サンスイのスピーカーシステムSP1005、SP2005、SP3005の広告
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)
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サンスイ SP-1005, SP-2005, SP-3005
サンスイ BA-100, BA-150
サンスイ QS-1
サンスイ SL-5, TAC-505, SR-1050
サンスイ QS-1
サンスイ AU-666, AU-888
サンスイ SP-3005
サンスイ TU-999
瀬川冬樹
ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)
特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より
AU999とペアにデザインされたためか、チューナー単体としてはやや大柄な部類に入る。しかし大型であるだけに、ダイアルスケールの有効長は約21センチと、ソニーのST5000Fに次いで最も長く、しかも目盛が等間隔なので見やすく、且つ指針自体もランプで明るく光るため、同調点の指示がたいへん明瞭である。高級チューナーらしくメーターもシグナル強度と同調点指示と二個。かなり大型のものがついていて、その目盛もすっきりして美しい。応答速度も適当だった。
ところが、チューニングメーターのふれが、同調ツマミと逆の方向にふれる。これはぜひ針のふれる方向をいまと逆に改善するべきだ。
もうひとつ、プリメイン・アンプ(AU999)を含めて、パネル周囲を厚手の額ぶちでふちどりしているが、この額ぶちの角のつきあわせの部分が、まるで刃物のようる鋭く、たいへん危険である。これは早急に改めて欲しい点である。
いかにもチューナーらしくクセのないバランスのよい音質だが、抑制が利きすぎたというか、なにか精彩を欠く印象で、個人的にはTU888の方に好感が持てる。
サンスイ TU-888
瀬川冬樹
ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)
特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より
サンスイお家芸のブラックフェースだが、従来の777や999のような額ぶちをやめて、JBL式のサイドフレーム・タイプで、AU666などと共通のイメージを持つ新シリーズである。
AU999も大柄な印象を与えるが、888のパネルはそれよりさらに左右に広く、市販チューナーの中でも最も横巾が広い。その点を別にすれば、パネルの配置や背面の端子類の配列などよく整理され、総じて999よりもリファインされた製品という印象を受ける。ダイアル面は999とよく似ているが、999で指摘したメーターの振れのちぐはぐさもなく、ダイアル指針もシャープだというように、全体にサンスイ製品の中では上品でしゃれた雰囲気があって、なかなか楽しい。ただし外観上では二個のメーターの周囲の光の洩れがやや目ざわりであることと、サイドパネルの角が鋭利な刃もののようで危ないという点を、指摘したい。見た目にはシャープな感覚を与えながら、手ざわりはあくまでも温かく安全にというのが、製品を作る本質だろう。
音質は良い。バランス良く低域が温かく、ふわりと漂う雰囲気など、999よりも良いのではないかと思う。
サンスイ TU-666
瀬川冬樹
ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)
特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より
AU666とペアにデザインされた、サイドパネル型のブラック・フェースに、特徴ある丸形ダイアルを採用した、ユニークな外観のチューナーである。この基本形はTU555で試みられ、山水の中級及びローコスト・チューナーを非常にユニークな形にしている。
円形の窓の中に、100等分スケールとFM、AMの目盛が書かれて、へたをすると繁雑になるところだが、嫌味のない素直な文字で、可能なかぎり簡潔に表示したという配慮が感じられる。FM目盛はほぼ等間隔なので、慣れると目盛の角度で同調は容易にとれるだろう。ただ、指針まで光が廻らないため、暗いところでは指示がやや見にくくなる。
パネルの両わきの金色のサイドパネルの切口が危険なことは、888、999で指摘したとおり。まだバックパネルのアンテナ接続端子は、ワンタッチ式の山水独自のターミナルだが、666、999に使われている大きい端子は、888の新しい小型のものにくらべると少々接続しにくい。
