ビクターのスピーカーシステムZero7、Zero5の広告
(モダン・ジャズ読本 ’80掲載)
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ビクター Zero-7, Zero-5
ビクター A-X9
瀬川冬樹
ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
「JBL♯4343研究(2)」より
ここで価格ランクが一段変わる。このビクターと後のラックスが15万円クラスの代表ということになる。
A−X9は新しい回路構成を採用し、外観のデザインも一新したビクター久々のニューラインの最高機種だ。このアンプは、わたくしのリスニングルームでの試聴では、かなり個性的な音を聴かせた。もちろんいままでに聴いたマランツ、アキュフェーズ、トリオ、それぞれに個性を持っているのだが、その中にまぜても、ビクターは一種独得な音だと思わせる個性をもっている。具体的には、同じレコードでも音の表情、あるいは身振りをやや大きく表現する。別な一面として、鳴ってくる音に一種独得な附帯音──この表現はとても微妙でうまく言い表せないのだが──というか、プラス・アルファがついてくる印象がある。「魔法使いの弟子」で、フォルティシモの後一瞬静かになってピアニシモでコントラファゴットが鳴り始める部分、このレコード自体にホールトーンあるいはエコーが少し録音されているのだが、そのエコー成分が他のアンプよりはっきりと意識させられる。このアンプには、エコーのような、楽音に対するかくれた音を際立たせる特徴があるのかもしれない。「ザ・ダイアログ」でも、シンバル、スネアー、ベース……多彩な音が鳴った時、それらがリアルに目の前で演奏されているというより、少し遠のいた響きのあるステージで演奏されているかのように再現される。ことばにするとオーバーなようだが、これは他のアンプでもいえることで、本当に微妙なニュアンスの問題だが、それにしてもわたくしには、独得な雰囲気感がつけ加わっている不思議な音、と受けとれた。あるいはこういう音は、極端にデッドなリスニングルームで聴くと、評価が高くなるのかもしれない。
ビクター S-W300
菅野沖彦
ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’79ベストバイ・コンポーネント」より
30cmウーファーと38cmドロンコーンを使ったスーパーウーファーで、別売のアクティブフィルターとの併用により豊かな超低域再生が可能なものだ。
ビクター SX-3III
菅野沖彦
ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’79ベストバイ・コンポーネント」より
トゥイーターはソフトドームを使った、ブックシェルフ型の代表といっていいロングライフのものだけあって、リニアリティもよく、本格的な再生にも小音量で鳴らすにもいいスピーカーだ。音のタッチに明確な実感がある。
ビクター S-05
菅野沖彦
ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’79ベストバイ・コンポーネント」より
リボン型トゥイーターを採用した3ウェイシステムだが、SX7IIに共通する透明度の高い音が魅力。品位が高く表現力の大きなスピーカーだ。
ビクター SX-7II
菅野沖彦
ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’79ベストバイ・コンポーネント」より
本格的ブックシェルフの代表的構成をもち、透明度が高く素晴らしい奥行き感、ステレオ感を再生してくれる。
ビクター T-X5
井上卓也
ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
基本的にはA−X5のペアとして開発されたFM/AMチューナーである。FM多局化に備えて高感度、高妨害排除型の設計で、狙った電波を追いかけ正確な同調点が確保できる独自のPTL検波回路、アンテナ入力が一定レベルより低くなると自動的にノイズを抑えるクワイティングスロープコントロール回路などを備える。
ビクター A-X5
井上卓也
ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
