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トーレンス TD126MkIIIc, TD226, REFERENCE

トーレンスアナログプレーヤーTD126MkIIIc、TD226、REFERENCEの広告(輸入元:ノア)
(別冊FM fan 33号掲載)

TD226

トーレンス TD126MKIIIBC

瀬川冬樹

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 スイス・トーレンス社のターンテーブルは、TD125以来、150、160などすべて、亜鉛ダイキャストの重いターンテーブルをベルトドライブで廻すという方式で一貫している。同社ではS/N比の向上の点でのメリットを強調しているが、DDを聴き馴れた耳でTD126の音を聴くと、同じレコードが、あれ? なんでこんなに音が良いのだろう! と驚かされる。音の良さの理由は私には正確には判らないが、ともかくこれが事実なのだ。

トーレンス TD126MKIIIBC

菅野沖彦

別冊FM fan 30号(1981年6月発行)
「最新プレイヤー41機種フルテスト」より

概要 高級ターンテーブルの中では、安直に使える家庭用の高級ターンテーブルというイメージが非常に強い。トーレンスの思想であるクッションによってモーター部分とアームのベース部分と一体にして浮かせるという構造のターンテーブルシステム。見た感じからいくと、おそらく二十万円に近いと思えないイージーハンドリングな感じを持つ。構造的には別に目新しいところはなくて、DCモーターによるベルトドライブ。特に重量級とはいえないが、回転メカニズムを支えて、そしてトーンアームを明確に支えるコンストラクションの部分はがっちりと出来ている。
 当然だが、何といっても浮かしたターンテーブルというのはやはり外部からのショックに強くて針とびが少ない。ハウリングマージンも取れる。最近のように低域がどんどん伸びてきている場合にはこのハウリングマージンを重量だけで押えていくのは並大抵のことではない。50kg、60kg程度では押え切れるものではない。そういう意味から、このトーレンスのようないき方のフローティングシステムというのは、大きなメリットを持っている。日本においては、このフローティングはあまり受け入れられず、どちらかというと、どんどん重量で固めていく傾向のようだが、それ一辺倒の思想は改めてもいいのではないかと思う。このシステムにはアームが付いてカートリッジレスのものと、アームレスのものとあるが今回はアームレスを試聴した。
音質 テストにはオーディオクラフトのAC3000MCのトーンアーム、オルトフォンのMC20MKIIをつけて聴いたが、音の点でのバランスはとにかくものすごくいいターンテーブルだ。
 操作性は慣れれば非常に明快だが、スピード切り替えとスターターが一緒になっていて、OFFスイッチはアームの手元についている。慣れればこれは大変使いやすいマニュアルターンテーブルだ。
 いま日本だけでなくて、世界的にDDモーターが全盛時代を占めている。この時代にベルトドライブに固執しているのは一、二のメーカーだけだが、そのメーカーには技術的な主張があるわけだ。実際に音を聴いてみても、このベルトドライブの持っているよさというのは何となくわかるような気がする。明らかな欠陥がDDにあったり、ベルトにあったり、ということではないから明確にいうのは困難にしても、ベルトドライブが持っている音の穏やかさというか、滑らかさというか、非常に温か味を感じる音だ。
 具体的に言うと、ややピアノの音が高域音にうわずるところがある。これは、もちろんカートリッジとトーンアームというものの音をいろいろなターンテーブルで聴いた平均より、という意味だ。それから音の密度、締まり具合というものが、完全にこのクラスの最高級のプレイヤーと比べるとやや甘いというところがあるが、それがまた音の穏やかさというか、聴きやすさということにつながってくる。オーケストラの低域のコントラバス、チェロなどの楽器の持っているブーミーなボディというのがよく出る。そういう点ではこのシステムはよく楽器の、そういう独特な音の傾向というものを出してくれたと思う。全体的にとにかく音楽らしく聴かしてくれるいいターンテーブルだった。

トーレンス TD126MKIIIC

瀬川冬樹

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「ハイクォリティ・プレーヤーシステムの実力診断」より

●音質/オリジナルアームつきと、アームなしと、両方の製品がある。まず、アーム自体の性能のよくわかっているAC3000MCとの組合せから試聴した(リン・ソンデックよりひとまわり大きいので、国産アームが無理なくとりつけられる点は便利)。総体に穏やかでウェルバランスといいたい安定感がある。ことにクラシックのオーケストラや弦合奏、そして今回の試聴盤の中でもなかなか本来の味わいの出にくいフォーレのVnソナタなどが、とても優雅に、音楽の流れの中にスッと溶け込んでゆけるような自然さで鳴る。反面、ポップス系では、同席していた編集の若いS君、M君らは、何となく物足りないと言う。その言い方もわからないではない。たとえばL07Dの誰にでもわかる音の鮮明な粒立ち、あるいはLP12の、ことさらに粒立ちを意識させないまでも明るく音離れのよい爽快感。そうした音と比較すると、いくぶん暗く沈みがちに聴こえる点に、好き嫌いが出そうだ。本来の音が穏やかなのに加えて、音量感がほんのわずか減ったような印象を与えるところがあるので、それが聴きようによってはマイナス要因になるかもしれない。ところでオリジナルアームのほうだが、同じカートリッジをつけかえたとき、総体に音のスケールや音量感までも小さくなったように聴きとれる。中域が張ってきて、相対的に音域がやや狭く、Dレンジもまた狭まったかに感じられる。専用のカートリッジはEMT製だが、オリジナルのXSD15をACと組み合わせた音にくらべてかなり貧相だ。
●デザイン・操作性/以前の製品にくらべてツマミ類が何となく安手な感触になっているのが残念だが、比較的小型にうまくまとめられて、大げさでない点がいい。横揺れしやすいので、床がしっかりしていないと、外部からの振動で針が飛びやすい。設置にはこの点多少の工夫が必要。

トーレンス TD126MkIIIc/MC

トーレンスのアナログプレーヤーTD126MkIIIc/MCの広告(輸入元:パイオニア・エンタープライズ)
(ステレオ 1979年2月号掲載)

TD126