音質は、高域をやや丸めたように耳あたりがよく粗さのない点は良いが、中高域でやや音の固いところもある。
サンスイ QS-1
サンスイ SP-2002, SP-1001, SL-5
サンスイ SP-10, BA-60, QS-1
サンスイ AU-888
岩崎千明
スイングジャーナル 2月号(1971年1月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
「アンプ戦線異常あり! 各メーカー全段直結に注目し、総力を挙げて、製品強化を図り、全体制を至急整えるべし」というのが、71年を迎えんとするハイファイ・ステレオ業界の現状である。
その全段直結戦線の端を切ったのがナショナル・テクニタス50Aであり、この大好評が大旋風の緒である。続いてティアックAS200、オンキョー・インテグラ701と大御所が名乗りを上げ、この流行が早くもピッチを上げてきつつあった時、ソニーTA1120を頂点とする全アンプESシリーズが、マイナー・チェンジという形でいっせいに全段直結化した。それを専門メーカーが黙って指をくわえたままのはずはない。
サンスイが、AU666、AU999の2機種によって、ついに一般のオーディオファンの手に届き得るべく商品化したのが4ヶ月前。AU666はすでに前評判もよく、市場において成功を収めつつある状態だ。
続いて、トリオが主力製品KA6000を上まわる全段直結アンプKA7002を発表。ようやくこのアンプ戦線に主役が揃って来たところである。後はパイオニアの新型アンプを待つばかりだ。
すでにくり返しいわれているようにこの新回路方式のアンプは、理論上も従来の方式に比べてあらゆる点で格段の優秀さを具えている。何よりも注目すべき点は、あらゆる再生帯域内での「位相特性」が格段によくなる点であろう。負帰還技術を駆使した今日のハイファイ・アンプでは、負帰還以前の原回路の位相特性がもっとも問題となるが、従来の方式では、すでにリミットにあった位相特性が格段と向上し得る手段こそ新方式の全段直結回路なのである。
これが再生品位に及ばす効果を伝えるのは容易ではない。というのはすでに従来のアンプが理想に近いレベルまで向上していたからで、それ以上のわずかのレベルアップに考えもつかない費用が要され、しかもそれと製品化するために多くの難関が道を阻ぎる。
テクニクス50Aの同級アンプに比べて倍の価格がこのところをよく物語るし、それを知る者にとって、サンスイのAU666の価格は相当おさえられた価格であることを知らされる。
しかも、それら全段直結アンプの音は、今までのアンプの音に比べて「音に豊かさと透明度が加わった」という点で共通している。日本製以外の製品としては、わずかJBLの高級アンプとマランツの豪華型にしかないというこの高水準の回路方式が今や国産アンプの「常識」になりつつある。ということはまったく驚異と共に喜びをもって迎えたい。
AU666に続いて発表したのが、このAU888である。
これはライバル・メーカーの主力製品に対する秘密兵器的な地位にある新製品だ。2年前のベストセラーであるAU777のグレード・アップという名実共に裏付けされている点でメーカー側の姿勢が感じられ、発売前から評判も高く、その売れ行きを約束されているといえよう。.
ブラック・フェイスというサンスイのイメージ・デザインの延長ながら、AU888にはメカニックでフレッシュな新感覚がみごとなばかりにパネルに結実している。加えて、AU666におけると同じく透明度高く、しかも豊かなつややかな中音域が大きな特長だ。トランジスタ・アンプから除ききれなかったドライな切れ込みが、まろやかに鮮烈なアタックもそこなうことなくしっとりした音を聴かせてくれる。
この理想境に達したのは、全段直結アンプ方式以外では考えられまい。アンプメーカーとして、AU111、AU777という2大金字塔を誇るサンスイが、AU666に続いて大荒れのアンプ戦線に加えた強力兵器、それがこのAU888であり、その期待をになうべく、デッキ?デッキの録音、再生も可能というフルアクセサリーのマニアライクな仕様、そして性能を満して市場に出る。
「シェリー・マンホールのレイ・ブラウンとミルト・ジャクソン」の冴えたキラ星のごときヴァイヴとベースの力強い開放弦の低音がSJ試聴室のA7をろうろうと響かせた。
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