Category Archives: オーレックス/東芝 - Page 3

オーレックス SC-55

井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 薄型デザインの60W+60Wの出力をもつステレオパワーアンプである。構成は、初段カスケード接続、差動2段全段直結OCL型で、電源分は左右チャンネル独立したトランスを使用している。機能面では、左右チャンネル独立の入力調整のほか、NF量可変によるゲイン切替をもっている。また、スピーカー端子と並列にメーター端子があり、別売のピークレベルメーターで出力レベルのチェックが可能である。

オーレックス SY-77

井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

〝回路設計から音質設計へ〟をポリシーとして開発されたオーレックスのセパレート型アンプは、物理データが目標に達した時点を音質設計の出発奠都し、物理データ以外の項目で、構造、部品の検討がこの段階で行われ、、2段階の設計でつくられている。
オーディオアンフスの構造・配置は、物理データでの歪率、チャンネルセパレーションと密接な関係があり、これらは当然のこと音質とかかわりあいがある。また、部品の選択は、部品の変更で物理特性が変わらなくても音質が変わる事実から、とくに、コンデンサーの物理特性をスペクトラムアナライザーで測定するとともに、音質評価を加えながら部品選択がされているとのことである。使用するコンデンサーによって音が変わることは、古く管球アンプ時代からわかっていたことだけに、物理性能と音の関連性を、現代の技術で解明してほしいものだと思う。
 SY77は、最近の傾向を反映した薄型のデザインを採用した製品である。パネルフェイスは、主なコントロール類だけを表面に出し、トーンコントロールなどの諸機能は、ヒンジ付きパネル内のシーリングポケットに収めた簡潔なまとめ方である。また、このパネルは、サイドにオプションのハンドルを付ければ、JIS、BTS等の規格ラックにマウントすることができる。
 回路構成は、イコライザー段が、差動2段、3段直結A級動作で1kHzの許容入力は600mV、RIAA偏差は±0・2dBであり、フラットアンプは、初段化スコード接続2段純コンプリメンタリー・パラレルプッシュプルA級出力段で、出力インピーダンスは600Ωである。トーンコントロール段は、差動1段、2段直結型で使用時のみアンプ系に入り、完全にバイパスする設計である。電源分は、左右チャンネルのトランス巻線が独立したセパレートタイプである。

オーレックス C-550M, C-404X

井上卓也

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 C550Mは、中域の粒子が粗いようでちょっと聴きにはスッキリとした音とも受取れるが、聴感上のSN比が気になることもあり、ヴォーカルもニュアンスの再現が不足するようだ。これにくらべ、中低域あたりから低域はソフト型だが量感があって全体の音の表情を、おだやかで、耳ざわりのよいものとしている。
 C404Xは、エレクトレット・コンデンサータイプだが、低域が豊かでスケール感があり、全体の音のクォリティは高い。音の性質は素直で、プログラムソースにたいして軽くしなやかに反応を示し、表情は、しっとりとした滑らかさがあって、やや、広いホールの良い席で音楽を聴いているような印象がある。ヴォーカルは、あまり、子音を強調せず、軽くナチュラルな感じが好ましい。

オーレックス C-550M, C-404X

岩崎千明

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 オーレックスのカートリッジは、現在エレクトレットコンデンサー型とムーヴィング・マグネット型の2系列の製品構成だ。特にエレクトレットコンデンサー型は世界でも珍しい存在といえる。
 大変真面目な姿勢で、音に立向っているのは大企業らしく、カートリッジのような、ちょっと考えるとこの企業規模から、想像できない小粒の製品に、これほどの力をそそぐのが不思議なほど。その大きな成果がエレクトレットコンデンサー・カートリッジであるのは瞭然だが、そのあとのMM型でも結構、小さな専門メーカーなみのきめのこまかさを感じる。
 やや、無機的な感じのそっ気ない音は、大へん高い水準だが、少々スッキリしすぎて、豊かさはまったく感じられず、骨だけですけすけなほどの、肉不足の傾向だ。広帯域、かつフラットレスポンスはよいが、楽しさを音楽の中から引出してくれない。MM型の550Mでも幾分、こうした冷たさがおさえられているとはいえ、基本的に同じような音の姿勢である。音像の定位は小レベルまでも大へん良い。

オーレックス C-550M

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 このカートリッジは、発電方式は、MM型であるが、振動系のカンチレバーにカーボンファイバーを採用している。カンチレバーは、グラスファイバーの0・37mm径のソリッド材を使用し、針先には、オーレックスで開発したエクステンド針を使っている。このタイプは、音溝との接触が、カッティングレースのカッター針に近い、ラインコンタクトタイプで、高域の分解能が優れ、接触面積が大きいために、針先、音溝両方の摩耗が少ない特長がある。この針は、ダイヤモンドと同等の硬度をもつコランダム結晶を研磨している。

