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QUAD ESL, 44, 405

QUADのスピーカーシステムESL、コントロールアンプ44、パワーアンプ405の広告(輸入元:シュリロトレーディング)
(スイングジャーナル 1980年7月号掲載)

QUADESL

ヤマハ FX-3

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 ヤマハFX3はベストセラーのNS1000Mに準ずるユニット構成の3ウェイ。36cm口径とウーファーは大きくなっているが、スコーカー、トゥイーターは同口径のベリリウム振動板をもつ。しかし全く同一のものではないらしい。かなり迫力ある表現力の豊かなシステムで、フロアー型としてのゆとりを聴かせる。

デンオン SC-307

井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのSC304以上のシステムは、デンマーク・ピアレス社と共同開発のユニットを採用した点が国内製品としてユニークな存在であり、国産ユニットとはひと味ちがったユニットのキャラクターを充分に引き出した独自のサウンドと完成度の高さはすでに定評が高いが、SC304/306につづき、今回SC307が第2世代の300シリーズの型番で発売された。
 ユニット構成は従来のSC107を受け継いだ3ウェイ・5スピーカーシステムだ。ウーファーは、25cmユニット×2のツイン駆動方式。軽量振動系で35cmウーファーに匹敵する振動面積をもち、
ユニット振幅が少なくリアリティが優れる特長をもつ。10cmスコーカーはフレーム一体構造のダイキャストバックチャンバー付で、裏面に制動材を塗布したノンプレスコーンとアルミボイスコイルボビン採用。トゥイーターは5cmコーン型のパラレル接続ツイン駆動だ。
 エンクロージュアは65・5ℓ密閉型。2種類のグラスウール、アルミ箔ラミネート型ブチルゴム制動、補強棧レス、ユニットは独自のサンドイッチ支持方式取付け。ネットワークは、コンデンサーは全て2個並列使用、種類はアルミ・プレーン箔電解、メタライズドフィルム型だ。
 本機はSC107に比較し、フラットな帯域感、素直な高域の伸び、粒立ちの細やかさなど完成度が格段に向上した。

ヤマハ NS-1000M

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 ヤマハNS1000Mは、まさに当社のスピーカーシステムを代表するプレスティッジ製品だ。3ユニット・3ウェイの大型ブックシェルフシステムで、プロのモニターとしても十分に責任を果すタフネスと、音の精緻さをもっている。プログラムソースの情報は正確に、緻密さと豊かさを、そして力強さを明確に再現するシステム。

KEF Model 105 SeriesII

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 KEF105IIは、ユニークな形状のリニアフェイズ・スピーカーで、ステレオフォニックな定位感や拡がり、奥行きといった、レコード録音の特質を忠実に再現する。高域にやや小骨っぽさがあるのが時として気になるが、バランス、質感ともに現代第一級のシステムといえる。

セレッション Ditton 662

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 セレッション・ディットン662は、シリーズ中、最大・最高価格の製品で、33cm口径ウーファーをベースにした3ウェイ・3ユニット構成となっている。ドロンコーン(ABR)は、同社のお家芸ともいえるものである。ややシャープさに欠けるが、柔らかく豊かな響きは、より明るさを増し、立派なシステムになっている。

オンキョー M90

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 オンキョーM90は、オンキョーの常として、同クラス中で最大のウーファー口径を採用している。32cmウーファーをベースとした3ウェイ。同社最新シリーズ共通のユニークなDDトゥイーターをもち、きわめて繊細でのびのある高音域が聴かれる。全帯域の音の質感の統一の点でもう一息だが、よくまとめられたシステム。

デンオン SC-306

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 デンオンSC306は3ウェイ・4ユニット構成のブックシェルフの本格派。ウーファーの口径は30cmで、4kHz以上を受け持つトゥイーターが2つ使われ歪とリニアリティの改善を計っている。全帯域にわたって音の質のコントロールがよく整い、癖のない自然な音色再現が得られる。小入力から大入力への直線性も優れ、音量の変化にともなう音色変化も少ない。

スペンドール BCIII

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 スペンドールBCIIIは、小味なBCIIのスケールアップ・モデルといえるものだが、30cm口径ウーファーをベースにした4ウェイシステムの再生音は、さすがにBCIIの、箱庭的よさもわるさも脱却している。しかし大型システムとしては、やはり力より端正な質感と深い情緒に特色がある。

ダイヤトーン DS-35BMKII

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 ダイヤトーンDS35B/IIは、このクラス(1本5万円〜10万円)として最も低価格といえる位置にあるが、その再生音は、このクラスを代表するといってよい充実したものだ。よく練り上げられたシステムといえるだろう。確度の高い明解な解像力をもち、よく弾む,豊かな低音に支えられた中、高域は明るく緻密である。周波数特性の広さは、よく最新のレコーディングのレンジをカバーする。

ハーベス Monitor HL

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 ハーベス・モニターHLは、英国のシステムしらい品のよさと格調の高い音が光る。この種の英国システムは多いが、中でもこの2ウェイシステムは、最も精緻な音の解像力を聴かせるようだ。スケールの大きな大音量再生には向かないが、レコード音楽の醍醐味を満たすには十分な再現能力をもつ。

テクニクス SB-8000

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 テクニクスSB8000は、4ウェイ・4ウェイ構成のフロアー型システムで、36cm口径のウーファーをベースとしたワイドレンジ、ハイリニアリティな高性能システムである。リニアフェイズ理論によりユニットをずらせて取付けられているが、たしかに4ユニットの再生にもかかわらず定位やプレゼンスはよい。

ソニー SS-G9

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 ソニーSS−G9は、38cm口径のウーファーをベースにした4ウェイ・4ユニット構成の大型フロアーシステム。堂々とした体躯にふさわしい豊かな表現力をもち、スケールと情報量の大きさは特筆に値する。4ウェイのバランスもよくとれていて、質的な連りにも不自然さがない。

