Category Archives: アナログプレーヤー関係 - Page 70

マイクロ MR-211, MC-4100, VF-3100, M-2100, MA-77MK-II/SR, MB-400S

マイクロのアナログプレーヤーMR211、カートリッジMC4100、VF3100、M2100、トーンアームMA77MK-II/SR、ターンテーブルMB400Sの広告
(スイングジャーナル 1970年8月号掲載)

Micro

パイオニア PL-12

菅野沖彦

スイングジャーナル 8月号(1970年7月発行)
「SJ選定新製品」より

 コンポーネント・システムがますます流行しそうだ。一つにはメーカー側の商策の成果だが、それが実を結ぷ土壌があったことも見逃せない。音楽を聴くということはきわめて個人的なもので、音楽に関する限り人は全く個性的になるべきだ。特にジャズはそうだ。こう聴くべきだ、こうあるべきだといった画一的なパターンは通用しない。そういう気質からいってもコンポーネント・システムを自分流に組み上げるというのは楽しいはずだ。とはいえ全く知識がなければ暗闇の手さぐりということになり、個性の表出もあったものではなかろう。また、べらぼうに高価格でも手が出ない。そこで、今月の選定新製品パイオニアのプレーヤー・システムPL12の場合を中心に、プレーヤーについての注意事項をも含めて書くことにしよう。
 プレーヤー・システムというのはレコードから音の信号をとり出す装置で、再生装置の入口として大変重要な部分である。ここに欠点があれば、あとはいくら高級なアンプや、スピーカーを使っても、その真価が発揮されないわけだ。従って、持論としては、全体の予算配分のバランスを少々くずしてもプレーヤーは良いものをという考えをもっている。もし15万円の予算なら常識的なバランスとしては市販パーツの現状での価格分布からいって、スピーカーに6万、アンプに5万、プレーヤーに4万という大ざっばな配分で考えればまとまる。この場合はレコードの再生装置ということだけを考えた場合だから、アンプはチューナーなしのプリ・メイン・タイプである。この方法をもってすれば、かなり性能のいいプレーヤーが買えることになるが、全体予算を10万にしぼった場合は、この配分でいくとプレーヤーには2万6千円、もし8万にしぼれば約2万円しかかけられないことになり、市販のコンポーネント・システムの中から独立型プレーヤーとして優秀なものをさがすのが難しくなってくる。そこで、10万以下の予算では、スピーカーやアンプを多少おさえてもプレーヤーに3万ぐらいかけるというのが好結果を生んだわけだ。しかし、その考え方を否定するのが、このPL12の登場である。
 PL12の正価は21、500円だから、市販プレーヤー・システムとして最低価格である。同じパイオニアのPL11というのが2万円をわずかに切っていたが性能はこのPL12でぐんとグレード・アップしたことが重要なポイントである。つまり予算8〜10万では、配分をくずしてプレーヤーに3万以上かけなければならないといった実情を過去のものにするほど、このシステムの性能は高いのである。全体予算を8万にしぼっても常識的な予算配分の2万円に入り、しかも性能的には3万円台のものに匹敵するわけである。
 使用モーターは4極シンクロナス、駆動方式はベルト・ドライヴ、ターンテーブルは30cmのダイカスト。シンプルな構造のスタティック・バランス式ユニバーサル・トーン・アームがつきこれは油圧式のリフタ一つき。上下方向共に適度なダンプがきき大変スムースに動作する。合理的なシンプルな構連と生産性によってコスト・タウンが計られているのだろうが附属のPC11カートリッジもとりあえずはかなり使えるし、後日もっと性能のよいものにつけ変えも自由で、そ場合にアームやモーターの性能も充分使える。
 ターンテーブルにメカニカルな振動が伝わらないこと、ワウ・フラッターという回転ムラのないこと、十分回転力が得られること、連続運転に安定していること、トーン・アームの動きが鋭敏でカートリッジのトレースを防げないこと、扱いが容易で故障の少いと、仕上げが美しいこと、などといったターンテーブルに要求される、いろいろな角度からみて、この製品の示すパーフォーマンスは低価格製品とは患えぬものだ。もちろん、外観上からも高価格製品のような貫禄はないし、附属カートリッジにもう少し品位の高いものといった欲は感じるが、実質的価値は価格と対象してみてきわめて高いことが認められたのである。
 このプレーヤーの登場で、限られた予算でのコンポーネントの組合せのバリエーションが、かなり大巾に拡大されたといってよかろう。手軽にちょっとしたプロ・イメージの再生装置が構成できるわけだ。

