Category Archives: 海外ブランド - Page 102

シュアー M75E TypeII

シュアーのカートリッジM75E TypeIIの広告(輸入元:バルコム)
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

Shure

アコースティックリサーチ AR-3a

アコースティックリサーチのスピーカーシステムAR3aの広告(輸入元:フォスター電機)
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

AR

デュアル 1219

デュアルのアナログプレーヤー1219の広告(輸入元:東志)
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

Dual

アルテック DIG

アルテックのスピーカーシステムDIGの広告(輸入元:エレクトリ)
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

Altec

アルテック Santana, Malaga

アルテックのスピーカーシステムSantana、Malagaの広告(輸入元:エレクトリ)
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

Altec

デュアル 1219

デュアルのアナログプレーヤー1219の広告(輸入元:東志)
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

1219

JBL L100 Century, S99 Athena

JBLのスピーカーシステムL100 Century、S99 Athenaの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

JBL

アコースティックリサーチ AR-3a

アコースティックリサーチのスピーカーシステムAR3aの広告(輸入元:フォスター電機)
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

AR3a

スコッチ No.202, No.203

スコッチのオープンリールテープNo.202、No.203の広告
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

Scotch

エンパイア 1000ZE/X

岩崎千明

スイングジャーナル 6月号(1971年5月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

「王冠」をシンボル・マークとしているメーカーは、別に珍らしいわけではない。しかも王者たるにふさわしい貫禄と高品質のメーカーである場合が少なくない。時計ではローレックス、車ではマセラッティ、そして音響製品としては、この米国のエンパイアだ。
 エンパイアは、その重要な部門は米国軍需産業と結びついている。近頃とみに重要性を増している水中通信のための超音波部門がそれだ。原子力潜水艦が海軍力の大きなウエイトを占め海底に数10日という長期間潜まるために、海中との通信は電波を用い得ないため音響分野で解決される。この分野で2次大戦中より重要な役割を果してきたエンパイア社が、卓抜せる音響技術をオーディオに活用して、エンパイアのHiFi製品がうまれた。当然のことながらその技術はある意味で他社をはるかにしのぐことになろうし、「王冠」のマークも当然のことで誰しもが認めよう。
 エンパイアの製品は、音響製品のすべてにわたる。スピーカー・システム、アーム、カートリッジ、さらにターンテーブルとアンプを除くあらゆる電気音響変換器を網羅している。注自することはどの分野でも、高性能を誰しもが認め超一流と格付けされる棄華なぜいたくきわまりない製品を市場に送り出している点だ。
 このエンパイアがこのたび発表したカートリッジが1000ZE/Xである。カートリッジにおけるキャリアは、シュアーと並ぶほど古く市場の評判も長くシュアーと並んで2分していた。売行きはピッカリングという老舗をはるか引き離し、品質は新進気鋭のADCをしのぐ実力ぶりは決して底の浅いものではなく、軍需産業を担ってきた基礎的な技術がものをいっているのに違いない。
 エンパイアのオーディオ製品にみられるサウンド・ポリシーはひとくちにいって、いかにも米国調らしいといい切れる。JBLの新大陸的な明快さと、清澄な迫力とを併せ持っている。ヨーロッパ調の格式ある控えめな品の良さはないが、フィラデルフィア・オーケストラの音のようにエリントン・バンドのサウンドのように華麗な迫力と厚さを感じるサウンドだ。
 この路線をはっきりと打出していたのがステレオ初期以来のカートリッジで、最近は8888シリーズがこれを明瞭に感じる。999シリーズになって音域がさらに広くのびて繊細感が格段と向上した。しかし、やはり迫力ある低音感、それにまして充実された力強い中音域。ジャズ・サウンド特有の楽器の迫力を実に鮮かに再生する能力はまさに、ジャズ向きという言い方がぴったりくるようなサウンド・ポリシーである。グラナディアを頭とするスピーカー・システムも円柱型というユニークなデザインと共に、サウンドの力強さをあらゆるファンから認める傑作だ。
 1000ZE/Xはエンパイアのサウンド・ポリシーに乗っとった高級製品に違いない。しかし、この音は明らかに一歩を踏み出した。踏み出したとて「延長上」であるとはいい切ることはできない。というのは、ここにあるのはヨーロッパ調を目指したもので、品位の高い格調あるサウンドなのである。従来になくおとなしさを意識させられる点で、間違いなく「エンパイア」であることを眼で確かめたくなったぐらいだ。ピアノ・トリオを聞き、従来のエンパイアに感じられたきらびやかさが押えられ、スケールの大きさと音のふくよかさがにじみ出てきた。ヴォーカルではより生々しい自然らしさが感じられる。ただシンバルがやや薄く線が細い響きとなったように思われるのは私の耳だけか。
 カートリッジでもっとも注目すべき点はトレース能力にある。テーパード・カンチレバーを世界に先駆けて、ステレオ製品の初めから採用してきたエンパイアのカートリッジの最高級にふさわしく、なんと0・5gの針圧が常用できる世界でもまれな製品がこの1000ZE/Xなのだ。