セレッション Ditton 25

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 セレッション・ディットン25は、トールボーイ・スタイルのフロアー型システムで、このクラスの外国製の中では、かなりの大型といえる。ドロンコーン付で、4ユニットによる3ウェイ構成だが、セレッションらしい肉付きのある音だ。ウーファーの品位が高く、フロアー型にありがちな音源の低さがないし各ユニットの配置も近い。

Lo-D HS-90F

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 Lo-D・HS90Fは、メタルコーンに発泡樹脂を充てんして平面振動板とした、Lo-Dのオリジナリティ溢れる製品。ウーファーは30cm、スコーカーは5cm、トゥイーターは2cm口径の3ウェイ構成。大型ブックシェルフシステムとして、物理特性は最高水準を示すし音も耳なじみのいいもの。

BOSE 901 SeriesIV

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 ボーズ901IVは、アメリカのボーズ社のユニークなシステム。IV型になって著しく改善された音が印象的だ。11・5cm口径のフルレンジスピーカーを9個、それも正面は1個だけで、8個は背面につけられているという独特のものだが、付属のアクティヴイコライザーをうまく使い、壁から少し離して置くと抜群の成果が得られる。

アコースティックリサーチ AR-9

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 AR・AR9は、4ウェイ・5スピーカーのトールボーイ型で、ユニークなエンクロージュア構造をもったアコースティックサスペンション型。一時代前のAR3aに代表される音とはかなり趣きを異にし、より明るく軽く響くようになった。滑らかで力のある音の質感は広く音楽の性格に合う。

エレクトロボイス Interface:CII

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 エレクトロボイス・インターフェイスCIIは、アメリカのスピーカーらしい迫力ある音が魅力。名門エレクトロボイスのスピーカーらしい豊かな個性を持っている。25cm口径ウーファー、16cm口径スコーカー、ドーム・トゥイーターの3ウェイ。

ヴィソニック Explus 2

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 ヴィソニック・エクスパルス2は、25cm口径ウーファーとソフトドーム・スコーカー、トゥイーターの3ウェイ構成のフロアー型システム。いかにもドイツの製品らしいデザインと音が個性的で好ましいシステムだ。きちんとコントロールされた質感とバランスは、いかにもお行儀がよく少々遊びの雰囲気に欠ける音のたたずまいだが、毅然とした趣きを高く評価したい。

QUAD ESL

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 QUAD・ESLは、3ウェイ・5エレメントのエレクトロスタティック型システムで、繊細な趣きを主とする弦の合奏やチェンバロの音楽などでは、その流麗優美な音楽の特色がよく生きる。ユニークなデザインとともに長く市場に存在し続ける名器といってよかろう。

パイオニア S-955

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 パイオニアS955は、長い間練り上げたスピーカーで、リボン・トゥイーター、ドーム・スコーカーといった各タイプのちがう高級ユニットを巧みに組み合わせ調整した、3ウェイ大型ブックシェルフだ。最高級ブックシェルフの名にふさわしい高品位の再生音と余裕のある再現能力を持つ。

JBL 4311BWX

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 JBL4311BWXは、従来の4311Aのウーファーの磁気回路をアルニコからフェライトに変更、それにともなってSFG(対称磁界型)回路を採用したニューモデルである。30cmウーファー・ベースの3ウェイ・3ユニット構成で、オールコーンタイプのオーソドックスなもの。輪郭の鮮やかな毅然とした音の雰囲気。

JBL L150

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 JBL・L150は、JBLの新製品。79年暮の発売。3ウェイ・3ユニットでドロンコーン付のトールボーイタイプである。精緻な音像の再現能力はいかにもJBLらしい。小音量でもぼけず、大音量再生は、家庭ほどの部屋なら間近かの生演奏に匹敵するレベルまで安定して可能である。

パイオニア S-570

井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 S570は、パイオニアの新しいシステムラインナップとして登場したオール・デイ・コンポのネーミングをもつシリーズのスピーカーシステムとして開発された、26cmウーファー採用の3ウェイ製品である。なお、このシリーズはプリメインアンプA570/470、チューナーF570とS570の4機種が同時発売された。
 ウーファーは、コルゲーション入りのストレートコーンを発泡ウレタンロールエッジ、高耐熱ボイスコイルをセンターポール上部に銅キャップを装着した外径120mmフェライト磁石採用の磁気回路使用。10cmコーン型スコーカーは制動材塗布コルゲーションエッジ、銅クラッド・アルミ線エッジワイズボイスコイル使用で、ボイスコイル部分とコーンの接合精度を高くし、駆動速度を上げ伝達ロスを低くした設計だ。トゥイーターは後継25mmのユニークなボロン振動板採用のドーム型で、S180Aに採用されたものと同一ユニットだ。
 エンクロージュアはバスレフ型で、内容積45・5ℓ。外形寸法は高さ59cmの中型ブックシェルフで、ユニット配置は左右対称型、集中は位置でタテ、ヨコ位置での音像定位を両立させる設計である。
 本機は低音感が豊かにある低域をベースに3ウェイらしい中域の張り、シャープな高域がバランスした明るい音だが、高音レベルを少し上げたほうが魅力的だ。

スペンドール BCII

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 スペンドールBCIIは、英国製のブックシェルフタイプとして多くのファンを持っている。実に瑞々しい魅力的な音の世界を聴かせてくれるスピーカーで、ウーファーは20cm口径、それに3・8cm口径のドーム・トゥイーターと、さらに小口径のスーパートゥイーターを追加した3ウェイシステムである。繊細透明な品位の高い音だ。