グレース F-8C, F-8L, F-21, G-545, G-565, G-540L, G-560L, G-840, フィリップス GP412

グレースのカートリッジF8C、F8L、F21、トーンアームG545、G565、G540L、G560L、G840、フィリップスのカートリッジGP412の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

grace

シャープ GS-5711, RP-41

シャープのシステムコンポーネントGS5711、アナログプレーヤーRP41の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

Sharp

ビクター BLA-405, GB-1B, MCA-105, MCP-105, MCM-105, MCT-105, SRP-B30b, MTR-10M, LCU-5

ビクターのスピーカーシステムBLA405、GB1B、プリメインアンプMCA105、コントロールアンプMCP105、パワーアンプMCM105、チューナーMCT105、アナログプレーヤーSRP-B30b、オープンリールデッキMTR10M、ラックLCU5の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

Victor

ナガオカ NR-1

ナガオカのカートリッジNR1の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

Nagaoka

トリオ KL-4060, KA-2600, KT-3000, PC-250

トリオのスピーカーシステムKL4060、プリメインアンプKA2600、チューナーKT3000、アナログプレーヤーPC250の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

Trio

グレース G-840

岩崎千明

スイングジャーナル 7月号(1970年6月発行)
「SJ選定《新製品》試聴記」より

 グレースが久しぶりに新型アームを発表した。G840という。
 現在のグレースのアームG545シリーズにとって代る主力製品たる期待をになって登場した新製品である。従来のG545シリーズは、540シリーズのマイナー・チェンジということで、そのスタイルに540シリーズのイメージを深く残し、ジンバル機構、バランスウェイトなどの各部に共通の部分が見られた。「新製品という形でなく、現在の製品を常に改善し性能向上を図るのがうちの姿勢です。だから同じ製品でも一年前のとくらべれば部分的に改善されており現在の製品は格段と良くなっているはず」というのがグレース主脳陣のいつもの言だ。それがカートリッジでははっきりと音質の違い、トレース能力の向上などという形で現れており、アームについても地味ながら眼に見えない部分に改良がなされてきた。例えば部分的な量産性の向上を図って製品全体のバラツキを減らすとか工程の簡略化により精密度をより改善して製品の精度の向上するとか。これらはどこのメーカーでもやっていることではあるがグレースの場合、特に新製品の開発の技術力をふり向けてまでその点に重点を置いてきたといえよう。
 それがグレースという老舗らしい手堅い行さ方である。日進月歩の速度の早いオーディオ界において高級マニアに古くから信頼されてきたコツであり同社の他のメーカーとは違う長大の点ともいえるのであろう。
 とはいえ同分野のメーカーの数は多くその規模にしても新進といえども業界きっての古参、ダレひとりと肩を並べあるいは追越す規模の同業メーカーも一二を下らない。それら各社の製品が毎月のように新製品捕を賑わしている状況下では、新製品に対して消極的なグレースといえども、新型を出して対向せぎるを得なかったという見方もできるのである
 そこで、この新型であるが今までの545シリーズを一段とグレードアップしたという点ではまったく系列の異なる新製品ということはできない。従来のグレースの姿勢がはっきりとうかがい得る新製品である。とはいえ同じ機構を踏習しながらも、そのイメージとしては全く一新し微精度的メカニズムを感じさせる軽快で繊細なデザインだ。
 同じシンバル機構つまりジャイロによる水平垂直回転機構をさらに小型化することにより一歩前進させ精度と感度を向上したという。
 さらにそのアームは従来より一段と細いパイプアームに変えて、現在の市販製品中でも好辞を伝えられFR24、UA3などと同じ軽量級アームとしてのイメージアップに努めている。
 ただ、このグレースの新製品が、このような一段と軽量級アームに向いつつあるのが現在の時点であるということがひとつの問題点でもありグレースのグレースらしいやり方でもあり、それがこのアームの市場性の得失にもつながっていることを見逃すわけにはいかない。
 今日、高級アームの大きな問題点として、軽量化に対するひとつの批評がクローズアップされつつあるということをここで改めて思い起していただきたい。アームの軽量化が音質の上で、低音の迫力、量感の不足の一因として指摘されて久しい。これが軽針圧、軽量級アームの著しい普及によって一段といわれているのである。
 しかし、この批評にもかかわらず依然として軽量級アームがもてはやされているのは針圧の軽減化がレコードの消耗を防ぐ最大の効果となっているからであり、その点では音質の悪影響も見逃されているという事実。そして、これを再確認するところから保守的なメーカー、グレースがあえて軽量化への道を選んだのであろうという見方もできる。ただはっきりといえることは今までももっとも使い勝手がよくまた荒い操作にも耐え得る点を買われていたグレースのアームの軽量化という点だ。おそらくアフターサービスの点でもっとも良心的なメーカーのひとつとしてグレースのアームば軽量アームの中でも一番丈夫であるに違いない。
 シェルの強度とデザインの点で難点はあるとはいえこのグレースの軽量アームが今後市場で好評となることはほぼ間違いはなかろう。
 私の目前でゲイリー・ピーコックの日本録音の大娠幅も 0・59gという軽針圧でまったく難なくトレースをしてしまうアームは国産品、輸入品を問わず、このグレースの新製品G840シリーズを除いて、その例を私は多くは知らない。