オルトフォン M15, MF15, AS212

オルトフォンのカートリッジM15、MF15、トーンアームAS212の広告(輸入元:オーディオニックス)
(スイングジャーナル 1971年6月号掲載)

ortofon

オルトフォン M15, MF15, AS212

オルトフォンのカートリッジM15、MF15、トーンアームAS212の広告(輸入元:オーディオニックス)
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

ortofon

デュアル 1219

デュアルのアナログプレーヤー1219の広告(輸入元:東志)
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

1219

アコースティックリサーチ AR-3a

アコースティックリサーチのスピーカーシステムAR3aの広告(輸入元:フォスター電機)
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

AR

アルテック 879A Santana, 873A Barcelona, 893A Corona, 887A Capri, 890C Bolero

アルテックのスピーカーシステム879A Santana、873A Barcelona、893A Corona、887A Capri、890C Boleroの広告(輸入元:エレクトリ)
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

ALTEC

ハーマンカードン Citation 11, Citation 12, Citation 13

ハーマンカードンのコントロールアンプCitation 11、パワーアンプCitation 12、スピーカーシステムCitation 13の広告(輸入元:ローランド電子工業)
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

Citation

シュアー V15 TypeII

シュアーのカートリッジV15 TypeIIの広告(輸入元:バルコム)
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

SHURE

スコッチ No.202, No.203

スコッチのオープンリールテープNo.202、No.203の広告
(スイングジャーナル 1971年5月号掲載)