ビクターからは、先きにBクラス動作に匹敵する高い電力効率とAクラス動作と同等のリニアリティをあわせもつパワー段と、半導体のもつ非直線性を改善した低歪率ドライバー段を組み合わせた、新開発のスーパーAサーキットを採用したステレオパワーアンプM7050が発売され注目を浴びているが、今回この新回路をプリメインアンプに導入した2機種の製品が新発売された。
A−X5は、同系のデザインで100W+100WのパフォーマンスをもつA−X9のシリーズ製品として開発されたモデルであるが、70W+70Wのパワーをもちながら価格は1/2以下で、非常に高いコストパフォーマンスをもつことに特長がある。
A−X9とA−X5は、パネル下側のヒンジ付パネルを閉めた状態では外観上ほとんど区別がつけがたいが、タテ長のバー型プッシュボタンスイッチの延長線上に溝が付き立体的なデザインをもつのがA−X9。これがないものがA−X5で両者を区別することができる。
回路的なブロックダイヤグラムは、MC型カートリッジ用ヘッドアンプなしにダイレクトにMC型がゲイン切替で使用可能なハイゲインDCサーボイコライザーアンプとハイゲイン・スーパーA/DCパワーアンプの2段で構成するシンプルなもので最近ではプリメインアンプのひとつの動向となっているタイプである。したがって、TUNER、AUX、TAPEなどのハイレベル入力はパワーアンプに直接入力が加わるためSP・OUTまではカップリングコンデンサーがまったくない1アンプ構成の完全DCアンプになる。
電源部は独立2電源・ダイレクトパワーサプライ方式と名付けられたタイプで、電源トランスの2次側を電圧増幅段用と電力増幅段用に分離して使い、各回路と直結させ広帯域にわたり電源インピーダンスを下げようとするものだ。
機能は回路構成がシンプルであることにくらべて多機能型で、カンガルーポケット内側にイコライザー段サブソニックフィルター、TAPE−2用の入出力端子などを備えているのが特長である。
A−X5は聴感上で十分にレスポンスが伸びきったワイドレンジ感と粒立ちが細やかで滑らかな音をもっている。エネルギーバランス的にはやや中域が薄いが、音色は明るく軽いタイプで、歪感が少ないためステレオフォニックな音場空間が奥深く拡がるのが特長である。
ビクター Zero-5
井上卓也
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
新発売のZERO5は、型番からもわかるように、ビクター最初のトゥイータ一にリボン型ユニットを採用したユニークな製品であり、完全密閉型シリーズと将来は2本の柱となるべき新シリーズの誕生である。
ウーファーは、30cm口径の新開発アルファーコーンを採用したバスレフ用の設計であり、広帯域を受け持つスコーカーは、フェノリックコーンと金属ドームの複合型構造を採用したメカニカル2ウェイ的動作をする10cmコーン型である。トゥイーターは、ダイナフラット方式という高分子化合物薄膜上にボイスコイルを取り付けた、マッチングトランス不要のリボン型で、ダイアフラム前面には左右方向に広がるショートホーンが組み合わせてある。ネットワークは、モニター用システムS3000での成果を導入した低歪率設計であり、エンクロージュアは、リアルウッド使用でオイルフィニッシュされたバスレフ型である。
ZERO5は、活気のある低音をベースにソリッドで引き締まった中高域と、独特のステレオフォニックな空間の拡がりを聴かせる高域が巧みにバランスを保ち、SXシリーズとは異なった爽やかな音をもつ。
ビクター A-M1H, T-M1H
井上卓也
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
今年の話題のひとつに、超小型サイズのコンポーネントが各社から競って発売されたことがあげられるが、ビクターでは既に昭和41年に超小型のマイクロ・アンプ、チューナー♯103シリーズを商品化し、その後も♯200シリーズの一段と高級なセパレート型アンプを発売して数多くの愛用者を獲得した実績がある。
今回発売されたマイクロコンポーネントは、従来の経験を活かし現代的にアレンジした高次元の高密度設計によるものである。アンプはセパレート型ではなくプリメイン構成としサブ操作系をヒンジ付サブパネル内部に収納し、メイン操作系は全てフェザータッチのプッシュボタンとしたユニークなパネルフェイスをもち、なお、シルバー仕上げの横型デザインとブラック仕上げの縦型デザインの2種類を用意し、あらゆる使用条件にも適合できるように企画されている点が特長である。
