Category Archives: アンプ関係 - Page 30

ヤマハ A-6

井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 A6は、定評あるプリメインアンプA5のボディにX電源方式を採用した、100W+100Wのパワーをもつプリメインアンプの新製品である。
 構成は、MC・MM切替可能なハイゲイン・ピュアカレントサーボ・イコライザー、新設計ヤマハ型トーンコントロールアンプとハイゲインDCパワーアンプの3段構成で、メインダイレクトスイッチによりトーンアンプをバイパスできる。
 A6は、X電源の特長である安定した低域をベースに素直に伸びたワイドレンジ型の帯域感をもつ。音色は明るく滑らかで、スムーズに音を聴かせるタイプだ。

ヤマハ B-6

井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 B6はデザインのユニークさもさることながら、アンプの高能率化とハイクォリティを両立させた、今後のパワーアンプのひとつの方向性を示した画期的な新製品である。
 わずかに重量9kgの軽量でありながら、200W+200Wのパワーと200W、8Ω負荷時に20Hz〜20kHzでTHD0・003%をクリアーする高性能は、2つの新方式の採用のめざましい結果だ。
 まず電源部のX電源方式は、電源部の負荷であるパワーアンプの消費電力に応じて最適量の電力を電源の大容量コンデンサーにチャージさせるタイプで、電源トランスの一次側に切替用素子としてTRIACを直列に入れ、出力側の直流電圧の低下を基準電圧と比較し、フォトカプラーを通して高速フィードバックによりTRIACを制御し、交流の通電位相角を変え高能率低電圧回路としたものである。
 パワーアンプのX電源方式は、電源電圧を2段切替とし低出力時に低電圧をかけ発熱による損失を抑え、大出力時には高電圧に切替えハイパワーを得るという構想だ。
 リアルタイム・ウェーブプロセッサーによる電源電圧の切替は、100kHz一波でも正確にレスポンスし、電源電圧の切替えの立上りの遅れによる波形の欠損はなく、音楽信号に忠実に応答するとのことである。
 B6とリファレンス用コントロールアンプのマークレビンソンのML6×2を組合せる。新方式の成果を調べるためには、低域の十分に入ったプログラムソースによる試聴が応しいが、B6は低域レスポンスが十分に伸び、とくに50Hz〜100Hzあたりの帯域では、X電源の定電圧の特長が感じられる引締った再生が目立つ。聴感上の帯域感は最新のアンプらしいワイドレンジ型で、音色は明るく機敏な反応を示す。中高域の分解能は、非常に優れたピュアカレントサーボ方式で純A級増幅のBX1と比較すると一歩譲るが、アンプのランクからみれば充分に優れており、トータルなパワーアンプとして考えれば、200W+200WのパワーのゆとりはBX1を凌ぐとさえいえるようだ。

マランツ Pm-6, Pm-5

井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 Pm6は、マランツの定石通り、Sc6とSm6を一体化したモデルで、両者に共通の特長を備える。
 音にはプリメインアンプらしいまとまりがあり、基本的なキャラクターはSc6、Sm6を受け継いでいる。
 Pm5はAB級80W/ch、純A級20W/chの出力をもち、ドット表示ピークメーター付である。Sc6同様ハイゲインイコライザーを採用したストレートDC回路切替え可能が特長である。

マランツ Sc-6, Sm-6

井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 このところ、製品の層が一段と厚くなったマランツの新シリーズアンプ群は、パネルレイアウトが左右対称タイプとなり、往年の名器として伝統的な管球コントロールアンプ♯7のイメージを踏襲した雰囲気をもつことが特長である。
 コントロールアンプSc6とステレオパワーアンプSm6の組合せは、従来の♯3150と♯170DCを受け継ぐ位置づけに相当する製品だ。
 Sc6は、過渡混変調歪を低減する、いわゆるLOW−TIM設計を採用した点に特徴がある。全段完全プッシュプルDCアンプ構成、片チャンネル13石構成のMCヘッドアンプを採用。左右独立型ディフィート付高・低音コントロール、2段切替ラウドネスコントロール、イコライザーサブソニックフィルター、3段切替のMM型カートリッジ負荷抵抗切替のほか、出力0・5Wの純A級動作ヘッドフォンアンプなどを備える。
 Sm6は、AB級動作120W/chと純A級動作30W/ch切替使用が特長である。AB級動作では出力段に高域特性が優れたパワートランジスタ