Scotch

フィリップス GP412

岩崎千明

スイングジャーナル 5月号(1971年4月発行)
「SJ推選ベスト・バイ・ステレオ」より

 冒頭から少々きざったらしい言い方をするが、私はこのフィリップスの新型カートリッジを紹介できることをおおいに誇りにしている。このカートリッジの優秀性をわずかな紙面でどうやって紹介できるか少なからず心配しながらも筆をとっている。
 フィリッブスというメーカーはいうまでもなく、カセット・テレコでよく知られており、4チャンネル時代を迎える今日、その実用的なソースとしての未来性がますます注目されている。
 しかし、メーカーとしての真のフィリップスの姿は、あまりに大きすぎてどう説明していいのかわからない。
 戦前は、米国RCAと並んで全世界の市場を2分するほどの、エレクトロニクスと家電の大御所だった。ヨーロッパに君臨するこの大メーカーの規模は、戦後おとろえたとはいえ、米国フォーチューン誌において10位以内に入る世界のトッブ企業なのである。ちなみに日本の最大メーカーは新日鉄で、ほぼこれに匹敵する。
 西洋音楽が芽生え、根を下し、今日の繁栄の地となったヨーロッパ大陸に地盤をおいたフィリップスの、音楽再生に対する技術は一般にはまだあまり知られてはいない。
 しかし、カセット・テレコの例を持ち出すまでもなく、その分野において常に最高であり容易に他の追随を許すことはないほどに質的に高い。その上おどろくことに、その高水準の技術の所産がマニア用としてではなく一般用を目的の商品としてでも大成功をとげている事実はあまり例がない。見せかけでなく真に音楽に根ざした技術的所産というべきだろう。
 現在、市販のステレオ・カセットは国産品20機種以上にも上るが、その高級品とほぼ同価格のフィリップス製が「通」の間ではやはり人気ベストワンであることを知っておられるだろうか。外国製は割高というハンディをせおっているこの普及型カセットにおいてすらこの有様なのだ。
 SJ誌試聴室において、偶然のことから眼にとまったごく目立たないカートリッジに PHILIPS という字をみて、私はトリオレーベルの本田竹彦トリオの音溝に針を落した。まったく期待のない時だっただけに、音の出た瞬間、痛烈なカウンターを喰ったようなショックを私は受けた。このピアノの音は、かつてオルトフォンに初めて接したときのように実に豊かで堂々としていた。しかも、録音本来の最大特長であるアタックの切れ込みの良さはほんのわずかも損なうことなく強烈だった。まさに、フル・コンサート・ピアノのスケールに、そのままというか、目の前2mぐらいで演奏しているエネルギーが室内に満ちた。このアルバムにおさめられているピアノやドラムの激しいアタックはカートリッジのビりつきを露呈するのだが、ここでは実に安定し、フォルテの時にも微動だにせずトレースをやってのけたである。念のためビル・エヴァンスのアローンをかけた。
 ヴァーヴ盤は、ギター・ソロがびりつきやすく、これがカートリッジのトレース特性のチェックにもってこいであるし、国産でこれを無難にやりとげるのはわずかしかない難物である。すでにどうにもならぬほど傷んだ個所を除き実に安定にトレースしたのだった。かくも「安定に」この難物をトレースしたカートリッジはシュアーV15II、エンパイア999を除いてはない。安定なのは音だけではなくトレース能力自体であることも明記しておこう。
 ソフトなタッチでしかも強烈なアタックを刻明にうきぼりするこのフィーリングは、ごく最近手にした、ライカのレンズに対して感じたものとまったく同一のものである。そこには単に技術だけではどうにもとらえきれない「何か」がはっきりと存在しているのだ。
 マニア用として、全く別系統のセクションで作られ、販売されるというこのカートリッジに、私は伝統を思い知らされ、羨望を感じたのである。

シュバイツアー Record Grip

シュバイツアーのレコードアクセサリーRecord Gripの広告(輸入元:オーディオニックス)
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

Schweizer

シュアー M44-7

シュアーのカートリッジM44-7の広告(輸入元:バルコム)
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

SHURE

スコッチ No.202, No.203

スコッチのオープンリールテープNo.202、No.203の広告
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

Scotch

エレクトロボイス Aries

岩崎千明

スイングジャーナル 4月号(1971年3月発行)
「今月の新製品」より

 一見、アンティーク調の、暗い本箱を思わせるアーリー・アメリカンの家具デザインで、変形ブックシェルフ・タイプのスピーカーである。兄貴分のパトリシアンから受け継がれた重厚にして号かなサウンドで、節度ある深々とした低音と、ゆったりとした品のいい中音が、やはりエレクトロボイスでなければ得られないサウンドである。発売されたばかりの新型だが、何か伝統を印象付けられるのは決してデザインのためだけではあるまい。中味は30cmウーファーとドーム型の中音、高音という3Wayだが、このユニットはそれぞれ発売されていないというところにこのシステムに大きな魅力をプラスする。
 いままでのスピーカーが決ったように4面仕上げのデザインであったが、室内のアクセサリーに、クラシック調の民芸品的家具がこのところ復活している。アメリカでは、超豪華型システムはこうしたクラシック調のデザインのものが多かった。例えばアルテックのスパニッシュ調、JBLのフランス・プロビネーション調、ボザークとエレクトロボイスのアーリー・アメリカン調という個性を出していたが、中級に出て来たのがこのエアリーズである。サウンド、たたずまいとも魅力いっぱいのスピーカーである。

アルテック Santana, エレクトロ・アクースティック Miracord 50H

アルテックのスピーカーシステムSantana、エレクトロ・アクースティックのアナログプレーヤーMiracord 50Hの広告(輸入元:エレクトリ)
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