プリメインアンプA−M1Hは横型タイプで、フロントパネルには5段切替の音量調整、入力切替、テープスイッチとパワースイッチがあり、サブパネル内部に一般型の音量調整、トーンコントロール、バランス調整、ラウドネス、SP切替とヘッドフォンジャックがある。回路構成は、ICLイコライザー段とトーンコントロール付ICL・DCパワーアンプの2ブロックで出力は50W+50W、電源部はDクラスのスイッチング型である。
FMチューナーT−M1Hは、マニュアル同調と5局のプリセット選局、さらにデジタル時計付である。角型の表示窓内部には、信号強度を5段表示、ステレオ表示受信周波数と時間を表示するディスプレイがある。構成は水晶発振器を基準入力とするPLLシンセサイザー方式のフロントエンドと入力追尾方式PTL検波方式を採用し、MPX部以降はDCアンプ構成。本機の特長は、停電時にも内蔵の電池がプリセット受信周波数、時間をメモリーバックアップし、さらにメモリーバックアップ用電源アダプター端子をもつことだ。
ビクター TT-101+UA-7045+CL-P1D
黒田恭一
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か プレーヤーシステムによって同じカートリッジの音がどのように変わったか」より
●オルトフォンMC20で聴く
このカートリッジは、このプレーヤーシステムに、あまりあっていないかもしれない。音像はふくれぎみで、そのために鮮明さという点で、多少ものたりなさを感じなくもないからだ。
●デンオンDL103Sで聴く
このプレーヤーシステムの明るい性格と、このカートリッジの冷静なキャラクターがうまくマッチしたというべきだろう。あいまいにならず、くっきりしたひびきをきかせる。ひびきのゆたかさへの反応もいい。
●シュアーV15/IVで聴く
いきいきとしたひびきが魅力だ。音像は幾分大きめだし、ピッチカートのひびきなどもふくれがちだが、ひびきが陽性のためか、さして気にならない。たっぷりしたひびきだが、ひびきの輪郭はあいまいにならない。
ビクター QL-A7
黒田恭一
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か プレーヤーシステムによって同じカートリッジの音がどのように変わったか」より
●オルトフォンMC20で聴く
このカートリッジのよさをあきらかにしている。なめらかで、いきいきとしている。総じて、ひびきは、シュアーV15タイプIVのときより、積極的に前にはりだしてくる傾向がある。
●デンオンDL103Sで聴く
音像はきりっとひきしまっている。誇張感はない。たとえば声などは、もう少ししなやかでもいいと思うが、徒らにふくらまず、すっきりしているのはいい。ひびきの明るさもこのましい。
●シュアーV15/IVで聴く
音像が小さく、すっきりひろびろとした音場感は、特徴的で、このましい。ひびきのこくとか、つや、それに厚みといったことでは、もう一歩だが、独特のさわやかさがあっていい。
ビクター SX-7II
井上卓也
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
昭和47年にはじまったSX3以来のビクターのSXシリーズは、完全密閉型のエンクロージュア形式を採用した、いわゆるアコースティック・サスペンション方式と中域以上のユニットにソフトドーム型を採用した典型的なブックシェルフ型システムである点に大きな特徴がある。最近では、ブックシェルフ型のエンクロージュアにバスレフ型を使用するタイプが増加し、ブックシェルフ型は完全密閉型のエンクロージュア形式が主流であるとした時期は、すでに過ぎた感がある。しかし、アンプ関係の性能が急激に向上し、一方、プログラムソース側のディスクでもダイレクトカッティング、PCM録音などに代表されるグレイドアップがおこなわれていることを背景にして考えると、本来のスペースファクターが優れたメリットをもつ高級ブックシェルフ型、それも現在にいたるブックシェルフ型全盛期に得た技術、ノウハウ、新素材を投入した新しい時代の製品の登場は期待されていたものと考えられる。
今回発売されたスX7IIは、SXシリーズトップモデルとして定評が高く、すでに約4年半のロングセラーを続けてきたSX7の設計思想を受継ぎながら、内容的には完全にユニット単体からネットワーク、エンクロージュアのユニット配置にいたるすべてを一新した新製品だ。
