パイオニアのプリメインアンプSA80、チューナーTX80の広告
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)
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パイオニア SA-80, TX-80
パイオニア TX-100
瀬川冬樹
ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)
特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より
TX50、70、90が、色調など共通のイメージでデザインされていたのに対し、TX100は、新型のSA100(プリメイン)と一体に設計された製品だけに、パネルの色調が従来のゴールドでなく、日焼けした肌を思わせるブロンズ色で、ダイアルスケールも集来のグリーンにかわるスカイブルーというように、旧UAシリーズと明確に区別されている。
ダイアルの有効長も約21センチとたいへん長くなり、リニア(等間隔)目盛も採用され、非常に見やすくなった。赤く光るスポット指針(同調するとさらに明るく光る)はTX90からそのまま受け継がれ、二個のメーターも大型化し、読みとりやすく適度に高級感を持たせている。最も新しい製品だけに、現時点でかなり完成度の高い高級チューナーといえるだろう。
アンテナ端子は、75Ω同軸ケーブルを、TVのマッチングトランスの容量でハンダづけ不要で接続できるように改良されたが、このクラスであれば、さらにシールドの完ぺきなコネクターを採用してもらいたいところだ。
中~高音域のやわらかくおとなしい、パイオニアのチューナーに共通の音質である。
パイオニア TX-90
瀬川冬樹
ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)
特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より
新製品TX100が出るまではUAシリーズの中の最高級品だったが、意匠的にもその感じは現われていて、大きなダイアル窓に赤く小さく光るスポット型の指針が走り、しかも同調するとその光が一層明るく輝くという、たいへん凝った設計である。これに加えてS(入力強さ)メーターとT(同調点指示)メーターの二つがあり、指針の光具合でおおよその同調点の検討をつけた上で、メーターによってさらにこまかく調整するという三段がまえの操作になる。
窓が大きい割にはダイアルスケール有効長は約14センチと短かいし、リニアスケール(等間隔)でもないが、光るスポット指針のおかげで同調のとりやすさは抜群である。ただ、比較的高価な製品の割にはメーターが小さく、ここだけがやや安手にみえる。
音質の点では、ごく微妙な差だがTX50、70の音が確実にグレードアップしてくる。耳あたりのよいやわらかい音質は、パイオニアのアンプなどと共通のイメージである。
パイオニア TX-70
瀬川冬樹
ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)
特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より
同社のUAシリーズの中の一連のデザインだが、プリセット・チューニング機構が組みこまれているため、この製品だけは同じシリーズの中でやや表情が違う。
プリセット・チューニングというのは、あらかじめ選局しておいたボタンを押せば、ワンタッチで目的の放送局を選局できるというメカニズムで、現在のところ5局まで選べるようになっているが、東京でもいまはまだ2局しかないのだから、プリセット・チューナーは時期尚早という意見が強い。しかしTX70は、マニュアルに切換えれば従前どおりダイアル面での選局もできるのだし、プリセットでFMを選局し、ダイアルはAM局に合わせておく、などの使いかたもできるのだから、むしろ使いこなしの楽しいチューナーというべきだろう。
パネルやダイアル面は当然にぎやかになっているが、よく整理され、メカニックな楽しみがある。音質はたいへんバランスが良く、聴きやすい。プリセット・メカニズムの分だけ割高になりはしないかと意識してテストしたが、それはよけいな思惑だったようで、むしろ買徳なチューナーではないかと感じられた。
パイオニア TX-50
瀬川冬樹
ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)
特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より