パイオニア PL-A20, PL-A30

パイオニアのアナログプレーヤーPL-A20、PL-A30の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

PL-A30

マイクロ MR-211

マイクロのアナログプレーヤーMR211の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

MR211

マイクロ MB-600, MC-4100, VF-3100, M-2100, MA-77MK-II

マイクロのターンテーブルMB600、カートリッジMC4100、VF3100、M2100、トーンMA77MK-IIの広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

MB600

オーディオテクニカ AT-VM35

オーディオテクニカのカートリッジAT-VM35の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

VM35

シュアー M75E Type2

シュアーのカートリッジM75E Type2の広告(輸入元:バルコム)
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

SHURE-UHER

サンスイ SR-1050, SR-2050

サンスイのアナログプレーヤーSR1050、SR2050の広告
(スイングジャーナル 1970年7月号掲載)

SR2050

オーディオテクニカ AT-35, AT-VM3, AT-VM8, AT-21, AT-3, AT-3M, AT-1001, AT-1005, AT-1007, AT-1500, AT-6001, AT-6601

オーディオテクニカのカートリッジAT35、AT-VM3、AT-VM8、AT21、AT3、AT3M、トーンアームAT1001、AT1005、AT1007、AT1500、レコードクリーナーAT6001、テストレコードAT6601の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

AT35

パイオニア PL-12

パイオニアのアナログプレーヤーPL12の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

PL12

シュアー M44-7

シュアーのカートリッジM44-7の広告(輸入元:バルコム)
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