ALTEC

JBL L100 Century

菅野沖彦

スイングジャーナル 4月号(1971年3月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 JBLの3文字は音の名門のステイタス・シンボルである。その3文字が彷ふつとさせる高い品位と信頼感は長年の技術的先進性に裏づけられた商品としての高度な完成度によって培われたものだ。日本では、音響製品に対する見方が二通りあって、一つは純粋に科学製品として無機的に眺め、物理特性をもって尺度の全てとする冷徹なもの。他は、いうまでもなく、これに対する眺め方で、音響機器に個性的感覚を見出して、科学製品として物理的特性の重要性を充分認めながら、人のつくったものとして人文的なバックグラウンドまでも含めてこれを眺める生きた暖かい立場である。私の見方はもちろん後者であって、JBLやアルテックの製品の魅力を表現するのに、アメリカのウエスト・コーストの特質をジャズやその風土に結びつけて反対派の槍玉にあげられたことがある。音響製品を大げさにいえば疑人化したような事をいってもったいぶるのは本質をはずれた見方であるということらしい。しかし、なんといわれようとも、私は人間の関与したものから人間を無視することは出来ないし、すべては人間が人間自身のためへの努力の賜物と思うから、人間中心に考えずして、ものの本質にふれることは出来ないと信じている。そして人間は自然に、自然は神に(仮にこうしておく)はぐくまれたものであることは無宗教の私の現状でも認めぎるを得ない現実である。人間自身はずい分、高度な科学や文明を築きあげてきたけれど、それは、人の叡知のなせる業であり、叡知とは深遠な道理を知ることのできるすぐれた知恵である。今かりに、音響機器を論ずるのに、物理特性だけをもってするという人がいるとすれば、その人は、人間のもつ叡知が、ようやく現段階で具象化することのできた尺度だけで、叡知そのもののすべてを計ろうとするようなもので、思い上りやトンチンカンも甚しい。私たちの勘や感覚というような私たち自身がもっている自然に与えられた鋭く、無気味なほどに力強い能力をもってつくられたものが銘器であって、それを、そこらの生半可な物理や電気の優等生に決めつけられてたまるものか! というのが私の本心だ。洋の東西、今昔を問わず、優れた機器というものはそうしたずっしりとした重味と犯し難い品位をもっているものであって、その立派さや恐ろしさを、その魅力の本質のわからない人ほど不幸な人はないようにさえ思えるのである。
 JBLは、創設者のJ・B・ランシングの天才的な能力の生みだしたスピーカーを発展の軸として、パラゴンやハーツフィールドの卓抜なアイディアと周倒な作品構築力と感覚を加え、数々の銘器を生みだした輝やかしい歴史をもつメーカーである。近年アメリカのこういう専業メーカーも独立自営が難しく、より大きい資本の傘下に入るのが珍しくないがJBLも、ジャーヴィス・カンパニーのディヴィジョンということになっている。しかし、専業メーカーとしての緻密な製品づくりの特質はよく生かきれるのがアメリカ社会のいいところで、アルテックと同様、そのメーカーとしての個性はそのまま現在まで受けつがれているといってよい。というものの、最近のアメリカ社会全般の変化や動きには巻き込まれぎるを得ず、JBL往年の風格を壊しむ気持がないといってはうそになる。JBLが近年発表したアクエリアス・シリーズは、たしかに時代の要求を反影し、しかも憎らしいほど巧みな商品づくりの腕前えは認めるが、さらば、それが飛びつき、抱きつきたくなるほどの魅力に溢れているとはいえない。間接放射、異位相成分によるプレゼンスの創造、指向性の改善など数々の積極的手段が使われているが、どれ一つとっても、それは決して全く新しい音響技術ではなく従来にもあった類である。JBLとしては本質的なクオリティの進歩と見ることが、私には出来ない。しかし、先にも述べたように、その商品化の腕の冴えは流石にJBLであって、そのスマートさは他製品のおよぶところではない。ここに取り上げたL100〝センチュリー〟は前面にユニークな材料(スカルプチャード・カドレックス)のグリルを使って指向性の改善を計っていて、その独特の魅力的な立体感が冴える。システム自体は30cmウーハー、10cmスコーカーにツィーターというオール・ダイレクト・ラジエーションのシステムで、抜群のリアリティと高品位の音質をもっている。実にオーソドックスな製品で、JBL健在なりという感が深い銘器とみた。アメリカでも圧倒的好評ときくが、私も好きだ。かなり高価だが、値打ちがある。いぶし銀のような重厚さと底力のある力感、前面に放出される豊かな表現力、JBLならではの緻密さ、鋭角な音像再現であった。