オーレックス ST-720

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 シンセサイザー方式のFMチューナーとしてはオーレックスの第2弾製品である。価格的には、複雑な構成のために10万円をわずかにこしてはいるが、デジタル表示の未来志向型のチューナーとしては、充分に魅力的な価格であるの楽しい。
 選局は、カード式の変形ともいえる4組のFMユニット(周波数メモライザー)の内部にFMピンボードを規定に従ってあらかじめ希望局の周波数に合わせてセットすれば機械的に周波数はメモリーで気、このユニットにラベルを貼り局名を表示できる。
 マニュアルは、10MHzの桁で70か80を選択し、1MHzと0.1MHzは8、4、2、1を加算して0〜9を選択する方式で、最初は難解に思われるが慣れれば明解であるため、問題はない。プリセットチャンネルスイッチは4個のFMユニット用と、マニュアル用の5組あり、マニュアルはあらかじめセットしておけば、第5のFMユニットとしても使用できる。ファンクションとしては、国内の放送バンド以外の周波数をマニュアルでセットした場合になどに、点滅して警告するチューニング・エラー表示ランプやエアチェックのレベルセッティングの目安となる50%変調と100%変調に相当するレベルの信号が出力端子に出せるエアーチェック・レベルスイッチなどを備え、この種のチューナーに、ふさわしいものとしている。

オーレックス SB-820

井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 オーレックスの新製品は、プリメインアンプとしては高級機に属する10万円以上、15万円までの価格帯に投入されたモデルで、パワーは82W×2と、このクラスとしては平均的であるが、とくにテープ関係の機能を重視しているのが特長である。
 外観は、フラットフェイスのフロントパネルに大型のボリュウムコントロールをもつ、かなり現代的な傾向を捕えたデザインである。トーンコントロール関係やフィルター類は、各2周波数を選択でき、このクラスの標準型といえるものだが、フィルターの高域に20kHz、低域に10Hzがあるのは、例が少ない。テープ関係は、リアパネルに2系統の入出力端子をもつ他に、ボリュウムの下側にジャックタイプのテープ3を備え、レバータイプとロータリータイプがペアとなったテープモニタースイッチとロータリータイプのデュープリケイトスイッチがあり、3系統のテープデッキを多角的に活用できる点は注目したい。
 回路構成は、差動2段の3段直結A級イコライザー、FET差動1段の2段直結NF型トーンコントロール、NF型フィルターアンプが、プリアンプ部分であり、パワーアンプは初段の差動アンプがカスコード接続になっている差動2段の全段直結コンプリメンタリーOCLで、パワートランジスターは並列接続でない、いわゆるシングル・プッシュプルである。このモデルも、オーレックス独自のCADISによる一台ごとの実測データがついている。

オーレックス PC-5080, PC-4060, DA-12, ATT-30, AT-240, HR710

オーレックスのカセットデッキPC-5080、PC-4060、アクセサリーDA-12、ATT-30、AT-240、ヘッドフォンHR710の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

PC5080

オーレックス SS-470DS

瀬川冬樹

ステレオサウンド 37号(1975年12月発行)
特集・「スピーカーシステムのすべて(下)最新40機種のテスト」より

 色でいえば薄ねずみ色を感じるような音。もう少し具体的にいえば、テストレコードの中の、ヴィヴァルディの協奏曲をヴェニス合奏団の演奏したエラート盤(36号120ページ参照)を鳴らしたとき、ヴェニスのあのどこまでも明るい澄み渡った空が、どんより曇ってしまったような、そんな感じの音に変ってしまう。おそらく物理特性的には周到にコントロールされたスピーカーであるらしいことが、たしかに聴きとれる。このメーカーのスピーカーは一貫して、耳ざわりなやかましい音を一切出さない方針のようで、中域を張らせずむしろおさえ込んだバランスに仕上っている。低音も共振がよくおさえられ、イヤな音を鳴らさない。音像定位の面でも、ややスピーカーの向うに引っこむ傾向だが、一応無難にひろがりと定位が聴きとれる。台の高さは50センチぐらいの高さの方が、分離もよい。つまり耳をいわば測定器的に働かせるかぎりでは欠点の少ない音なのだが、レコードにはもっと生きた鮮度の高い音、人間の情感が録音されている筈だ。