SX7とくらべると、30cmウーファーは、フレームのダイキャスト化、マグネットの強化、ボイスコイル径の大型化、ダンパー材質の変更がある。ドーム型スコーカーでは、フレームのダイキャスト化、ボイスコイルに純アルミ・エッジワイズ巻とボビンをアルミ材に変更、バックチェンバーの容積の増大などがあり、トゥイーターもフレームのダイキャスト化、ボイスコイルの軽量化と磁気回路のギャップを狭くしての磁束密度の増加などがある。
ネットワーク関係では、トゥイーターのローカット、スコーカーのハイカットとローカットにエポキシ樹脂で固めた空芯コイル、スピーカーユニットと直列に入るコンデンサーに3種類のメタライズドマイラー型の使い分け、配線材に無酸素銅の使用などがあげられる。
エンクロージュア関係では、ユニットの配置を左右対称型とするとともに、相対的位置の変更、バッフルボードとリアボード材質をダグラスファー合板からダグラスファー・ランバーコア材への変更がある。
30cmコニカルドーム付ウーファー、7・5cmソフトドーム型スコーカー、3cmソフトドーム型トゥイーターのクロスオーバー周波数は、450Hz、4kHzで、インピーダンスは4Ωである。
SX7IIは、スムーズに伸びた周波数帯域をもち、音色が明るく、かなりダイナミックな音を聴かせる。ソフトドーム型は立上がりのシャープさに問題があることが多いが、十分に見事な印象であり、音場感もスッキリと拡がり定位も明瞭だ。
ビクター TT-101 + UA-7045 + CL-P1D
黒田恭一
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か クォーツロック・DDターンテーブル18機種をテストする」より
なかなか積極的だ。奥の方でひっそりとひびかせるというより、前の方に押しだして、そこで明るくひびかせようとする傾向がある。力の提示にも不足していない。ひびきそのものはあたたかい。決して寒色系ではない。したがって、あたたかい、あるいはまろやかなひびきを持ち味とするカートリッジと組みあわされたときには、そっちの方向に走りすぎて、音像を肥大させかねない。
こう書いてくると、いかにもくせの強いプレーヤーシステムのように思われかねないが、そうではない。むしろ、積極的にカートリッジのキャラクターをいかすタイプのプレーヤーシステムというべきで、ただ、場合によっては、スギタルハオヨバザルガゴトシになることもないということだ。
積極的だということは、力強いひびきへの反応にもすぐれているということで、それは、このプレーヤーシステムのきかせる音がしっかりした土台の上になりたっているからと考えることができるだろう。ひびきが幾分肥大しても、ひびきの輪郭があいまいにならないというのは、いいことだ。
ビクター IK-380
井上卓也
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
大型バスレフ・エンクロージュアに強力型の38cmウーファーを組込んだシステムで、スーパーウーファー方式と一般的なマルチウェイ方式のウーファーの両方に使用する目的で開発された製品である。
ビクターから指示されたスーパーウーファーの使用法は、チャンネルデバイダーCF7070の90Hzのクロスオーバー周波数でメインシステムと分割し、さらにグラフィックイコライザーSE7070の25Hz、45Hz、50HzをMAX,他をすべてMINとしてパワーアンプを通して、IK380をドライブするというものだ。この例に従って使用したIK380は、音色が比較的軽く、明るい低音が得られ、同社のS300クラスに好適のスーパーウーファーシステムと思われる。
ビクター QL-A7
黒田恭一
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か クォーツロック・DDターンテーブル18機種をテストする」より
とりわけデンオンDL103Sでの結果がいい。そこでこのプレーヤーシステムのたしかさがあきらかになったと考えることができそうだ。すっきりとしたひびきで、ききてに、細部への見通しを可能にする。オルトフォンMC20というカートリッジには、むろんすばらしいところは多々あるが、プレーヤーシステムによっては、その美点より欠点をあきらかにしてしまい、音像を大きくし、低域のひびきを過度にふくれさせてしまいかねないのだが、ここでは、そういうことがない。たしかに、ほかのふたつのカートリッジに較べて、音像は大きくなりがちだが、むしろこのカートリッジの美点の方が、勝っている。
