに値するけわしい道のりだといえるだろう。しかもそれほどまでにしても、成功する確率は甚だ低い。まして商品にそれを望むのは無理だという見方も、まんざら見当外れとはいえない。
 そういう理想の低音再生に、商品としてあえて戦いを挑んだのがJBLオリムパスではないか、とわたくしは思う。たとえばキャビネットの中を覗いてみると、誰もがその補強のものすごさに驚きの声をあげる。1・5寸×4・5寸といったふつうの常識では考えられないような角材が、補強のためにふんだんに使われている。こんなにすごい補強をしたキャビネットは商品としてはオリムパス以外にわたくしは知らない。ここには、キャビネットのごく僅かな共振さえも許さないといった、低音再生の正攻法の姿勢が伺える。
 こうした形で完璧な補強をしてみるとスピーカーそのものにも、かえってボロが目立ってくるものだ。箱の共振をうまく利用して、ユニットのアラを隠して作ったスピーカー・システムのいかに多いことか──。JBLはそういうテクニックを使わない。あくまでも正攻法に、LE15Aというすばらしい低音スピーカーを作りあげる。LE15Aに、パッシヴ・ラジエーターPR15(マグネットもコイルも持たない、振動板だけの、いわゆるドロンコーン)を組み合わせたオリムパスの低音は、かちっと締って音の輪郭が鮮明で、重くもったりと粘るようなところが少しも無く、軽く明るく力強い。
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 オリムパスには、S7RとS8Rの二種類がある。JBLの型番のつけかたは独特で、スピーカー・ユニットとキャビネットとに、別々の型番がついている。オリムパスというのはキャビネットのニックネームで、型番はC50という。このキャビネットに適合するスピーカー・システムとして、S7R及びS8Rが推奨されていて、それらを組み合わせて完成品になると、キャビネットの型番の記号CがDと変わって、D50S7R及びD50S8Rとなる。S7RとS8Rは低音は共通だが、高音用ユニットが全然違うもので、S7Rは2ウェイ、S8Rは3ウェイになっている。
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 オリムパスは1960年に市販された。最初の形は完全密閉型で、S7システム(S7RからPR15を除いたもの)専用のエンクロージュアだった。パッシヴ・ラジエーターが加えられたのは1965年、そしてS8Rが加えられたのはその一年後のことで、ほんらいS7Rがスタンダードの組合せであることがわかる。実際、LE15AとLE85とのすっきりした2ウェイで構成されたS7Rの方が、音のバランスのよさでS8Rにまさるように思われる。S8Rでは、JBL最高の中高音用375ドライバーを使っているところがミソなのだが、あの大きな375をオリムパスに押し込むために、かんじんのホーンに、まるで土管みたいにずん胴で短いHL93型ホーンを組み合わせているので、375独特の中音の滑らかさが充分に発揮されにくい。
 そこでS7Rの中高音の音質だが、JBL特有の夾雑物のない鮮明な、低音同様に歯切れのよい、一切のあいまいさを拒否した澄明感にあふれている。しかしそれだけに、JBLのスピーカーは雑な鳴らし方をすると、荒くとげとげしい、ぎらぎらした音質に変わりやすく、乗りこなしのむずかしいじゃじゃ馬的な要素を多分に持っているために、多くの人たちがJBLの音をそうしたものと誤解しているようだ。たとえばオリムパスの場合でも、高音のレヴェル・コントロールを、ミニマムよりもさらに一段絞り込みたい感じで、とくに小住宅では、中~高音のユニットにさらにアッテネーターを加えて、もう3dBほど絞った方が、バランスの良い音質が聴かれる筈だ。
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 オリムパスはまた、内容や音質ばかりでなくデザインの素晴らしさでも一頭地を抜いている。とくに木工のよさ、中でも特徴のある組格子のの、繊細でしゃれた雰囲気は類が無い。理屈で押して筋が通り、音を聴いて素晴らしく、それが見事な意匠に包まれているという、これが名器というものだろう。
 先日、ある美術全集の中で、伊達政宗の建立になるという国宝、端厳寺の玄関花頭窓のパターンが、全くオリムパスの組子のそれであることをみつけておもしろく思った。桃山期の日本の建築の文様が、現代のアメリカの工業製品に生きている。こんなところにも、オリムパスの意匠に日本人が惹きつけられる何かがあるのかもしれない。

オットー DCX-1300

オットーのレシーバーDCX1300の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

DCX1300

富士フィルム FM

富士フィルムのオープンリールテープFMの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

Fuji

パイオニア TX-90

パイオニアのチューナーTX90の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

TX90

ナショナル RS-730U, RS-735U

ナショナルのオープンリールデッキRS730U、RS735Uの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

RS730U

オンキョー F-500A

オンキョーのスピーカーシステムF500Aの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

F500A

テクニクス SU-50A (Technics 50A)

テクニクスのプリメインアンプSU50A(旧型番:SU2010)の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

50A

オンキョー HM-500A MKII

オンキョーのスコーカーHM500A MKIIの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

HM500A

オンキョー Integra 714

オンキョーのプリメインアンプIntegra 714の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

Integra714

ダイヤトーン DS-34B, DA-44UA

ダイヤトーンのスピーカーシステムDS34B、プリメインアンプDA44UAの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

DIATONE

トリオ KX-7010, TT-5066

トリオのカセットデッキKX7010、オープンリールデッキTT5066の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

KX7010

Lo-D IA-1200, SR-300, SR-600

Lo-DのプリメインアンプIA1200、レシーバーSR300、SR600の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

Lo-D

トリオ KL-3060, KL-4060, KL-5060, KL-7060

トリオのスピーカーシステムKL3060、KL4060、KL5060、KL7060の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

KL7060

ナガオカ Jewel

ナガオカの交換針Jewelの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

Nagaoka

オンキョー Integra 613

オンキョーのパワーアンプIntegra 613の広告
(ステレオ 1970年4月号掲載)

Integra613

ビクター MCA-105, MCT-105

ビクターのプリメインアンプMCA105、チューナーMCT105の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

Victor

ニッコー TRM-1200

ニッコーのプリメインアンプTRM1200の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

TRM1200

CEC BD-616, STP-95, STP-69, BD-202

CECのアナログプレーヤーBD616、STP95、STP69、BD202の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

CEC

スペックス SD-801

スペックスのカートリッジSD801の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

SD801

オーディオ製品のあり方と価値判断の方法

菅野沖彦

ステレオ 4月号(1970年3月発行)
「アンケート/オーディオ製品のあり方と価値判断の方法」より

①よいオーディオ製品の条件
 性能が優秀で、明確な設計思想と高い感覚性の感じられる製品。それ以上書くと長くなります。
②パーツについてどのようにテスト、性能判断をするのか
 徹底的に主観的です。つまり自分の納得できるシステムの一部に、そのパーツを組み込んで、気に入った音が出るかどうかが第一です。プログラム・ソースも自分の好きなものを選んでテストします。
③ユーザーに、パーツを見きわめる場合のアドヴァイス
 自分の音をもつこと。もてるまで体験を重ねること。常に自分の音が、より洗練されるべく音楽的体験を積むこと。科学的な常識を身につけること。そこへ達する前の初心者は自分の気心の合う人でオーディオに詳しい人に相談するのがよい。いくらオーディオのベテランでも、自分と感覚や嗜好の極端にちがう人からは知識を得られても、音への導きは得られないと思う。