採点:73点

オーレックス SS-350W

瀬川冬樹

ステレオサウンド 36号(1975年9月発行)
特集・「スピーカーシステムのすべて(上)最新40機種のテスト」より

 耳ざわりなピークや歪みなどの成分を、注意深くとり除きあるいは抑えこんだという印象で、低音から高音にかけて目立ったでっぱりもなく、とうぜん中域がキャンついたりせず、低音のボンつきもなく、高域のシリつきもない、というように、ともかく欠点はできるだけ耳につかないように作ろうという意図は明瞭にくみとれる。その意味で優等生的、といってよいと思う。ただしこの優等生、私見私見でいためつけられた青白い坊やみたいに、どことなく生気に乏しい。演奏の熱っぽさ、魂の燃焼、そういう精神の高揚が、どんなレコードからも感じられない。ベルリン・フィルの演奏も、できの悪いときのN響のような、よそよそしい印象になり、ベートーヴェンを聴くよりも学習しましょうという鳴り方をする。心で感動するよりも頭の方が悪働きしてしまう感じだ。音に若々しさ、躍動感、生気がない。といって老成した円熟という音でもなく、試験勉強の坊やと書いたが、それよりも無気力な万年係長とでもいう方がふさわしいのかもしれない。

オーレックス C-407S

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 冷たいほどのクリアな立上りと解像力は独特のエレクトレット・コンデンサー型のミニマム・マスのためか。よく聴き込んでみると透明度抜群なのを知ろう。

オーレックス SS-220W, SB-220, ST-220, SR-220

オーレックスのスピーカーシステムSS220W、プリメインアンプSB220、チューナーST220、アナログプレーヤーSR220の広告
(オーディオ専科 1975年4月号掲載)

Aurex

オーレックス SS-510

瀬川冬樹

ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)
特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より

〝オーレックス〟というニューブランドでデザインも含めて大幅なイメージ・チェンジを打ち出したとはいえ、以前の東芝のスピーカーを頭に置けば、これは全然別のメーカーの音、といいたいくらい、全体の音の感じが違っている。以前の東芝のどことなく薄味で、あるいは力強さ、迫力、または言い方を変えればおしつけがましいほど自己主張の強い、アクの強い音を聴かせる。バランス的には中音域を張り出させ充実させたいわゆるカマボコ型のように(聴感上はそのように)聴こえ、相対的に高音域をなだらかに抑えこんだように、あるいはレインジがあまり広くないように聴こえるので、爽やかさとか涼しいという感じの音が出にくく、相当に暑くるしい音に受けとれる。しかしこれが若者向きの、少々粗っぽいほど元気の良い聴き方の層を
ねらったのだとするとわからなくもない。あまり練れているとは言えないがアジの濃さで聴かせてしまおうという音質だ。しかし後発製品として、他のメーカーのイメージを追うような意匠は感心しにくいし、少なくとも世界に名を知られた大手メーカーのやり方ではないだろう。もっとオリジナルな意匠を打ち出して欲しい。

周波数レンジ:☆☆☆
質感:☆☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆☆
解像力:☆☆☆
余韻:☆☆
プレゼンス:☆☆☆
魅力:☆☆

総合評価:☆☆

オーレックス

オーレックスの広告
(スイングジャーナル 1973年10月号掲載)

AUREX

東芝 SB-300, SB-404, ST-500

東芝のプリメインアンプSB300、SB404、チューナーST500の広告
(ステレオ 1972年12月号掲載)

sb404

東芝 C-401S, SZ-200

東芝のカートリッジC401S、専用イコライザーアンプSZ200の広告
(ステレオ 1972年12月号掲載)

c401s

東芝 PT-415, PT-490

東芝のカセットデッキPT415、PT490の広告
(ステレオ 1972年12月号掲載)

pt490

東芝 PT-490

東芝のカセットデッキPT490の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

PT490

東芝 SB-300, SB-404, ST-500

東芝のプリメインアンプSB300、SB404、チューナーST500の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

SB404

東芝 C-401S, SZ-200

東芝のカートリッジC401S、専用イコライザーアンプSZ200の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

C401S

東芝 PT-490

東芝のカセットデッキPT490の広告
(ステレオ 1972年10月号掲載)

PT490

東芝 SA-400C, SA-304, SA-600, C-401S

東芝のレシーバーSA400C、SA304、SA600、カートリッジC401Sの広告
(ステレオ 1972年10月号掲載)

Toshiba

東芝 C-401S, SZ-200

東芝のカートリッジC401S、専用イコライザーアンプSZ200の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

c401s

東芝 ST-500

東芝のチューナーST500の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

st500

東芝 SP-626-X

東芝のシステムコンポーネントSP626Xの広告
(スイングジャーナル 1972年7月号掲載)

Toshiba