サンスイのプリメインアンプAU999、チューナーTU999の広告
(ステレオ 1970年4月号掲載)
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サンスイ AU-999, TU-999
サンスイ SR-4050
サンスイ SR-2050
サンスイ SL-5, SL-7
サンスイ SP-2002
サンスイ SR-2020, SR-3030
サンスイ AU-555, AU-777D, TC-505
サンスイ CD-5
サンスイ CD-5
サンスイ SP-1001, AU-555, BA-60, BA-90, TC-505, TU-555, CD-5, SR-2020
サンスイ MC-50, SS-20
サンスイ SP-2002, AU-777D, CA-303, BA-90, TU-777, CD-3, SR-3030
サンスイ SP-2002
岩崎千明
スイングジャーナル 1月号(1969年12月発行)
「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より
山水がブックシェルフ・スピーカーSP100とSP200をひっさげて、国産スピーカーの戦列に加わってから3年の月日が経った。
技術的進歩、開発のテンポの著しく早いハイ・ファイ業界において、3年間という月日は、製品がほとんど入れ代ってしまうほどであるが、山水によってきっかけが作られたといってもよい、ブックシェルフ・スピーカーの分野では、特にそれがはっきりした形で現れ、再生音の傾向までが変ってしまった、といえるほどである。それは裏返えせば、それほどにまで山水のスピーカーが成功し、他に影響を与えたといえるのである。
単に音域を低い方に延ばすことにのみ技術を傾けた他社のスピーカー・システムは、山水のSPシリーズにくらべて低音感が重く、スッキリと豊かな山水のシステムとは対称的で、それがそのまま山水のシステムを空前といわれる成功をもたらし、それ以後の国産ブックシェルフ・スピーカーの音のパターンまでも方向づけてしまったといえよう。
国産のブックシェルフ・タイプ・システム全盛の今日を形作った、山水・SPシリーズも、3年の年月で他社の新製品に追上げられ、さらに新らしい技術を導入して製品の向上を企ることとなった。
そして誕生したのが、SP100を向上させたSP1001であり、さらに、SP200を向上させたSP2002である。
SP1001、SP2002とも低音のソフトな豊かさに一段のさえと張りつめたアタックの良さが加わった。さらに特筆すべきは、その中音域の充実ぶりである。
特にSP2002はその効果が、非常によい結果をもたらした。つまり全体の音色と音のバランスが、格段にグレードアップされた。それはまぎれもなくJBLのスピーカーと同じ路線上にある音である。
JBLの日本代理店でもある山水のスピーカーがJBLと似たとしてもこれは決して偶然ではあるまい。いや、それは山水でなくしては得られなかった結果といえないだろうか。
それは、ここに使われているユニットを観察しても判ることなのである。
まずさえたアタックの鮮明な低音を得るため低音用スピーカーはコーン紙が一段と改良され、低いf0と硬度が増したコーン紙を与えられている。さらに注目すべきはその中音用だ。一見SP200とよく似た中音用のコーンは、アルミ・ダイアフラムが、中心部に加えられている、しかもよくみるとこのダイアフラムは凸起が高く、従来のあらゆるスピーカーにくらべて深く成形されていることに気付こう。このような深いダイアフラムはJBLの最近の製品中、特に優秀性を認められているLE20トゥイーター(高音用)のダイアフラムだけである。この砲弾型に高く凸起したダイアフラムにより高音のエネルギーが歪なく一段と強くなり、指向性の著しい向上が図られているようである。このJBLの技術に山水の技術陣が見逃すわけがない。音楽再生上特に重要なこのダイアフラムをとり入れた、とみるべきであろう。その結果、特に歪の気になる中音の高域において従来より歪をおさえ鮮明度の高い中音を得ることができる重要なファクターとなっているのである
このアタックのすばらしい低域と、鮮明でタッチのシャープな中高音はそのままJBLの本来の良さと同じ傾向の再生音をつくり出したのである。そして、JBLのスピーカーと同じように、この優秀性はジャズにおいてもっとも効果を得ることができるのも確かな事実である。
サンスイ CD-5
サンスイ Multi Amplifier System
