瀬川冬樹
ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(下)」より
セレスティオン(と発音するそうだが)のスピーカーは、近ごろやたらに製品の種類を増やしていて分類にとまどうのだが、大きく分けるとこのDittonシのリーズと、もうひとつ別にULのシリーズとがある。がDittonの中でも、66や44のようないわゆる「ゾロ目」のシリーズが比較的新しい。ULの方が音をより正確に再生するシリーズであるのに対して、Dittonはホームユースとして楽しめる音をねらっているのだそうだ。この33はその中でも最も新しいスピーカーで、今回のテストでいえば、B&WのDM4/IIや、別項ミニスピーカーの分類に入っているJRの149や、スペンドールSA1それにロジャースのLS3/5Aなどと比較する方が、このスピーカーの性格を説明しやすい。まず大掴みにいえば(イギリスのスピーカーにしては)やや硬質の、つまり中〜高域の張った傾向で、スペンドールSA1よりもいっそう張っている。したがって、ピアノの打鍵音などにも独特の光沢を感じさせ、オーケストラ録音でも音のこまかな構造をあきらかにする。とうぜん、JRやロジャースが色濃く持っている音のひろがりや雰囲気描写はやや後退する。パワーにはわりあい強い。台は50〜60センチと高め、背面は壁に近づける方がよい。455Eや7300Dの傾向の組合せの方がよかった。
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