音のおさえがいいというか、あいまいにならないというか、つまり、性格としては、積極的だが、はりだしすぎたりしないところに、このプレーヤーシステムのよさがある。さらに望めば、定位のエネルギー感の提示といった点で、いま一歩と思わなくもないが、きこえ方のバランスがいいので、すくわれている。なかなか魅力的なプレーヤーシステムというべきだろう。
ビクター MC-T100
井上卓也
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
インピーダンス30ΩのMC型専用ステップアップトランスである。トランス一次巻線は性能向上のためにタップのない専用設計で、磁気歪を低減する純アルミ製ケースの内部には、2個のトランスを左右独立してフローティングし、配線も左右分離し、機械的振動による混変調歪、クロストークを減らす構造が採用してある。付属のPASSスイッチは、可動片、固定片ともに銅接点を使用し特性変化とロスが少ない。ケース内部の配線材は、音質チェックで好結果が得られた無メッキ銅線、出力コードはトランス側は固定され、先端のプラグ、本体の入力ジャックは金メッキだ。
ビクター MC-2E
井上卓也
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
最近注目を集めているMC型カートリッジのなかでも、発現のメカニズムが大変ユニークな製品として高い評価を得ているMC1に続く、ビクター第2弾のMC型カートリッジの新モデルである。
発電方式は、タテ型の磁気回路を採用し、カンチレバー先端のスタイラスに近接した位置に取付けられたマイクロコイルを使って発電するビクター独自のダイレクトカップル方式で、MC1で開発されたものだ。
マイクロコイルは、IC製造技術を応用し、ウエハー(基板)上に蒸着された導体をフォトエッチングしコイル状としたもので、重量も200μgと巻線型コイルにくらべ数十分の一以下と超軽量であり、かつ空芯コイルであるため磁気歪とは関係がなくなる利点をもつ。この超軽量コイルの開発で、カンチレバー先端部にコイルを置くダイレクトカップル方式の採用が可能となったわけだ。この方式は、針先とコイルが近接しているため一体で振動し、特性がフラットで位相遅れが少なく、コイルが針先に近いため、カンチレバー、ダンパーの温度変化の影響が少なく安定した性能が得られる特長がある。
磁気回路には、サマリュウムコバルト磁石と鉄・コバルト合金のパーメンジュールを使用し、高磁束密度を得ている。
MC2Eは、周波数帯域を10〜25、000Hzに設定してあるため、針先は特殊ダ円針となっている。出力は0・2mV、針圧は1・5g。
ビクター P-3030
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
超薄型パネルにフル機能を装備し、活気ある音を聴かせる野心作。
ビクター TT-101
瀬川冬樹
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
音質の良いDDモーターの一つ。ゴムシートに埃のつきやすいのが難。
ビクター EQ-7070
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
独特のシャープで解像力の優れた魅力をもつ現代アンプの代表作。
ビクター JM-S7
菅野沖彦
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
ウォームで力強い立体的音響は自然なタッチの音を再現。
ビクター JA-S77
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
同じ兄弟としてつくられているが、S55の流石に上級らしさがある。
ビクター JA-S55
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
柔らかく豊かなサウンドに感じられる活気は、やはり血統である。
ビクター JA-S77
菅野沖彦
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
肌ざわりのいい質感が優れた特性に裏づけられた使いごたえのある製品。
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