ぶ厚い金色のアルミ・パネルの両端に天然木ウォールナットを配した、パイオニアUAシリーズの中のローコスト・チューナーである。同じファミリーにはちがいないが、TX70や、TX90とくらべると、印象としては何となく可愛らしさが先に立つ。
ダイアルスケールは有効長約10センチと、小型ローコストだけにさすがに短かい。目盛も等間隔ではない。TX70や90のような光る指針もついていないが、目盛や文字の書体がすっきりと明快で、指針も割合に読みとりやすい。メーターはシグナル強さの指示一コだけ。すべてが簡潔に、必要最小限の機能しかついていないところがいかにもローコスト製品だが、パネルの仕上げやツマミの感触にあまり安っぽさのない点は立派である。
TX100以下すべて共通のパイオニア・トーンで、高域の甘い、おとなしく聴きやすい音質にまとめてある。ただ、同社の上のクラスの製品と比較すると、ステレオの広がりがややせばまる感じになるが、この辺がローコストとしての限界だろうか。安いからといって音が粗くなったりよごれた感じになったりしないところが良い。
パイオニア QA-80, QC-80, QM-80
パイオニア E-1000, E-5000
パイオニア PL-41D, MU-41D
パイオニア SA-100
岩崎千明
スイングジャーナル 3月号(1971年2月発行)
「SJ選定《新製品》試聴記」より
パイオニアがついに、新シリーズのアンプを出した。待ちこがれた買手の要望と、メーカー側の満々たる自信とを重ね担っての新製品である。
この新シリーズ・アンプは、パイオニア以外のメーカーにとっても、この上なく気になり存在を意識させられるに違いない。そういう点から言ってもこのアンプは最近になく話題の焦点であろう。というのも外でもない。最近アンプは、新製品といえば「全段直結方式」という画期的な新回路技術が全面的に採用されて、今までのアンプに比べてはっきりと性能向上がデータの上にも表われ、また、音の上でも素直な素質の良い音に、歪の少なさが確然と感じられるからである。これからのトランジスターアンプは、今や「全段直結方式」というのがこの道の通の常識にさえなりつつある。それを裏づけるかのように、このところ続いて発表される各メーカーの、この種の新型アンプは非常な好評で迎えられ新しいアンプの時代を築きつつあるといっても過言ではない。名門ソニーに続きティアック、ナショナル、オンキョーという意欲的なメーカーに一歩遅れをとって、トランジスターアンプの専門メーカー、トリオ、さらにサンスイとこの流れに乗っている中で、ひとりパイオニアは沈黙を守り続けた。
しかし、時代は熟したり満を持して放ったのが、この新シリーズ・アンプなのである。その製品に接してさすがにパイオニアと改めて息をつかせたのがこのSA100であり、新シリーズ、ニューUAシリーズのアンプであった。
まず音だ。パイオニアのアンプに私が常々感じているのは、いかにも大人向きの品のよいサウンドだ。これはステレオというよりも、ハイファイ界において、まさにその名通りの先駆者としてのキャリアと貫録とが、生み出し到達したサウンドであろう。歪の少なさにプラスして、誰にも受け入れられるに違いない音であるが、しかし、なにか音の魅力という点で、もう少し欲しい何者かがある。その点では今から10年以前のパイオニアのスピーカーの方により以上の魅力を感じるのであった。そのサウンドが今度のアンプにはある魅力ある生々しい迫力を今度のアンプに感じることが出来るのである。
それは、おそらく新回路方式によってより広い帯域に対して、完全に設計意図通りのデータが保たれたことがやはりこの新アンプのニューサウンドの底流にあるに違いない。
さらに注目すべきは、直結アンプ特有のスピーカー保護回路にある。直結アンプはその回路の性質上、わずかのクリックもスピーカーに直接加わるため、スピーカーという高価なパーツを破損してしまうチャンスが今までよりずっと多いのである。
パイオニアでは、発売を延してまてこの点こそ充分に時間をかけて万全を期すべく技術を傾けたという。スイッチ・オンの後、回路が完全に動作状態になるまでスピーカーは接続されず、、8秒後にスピーカーが動作するように特別のバランスが太検出回路がプロテクターを形成する主役となっているという。
スピーカー側の最大入力などの異常動作の場合も、瞬間的に保護回路が動作し、動作が正常になれば、つまり正常使用状態なら瞬間的に動作復帰する自動瞬間復帰方式だ。まさにスピーカー専門メーカーとしてのキャリアがアンプに生きているといえる。ブラックシルバーのいぶし仕上げのヘアーラインという新鮮で、豪華なパネルデザイン。つまみの配置もマニアライクな優れたものだ。