サンスイ AU-222, AU-555. AU-777D, BA-60, BA-90, TC-505, TU-555, TU-777, CD-5
サンスイ SP-1001, SP-2002
サンスイ SR-3030
サンスイ AU-777D
菅野沖彦
スイングジャーナル 12月号(1969年11月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
AU777Dは、従来のAU777を改良した新機種で、信頼度の高い、高いグレードをもったアンプである。AU777はベスト・セラーと呼ばれた製品で、サンスイのトランジスタ・アンプの評価を固めたアンプだが、このD型になって、一段と音楽的にもよくなった。試聴してみても、従来、やや気になった高音域のザラザラした荒さが大きく改良されていて、より滑らかにふっくらとした音を出すようになった。そして、中音域のバンド・パス・パターンをコントロールできるトリプル・トーン・コントロール方式の採用は、ルーム・アコースティックの調整に役立つのみならず、ジャズの再生にもっとも充実性を要求される中音域のコントロールに大きな威力を発確するものだ。一般に、迫力ある音にするというと、低音と高音を増強するような傾向がなきにしもあらずだがこれは本来正しくない。低高音を増強することは、中高域をやせさせることになり、決して迫力のある音にはならず、うるさい音になる。かといって、低、高音を落して中音域をクローズ・アップさせたのでは、切角のワイドレンジが泣く。この辺の微妙なコントロールは音づくりの妙味であるが、そう簡単にはいかないものだ。このトリプル・コントロールは中音域を1デシベル・ステップで、+−5db調整できるようになっているが、これが大変上手い特性曲線に設定されていて効果的であった。決して極端な増減ではないし、選択帯域を曲線が適切で、あらゆるレコードに、まともな効果をあげることができるのである。もちろん、併用スピーカーの特性を補うこともできるし嗜好に合わせるという使い方にもつながるものだろう。
例のブラック・パネルのメカニカルなデザインと、機能的なレイアウトはかつてのAU777をそのまま踏襲している。細かい特長を捨い上げてみると、接続カートリッジ間の入力回路が二つあるが、そのうち一つは、入力インピーダンスを30kΩ、50kΩ、1100kΩの三段に切換えることができる。これは、カートリッジの出力インピーダンスのマッチングをとるという目的だが、適確なインピーダンス整合を計るという考え方から発展して、インピーダンス・マッチングによって変化する音帯の相違をトライするというマニア意欲を満たすサンスイらしい配慮であると見た。入力回路は、この他、チュ−ナー、AUX、テープ・ライン、テープ・モニターなどと豊富であり、高級プリ・メイン・アンプとしての機能をよく備えている。また、入力感度3・5mVのマイク入力端子をもっていて、喫茶店などの使用には便利だが、これがピン・ジャック端子であることは考えもの。これは是非、マイク用として一般的なミニ・ジャックとすべきであろうし、できればフロント・バネルに出して欲しかった。出力回路としては、まず、プリ・アンプ出力が、かなりのハイ・レベルであることが、マルチ・アンプ・システム発展の時には大変便利である。そして、二系統のスピーカー出力端子が扱いやすいターミナルで出ている。フロント・パネルには、20dbのミューティング・スイッチ、ハイ、ロー・カット・フィルター、ボリューム・コントロールと同軸になったレバー式バランス・コントロールなどが整然と並んでいる。いかにもマニア好みのメカニカルな雰囲気ではあるが、素人には、馴れないと、あまり整然と並びすぎていて、かえって戸惑いを感じるようだ。特に、左右独立の六つのツマミからなるトリプル・トーン・コントロールとなったので、余計にぎやかな印象を与えるのであろう。
このアンプは、価格的には中級プリ・メイン・アンプであるが、サンスイの現役プリ・メイン・アンプを代表する製品で、その再生音の品位はかなり高い。定格30W+30Wの出力は、現行商品の中では決して大パワーではないが、ジャズの再生に向く能率のよいスピーカーには十分な出力である。試聴に使ったアルテックのA7が堂々たる迫力を再現してくれたし、ブックシェルフ・タイプの数種のスピーカー・システムでも、特に不満は感じられなかった。従来のタイプの発展型だけに特に目新しさこそないが、それだけよく練られた、信頼度の高い製品だと思う。
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