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ラックス M-4000A

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 オリジナルM4000が、4000Aとなったもので、かなり長い期間市場にある。180Wの出力をもつオーソドックスなアンプだが、デュオベータ回路が採用されてリファインされた。デザイン、作りも高級アンプにふさわしいもので、かなり力作だと思う。パネルは大型メーターを基調に美しくまとめられ、ピーク指示もVU指針と併読できる。後部に大きく突出したヒートシンクの間に埋れたスピーカー端子はなんとも不便。

音質の絶対評価:7

ラックス C-5000A, M-4000A

菅野沖彦

ステレオサウンド 53号(1979年12月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶか(下)最新セパレートアンプ25機種のテストリポート」より

 ある種の雰囲気をもったどちらかというと内政的な音で、中高域の冴えがなく中低域以下が豊かだ。風格のある充実した音だが、音楽の内容によっては、もっと明るく、張り出した響きが欲しい。ワイドレンジで力もある音なのだが、少々しぶ味がある感じ。

ラックス C-5000A, M-4000A

井上卓也

ステレオサウンド 53号(1979年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 独自のデュオβ回路と、新しい方向性を示したパネルフェイスに特長があるラックスのニューラックスマンシリーズはプリメインアンプL58Aが最初の製品であるが、今回発売されたコントロールアンプC5000AとパワーアンプM4000Aは、このシリーズの最高に位置づけられるほか、ラックスのトップランクモデルでもある。
 C5000Aは、L58Aと同じデザインのパネルフェイスをもつコントロールアンプである。
 基本的な設計ポリシーは、高NFBアンプの問題点としてクローズアップされたTIM歪を軽減することにある。このため、オーディオアンプの基本に戻り、NFBをかける以前のアンプの裸特性を改善し、これに最適量のNFBを僅かにかけ、動特性および静特性を向上させようという構想に基づいて、デュオβサーキットを採用している。
 回路面の主な特長は、イコライザー段とフラットアンプ段を同じ回路構成とし、
入力段にはFET4石のカスコード入力ブートストラップ回路を使用、トランジスターによる動抵抗回路や定電流回路を組み合わせて裸特性の向上を図る。出力段にはトランジスター4石によるSEPP回路を採用し、出力インピーダンスを極力低く抑えていることにある。
 コンストラクション面では、最近の技術的傾向を反映して、アンプ基板に近接するシールド板、シャーシーなどの金属類を排除。静電的ノイズには抵抗体シートを木箱に貼って対処するなどのほかに、電源部を含めた左右チャンネルの分離、配線の単純化、最短距離化のためすべてのスイッチ類が直接基板に取付けられ、この基板を縦位置に取付けているため、独特のパネルフェイスとなって現れている。使用部品には音質の優れたチッ化タンタル抵抗やコンデンサーを使用し、ノンポーラコンデンサーのオーディオ的なポラリティまでも検討するなど、音質を重視した設計となっている。
 M4000Aは、従来のM4000系の筐体に高域特性が優れ、クロスオーバー歪やスイッチング歪の少ないパワーMOS−FETを使用し、多量のバイアス電流と高速ドライバー回路を組み合わせて〝ノッチレスAクラス〟動作方式とした出力180W十180Wのパワーアンプである。
 回路的には、裸特性の優れた回路に少量のNFBとDCサーボ回路を組み合わせた独自のデュオβサーキット使用で、左右独立電源、音質のよい15、000μF×4の電解コンデンサーとフィルムコンデンサーをパラレルに使用したことなどが特長である。入力端子は金メッキのRCAピンプラグ、出力端子はユニークな使用法のキャノンコネクターを採用している。

ラックス 5C50, 5M21, 5T50, CL36, M-4000, T-110

ラックスのコントロールアンプ5C50、CL36、パワーアンプ5M21、M4000、チューナー5T50、T110の広告
(スイングジャーナル 1978年8月号掲載)

5C50

ラックス M-4000

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 M60000の弟分という存在だが、6000のあの物凄いといいたい大がかりさにくらべると、大きさやスペックなどバランスがよく、ふつうにはこの方が扱いやすい。6000がややおっとりした音を聴かせるのに対し、こちらは細部のキメのこまかい、解像力のよい、そして目鼻立ちのはっきりした音質。