Shure

グレース F-8C, G-840

グレースのカートリッジF8C、トーンアームG840の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

Grace

シュアー V15 TypeIII

菅野沖彦

スイングジャーナル 6月号(1970年5月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 シュアーが久しぶりにV15を改良した。タイプIIIという名称からして、これが同社の最高級カートリッジのV15の三度日の改良製品であることがわかるだろう。V15のタイプIIは途中で、NEW TYPEIIというのが出たが、これは、そうした改良型というよりも、振動系から、モールディングの型に至るまですべてをV15IIをベースにしながらも、まったく新しく設計した製品である。V15IIがトラッカビリティというシュア一社の標語と共に登場し、その思想が示すように、レコード溝の完全なトレース能力を追求することが、カートリッジのすぺての特性を追求することにつながるということが認識されてからずい分の年月がたった。事実、V15IIは、あらゆるカートリッジの中で、もっとも安定したトレースを示し、広く標準カートリッジとして使われた実績は今さらいうまでもないことだ。あのカートリッジが出た時、私も、私の仲間たちも、もうカートリッジも終局に近いところへ釆たという観をもったもので、それまでビリついたレコードもV15IIでなんなくトレースし、安心してレコードが聞けるという恩恵に感謝したものだった。勿論、その後、高域の音色に癖があるとか、肉づきと陰影がものたりないとかいった感覚的な不満がいろいろいわれだしたことも事実で、V15IIのあまりにもポピュラーになった名声に対するねたみと共に、V15II批判がにぎやかになったことも事実である。しかしながら、私個人の考えでは、そうした声は、半分はマニア特有の特権意識から出た、俺は皆がさわぐV15などには満足しないというキザな発言とカートリッジがもつ個性の感覚評価からくる、俺はオルトフォンの音が好きだ、あるいは、EMTの音こそ音楽的だ……という嗜好的意見であると思う。カートリッジの技術水準と、実際に多くの製品を理解していれば、V15IIを、あの時点で批判する勇気も自信も、私にはなかった。この数年間、私があらゆるチャンスに最も多く使ったカートリッジはV15IIであったし、そのほとんどの場合にV15IIは満足のいく音を聞かせてくれたものだ。勿論、たまには、V15とちがう音のカートリッジにも魅力を感じたし、このレコード(音楽)には、このカートリッジのほうがいい……という実感を他のカートリッジで味わったことも再三あったけれど、安定したプレイ・バックという基本条件をV15IIほど満してくれる製品には出会わなかったのである。そのV15IIが、今度IIIとして新登場したのだから、これは私にとって近来にない期待に満ちた試用であった。初めてV15IIIをシェルにつけ、針圧も調整して、私の録音したレコード上に針を下す瞬間の胸のときめきは、ちょっと言葉では表現できないものだった。結果は、期待が裏切られることはなかったが、期待以上の感激もなかったというのが正直な感想である。それはどういうことかというと、従来のV15IIにはすでに書いたようにトレーシングに関する不満をもっていなかったので、今度の新型が、この点で抜群によくなったという実感はなかったのである。私が制作しているレコードの中には、高レベル・カッティングのものが何枚かあり、リミッターをかけないで、しかも平均レベルも高くとったものが何枚かあるが、それらについても、今までにV15IIは充分なトレースを示してくれていたからである。シュア一社のデータによると、タイプlIlはタイプIIに比しぞ2kHz以上でのトレーシング能力が大幅に向上しているらしく、4k−10kにわたってカッティング・ベロシティにして従来より3cm/sec.以上の振幅への追従の余裕をもっている。高域の特性の向上も著しく、CD4の再生もカバーできるものとなった。
TypeIIIとなって確かに高域ののびと分解能が向上していることが聴感上はっきりとわかるが、可聴周波内での帯域バランスという点だけからいえば、TypeIIもすて難い味を持ち合せているとも思われる。これが期待が裏切られなかったと同時に、驚ろくほどの意外な喜びもなかったということである。しかし、間違いなくこのV15IIIは現在の最高級カートリッジであるし、特性と聴感的なバランスのとれた優れた製品である。特性データとはうらはらに音楽が貧弱に聞えるカートリッジが少くないが、この製品を使って活き活きした音楽が楽しめた。

マイクロ MR-211, MC-4100, MB-600

マイクロのアナログプレーヤーMR211、カートリッジMC4100、ターンテーブルMB600の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

MR211

サンスイ SR-1050, SR-2050

サンスイのアナログプレーヤーSR1050、SR2050の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

SR2050

ナガオカ NR-1, NM-11, NM-22, NM-22E, NM-33

ナガオカのカートリッジNR1、NM11、NM22、NM22E、NM33の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

Nagaoka

トリオ KL-5060, KA-4000, KT-5000, PC-250, TT-5066

トリオのスピーカーシステムKL5060、プリメインアンプKA4000、チューナーKT5000、アナログプレーヤーPC250、オープンリールデッキTT5066の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

Trio

CEC BD-616, STP-95, STP-69, BD-202

CECのアナログプレーヤーBD616、STP95、STP69、ターンテーブルBD202の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

CEC

シャープ GS-5711, RP-41

シャープのシステムコンポーネントGS5711、アナログプレーヤーRP41の広告
(スイングジャーナル 1970年5月号掲載)

Sharp