サンスイのスピーカーシステムSP1005、SP2005の広告
(スイングジャーナル 1972年3月号掲載)
Category Archives: スピーカーシステム - Page 80
サンスイ SP-1005, SP-2005
BOSE 501, 901, ラックス LX77
Lo-D HS-350
ダイヤトーン DS-301
パイオニア CS-27, CS-E700
サンスイ SP-1005, SP-2005
オンキョー E-53A, U-4500
ビクター SX-3
アコースティックリサーチ AR-6
デンオン VS-450, VS-550
Lo-D HS-350, SR-600, PS-33
ダイヤトーン DS-301
オンキョー E-53A
岩崎千明
スイングジャーナル 2月号(1972年1月発行)
「SJ選定新製品」より
ステレオ商戦たけなわのこの暮近くになって、各社から数多くの製品が出たが、その中には魅力あふれるものも少なくない。
現在市場にあるブックシェルフ型をいくつか聞いて、これはと思ったうちの二つがオンキョー製品であったのには正直言っておどろきでありきすがと感じ入った。
オンキョーのスピーカーはユニットが抜群の優秀品ぞろいなのにも拘らず、それらを組み合わせたシステムとなると、だれにも推められるというのが皆無に近かったといってよい。逸品ぞろいといっても具体的にいうとHM500、HM300をはじめ、スーパー・トゥイーターなどのホーン・ユニットが多かった。71年になってダイアフラム型が加わったが、コーン型になると逸品といい得るのは僅かでFR12Aのような小口径のフルレンジであって、大口径の、つまりウーファーにはこれというものがないというところが本音だ。だからウーファーに重要度の高いブックシェルフ型は、私としてはオンキョー製品に指摘できなかったわけである。
ところが最近接したU4500、2ウェイといい、E53A、3ウェイといい、それはバランスのよさ、音の品の良さという点で今までのオンキョーのシステムの音に対する私のイメージをすっかり改めなければならなかったことを知った。
オンキョーは本来スピーカー・メーカーとしてスタートした大企業だから、こうしたスピーカー・システムが作られることは不思議ではない
しかし、テレビなどの準家電製品に追われて本格的ハイファイ・スピーカー作りから離れていた期間が少々長すぎた。ステレオの最盛期になってふんどしを締めなおして再スタートを切って以来、ユニットにさすがというのがあっても、システムはなにか押しつけがましいサウンドで品の良さという点で取残された未熟な部分を感じさせていた。力強く、迫力に満ちているが、それを手元におくにはためらってしまうというようなサウンドがオンキョーのシステムに対する私のイメージであったのだ。
ところがU4500を聞いて、この音の透明度が従来にくらべ格段と向上して感じられた。HM500をセクトラル・ホーンにマイナー・チェンジした中高音ホーンの良さはもちろんだが、中音から下にかけての品のすなおさはウーファーの改良が進んだために違いない。
少し時をおいて接したE53Aのサウンドはこの傾向をさらに引上げたうえ音に品の良さを加えたといえよう。これには中音、高音のドーム型という新方式のユニットが大きく力を加えたに違いない。オンキョー製品のドーム型の良さはすでに63Aでも知らされたがやはり低域から中域にかけての圧迫感が除ききれないで中音以上のサウンドのバランスの障害となっていたとみるべきだろう。
このブックシェルフ型の低音用として密閉箱を採用しているのは、オンキョーをはじめパイオニア、クライスラーなどがあり、そのはじまりはARだ。サウンドの質としてはチューンドダクトよりも力強く、アタックに対しては明確にバスレフ方式にまさる。
ところが、私が今までに聞いた、オンキョーのブックシェルフでは、この低音の力強さの方のみが強く印象づけられる。中高音とのバランス上、中高音をあえてどぎつい感じを聴き手に与えてしまうほどのエネルギー・バランスを保たせざるを得なかったのではあるまいか。だからウーファーの改良、質の改善が一躍システムのサウンド全体に大きく寄与して、すぐれたバランスの上に品の良い音造りを成功させるきっかけになったのであろう。
めんどうな文句をごちゃごちゃと並べたてたが、私はオンキョーのこのシステムの音創りの成功をスピーカー・メーカーとしての大きな前進として受取っている。いまやユニットだけでなく、システムにおいてオンキョーにさらに大きな一歩を踏み出させるに違いない。E53Aはこの具体的な成果として市場に永く残る傑作であるのだ。
ラックス LX77