新シリーズのチューナーTX100、アイディアに満ちたステレオ・ディスプレイSD100とともに、当分の間ファンの話題となる新シリーズだろう。
パイオニア PL-25D
パイオニア T-6600
パイオニア SA-60, SA-80, SA-100, TX-60, TX-80, TX-100, SD-100
パイオニア CS-E900
菅野沖彦
スイングジャーナル 2月号(1971年1月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
今月の選定新製品として選んだ、CS−E900は、同社がクリアー・サウンドというキャッチ・フレーズで売り出し中の一連の音のキャンペーンに連る。
スピーカーというものは難しいものだ。これほど、再生装置を構成するパーツの中で、全体の音を左右するものはない。つまり、すべてのスピーカーは、ある技術的な理想に向ってつくられているはずなのに、その音は千差万別、それぞれ極めて個性的なのである。カートリッジについても、アンプについてすらも言えることだが、スピーカーほど独自の性格をもつものはないのである。スピーカーは電気音響の粋といってよくその動作の電気的特性から類推するという管理ではとても追いつかない。着実なデータの集積と長い経験鋭い感覚から生れるスピーカーづくりのノーハウは、それぞれのメーカー独特の手法として存在し、そのメーカーの体質となり血となってほしいものだ。
褐色に着色したコーン(FBコーンと同社は称している)を使用したウーハー、スコーカー、そしてマルチ・セルラー・ホーンのトゥイーターを使い、バッフルは仕上げの高い木肌の魅力をもった完成度の高いシステムである。これほどCS700、500など一連のシリーズの経験を生かしたシステムとして高く評価できるものだ。マルチ・セルラー・ホーン・トゥイーターのデュフィーザーは廻転式で、システムを縦位置においても横位置においても、これを90°回転をさせて水平方向への指向性を改善できる。もっとも、これはデュフィーザーの設計で、そのままで水平垂直方向へ拡散させるものをつくればよりよいわけだ。中音は12cmコーン、ウーハーは30cmコーンである。最近のほとんどの製品がそうであるように、インプット端子はネットワークを介したフル・レンジ用と、3つのユニットにダイレクトに接続されるもの、そして、トゥイーター、スコーカーはネットワークを用いる2ウェイ式の切換スイッチ及びターミナルをもつ。アッテネーターは前面バッフルに±3dbの範囲で調整できるものが装備され高域、中域のレベルを独立してコントロール出来る。エンクロージュアは完全密閉型で、かつての優秀製品CS10やCS8の流れをくむものだ。クロスオーバーは400Hzと4kHzの2点。
試聴感は、全体にさわやかな透明感が感じられ、音の傾向としては華麗である。重厚味やマッシヴな力感という面はあまり感じられない。したがって、どちらかというと黒っぽいジャズの再現には少々線が細く、よりソフィステイケイトされた音楽のほうがしっくりいく。高域の輝やかしい音色は魅力的だが、中域にやや腰くだけのようなあいまいさが残るのが玉に傷だ。もっとも傷のないスピーカー・システムなど、今だにお目にかかったことはなく、その他に良い面が強くあって、アバタもエクボとなるようならよしとしなければならないのが実状である。このシステムのまとまったバランスド・サウンドは、緻密な仕上げのエンクロージュアや外装デザインと共に整然とした完成度の高いものだ。あまりにも端整なのが、よきにつけ、あしきにつけ、このシステムの特長であろう。前面サランネットをつけた本機のたたずまいは、きわめて洗練されたもので、最近のパイオニア製品共通のセンスを感じる。それは、テープレコーダーにもステレオレシーバーにも散見できるセンスのひらめきであり、オーディオ機器が嗜好品としての性格を持つという本質をよく理解した製品づくりの誠意が感じられて好ましい。
スピーカーの音は、一朝一夕に出来るものでもないし、作ろうとして作ったものは根底から人の心を動かすことは出来ない。エネルギー変換器としてのスピーカーの物理特性とまともに取り組むことから滲みでてくるのが本当の個性である。人が技術を通して滲み出る。これが本物だ。したがって、スピーカー技術者が、そしてメーカーが、まず人として魅力あるパーソナリティをもち、普楽の心を抱いていなければならない。技術は技術、人は人で音作りをしたような製品ではこれからのオーディオ界には通用しないのだと思う。



















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