BOSE 901
アルテック DIG
Lo-D HS-220T, HS-320, HS-350, HS-420, HS-500, HS-1400W, IA-600, IA-1000, SR-300, SR-600, PS-11, PS-33, PS-77
ソニー SS-7200, SS-7300, TA-1140, ST-5140, STR-6550, PS-2300, PS-2400, TC-6360A, TC-6400, SU-3400
ローテル RS-600, RX-150
サンスイ SP-30, SP-70, SP-150
ダイナコ A-25XS
オンキョー E-53A, U-4500
JBL L100 Century
岩崎千明
スイングジャーナル 1月号(1971年12月発行)
「SJ推選ベスト・バイ・ステレオ」より
ここで今さら、JBLセンチュリーのよさをうんぬんするまでもなく、すでにオーディオ誌やレコード雑誌において、多くの評論家諸氏の圧倒的な賛辞を一身にあつめたこのスピーカー・システムは、JBLの傑作である。
JBLのシステムを大別するとランサー・シリーズと呼ばれる系統の製品と、従来からのユニットを主力とした組合せシステムの2系統がある。
ランサー・シリーズは、いわゆるLEシリーズのユニットを中心として組み合わせたものをもってスタートしたが、ジム・ランシングという創始者の名をもじったランサーというこの名称からも分る通り、JBLの家庭用システムの主力を形成している。これに対して従来からの高能率型ユニットを組み合わせたシステムは業務用および高級マニア向けともいえよう。ランサー・シリーズによってJBLはメーカーの姿勢とその狙う需要層とを大きくかえたともいえる。
つまり業務用にも準じる超高級システムを少量生産するメーカーから、大きく基模を拡大して、家庭用音楽システムのメーカーと変革をとげたのであった。その尖兵として、いみじくも槍騎兵ランサーと名付けたシステムが登場したわけである。
このランサー・シリーズには、すでに傑作中の傑作といわれたランサー77を始め、ローコスト型44、さらに現在の米国の市場で驚異的な売行きをみせているランサー99があり、その最高ランクが例の101である。ランサー・シリーズの成功が、JBLをしてこの延長上の製品をつぎつぎと発売させるきっかけとなったのはいうまでもない。
このセンチュリーも、新時代のスピーカー・システムとして、指向性の一段の改善ということを加えた新型のランサー系のシステムである。センチュリーを含めランサー系のシステムのもっとも大きな特長は、このシリーズ独特ともいい得る、まるでそよ風を思わせる超低音の豊かな息づかいである。この超低音は、ブックシェルフ型といわれる寸法的な極端な制限を受ける現代の家庭用システムとしては、まったく信じられぬくらいの低域に達する低音限界レンジのためである。このfレンジは、さすがのARのオリジナル・システムさえもしのぐほどで、これがJBLランサー・シリーズの華麗なサウンドの大きな根底ともなっているわけだ。
もっともこの超低音とよくバランスする高音のすばらしい伸び、ずばぬけた指向特性は、豊かな低音エネルギーをよりひきたたせているし、さらにJBLの従来からの音楽に対する良識の現われともいうべき中音部の豊かさも失われることなく、ランサーの大きな魅力となっているのはいうまでもない。このように豊かな音響エネルギーに加えて広いfレンジとがJBLの現代的志向であるのは当然で、その成果のひとつの頂点として、ここにあげるセンチュリーの存在の意義とそれに対する賛辞の集中とがあるのである。
指向性の改善に登場したフォーム・ラバー・ネットは、このセンチュリーの外観的な最大の特長で、カラーがチョコレート、オレンジ、ライト・ブルーとあり、サウンドともどもその風格に現代性をガッチリと植えつけて、モダンなスタイルを作る。
最近、私はこのセンチュリーを愛用のエレクトロボイス社エアリーズと並べ、比較使用したがJBLセンチュリーの一段と解像力を上まわるのを知らされ豊かさにおいてひけをとらぬエアリーズより、現代的サウンドをJBLセンチュリーから感じとった。
このJBLシステムをより以上生かすのには、手元にあった8万円台の国産アンプが好適であった。それはラックス507Xでありトリオ7002で、これに準じた高出力のトランジスター・アンプが欲しい。ただ、案に相違して手元の管球アンプよりこれらの石のアンプが優れていたのが興味ぶかかった。























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