ハルアンプ Independence II G

井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 高精度、高品質の構成部品を世界に求め、ユニークな管球式アンプを市場に送り出しているハルアンプから、インデペンデンスIIの上級機種として限定生産モデル、インデペンデンスIIGが発売される。
 フロントパネルの基本的な配置は変らないが、色調がシャンペンゴールドとなり、ウッドケースが付属する。型番末尾のGは、この色調の変化を意味する。回路構成上での変更は、左右独立電源の採用をはじめ、イコライザー耐入力の向上、高信頼度管の使用が主な点である。高精度アッテネーターを使ったボリュウムコントロール、厳選された海外製のC・R部品の採用は、従来と同様だ。完全な手作業によるワイヤリングなど、専門メーカーらしい入念な工作とリファインされた仕上げは、一般的なマスプロダクトの製品とはひと味違う、この種の製品ならではの魅力であろう。
 試聴は試聴室でリファレンス的に使っているパワーアンプ、マランツ♯510Mと組み合わせて行った。従来のインデペンデンスIIが管球アンプ独特のスケールが大きい音を聴かせたことに比較すると、音の粒子が一段と細かく滑らかとなり、スムーズでクォリティの高さが加わったことが聴きとれる。パワーアンプにインデペンデンスIIIを組み合わせれば、新モデルの特長がより発揮されよう。

ラックス L-48A

井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ラックス独自のデュオベータ回路を採用したアンプ群に、新しくL48Aプリメインアンプが加わることになった。
 デュオベータ回路は、パワー部では全帯域にわたって音質的に最適量のNFBをかけ、可聴周波数帯域外の超低域についてはDCサーボ回路によりダンピング特性を向上している。プリアンプ部は、低域と中高域に2つのNFBを組み合わせ、全帯域にわたりバランスのよい再生音が得られる特長がある。また、パワーアンプ出力段は、高域特性が優れたパワートランジスターに充分なアイドリング電流を流し、スイッチング歪を低減し、デュオベータ回路を効果的としている。イコライザーアンプはハイゲインタイプで、MCカートリッジがダイレクトに使えるタイプである。トーンコントロールは、湾曲点切替周波数2段切替のLUX方式NF型。その他、フィルムコンデンサーには機械振動を抑えるため、両端子間に直流バイアスをかけ、電気的に振動を抑えて使っているのが注目される。外観は、薄型プロポーションのリアルローズウッド木箱入り。10素子のLEDピーク指示パワーインジケーターが特長である。
 音色は、明るく滑らかなタイプだ。デュオベータ方式を完全に消化した、いかにもラックスらしい特長がよく出た好ましい音である。音場感プレゼンスも自然で、トータルバランスの優れた製品だ。

パイオニア M-Z1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

純A級動作で、しかもNFBを使用しない無帰還型のモノ構成パワーアンプ。リニアリティは、増幅部の非直線性と逆特性の非直線性で吸収する手法で解決。ガラスケース入り電解コンデンサーなど部品選択は十全である。

アキュフェーズ C-230

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

デジタル表示チューナーT103、パワーアンプピ260とコンビとなるコントロールアンプ。オリジナル全増幅段対称型プッシュプル駆動、A級DC方式に新しくDCサーボ方式が導入された。

アキュフェーズ P-400

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナーT104、コントロールアンプC240とラインナップを組む製品。パワーMOS型FET、全増幅段対称型プッシュプル駆動、DCサーボ方式採用。純A級に切替使用可能。

パイオニア C-Z1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

タテ長のユニークなプロポーションで゛NFBを使用しないアンプとしては世界初のコントロールアンプ。イコライザーは無帰還型の特長を活かした独得な一種のCR型。素直で反応が早く、伸びやかな音は非常に魅力。

アキュフェーズ P-400

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナーT104、コントロールアンプC240とラインナップを組む製品。パワーMOS型FET、全増幅段対称型プッシュプル駆動、DCサーボ方式。純A級に切替使用可能。

デンオン POA-3000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

純A級動作をベースに独得なバイアス方式を採用して高能率A級動作とした設計は、国内製品として唯一のものだ。余裕あるパワーを土台として、ゆとりがあり、力強い音をスムーズに聴かせる製品。

デンオン PRA-2000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

別系統のサーボ専用アンプをもたないダイレクトDCサーボ回路を全増幅弾に採用。2段のリニアアンプ段間にCR素子を入れたイコライザーとフラットアンプの単純構成。MCヘッドアンプ内蔵。

テクニクス SE-A3

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

ニュークラスA方式を採用したパワーアンプの第1弾製品。高速パワートランジスターと電源部をユニット化したコンセントレーテッドパワーブロック採用に代表される独自の最高の技術を導入。

テクニクス SU-A4

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

考えられる機能をフル装備のA2を基本に機能を標準型としたシンプルな新製品。特長はプリアウトの超ローインピーダンス化で、信号ケーブルの影響が軽減され正確な伝送と強力な駆動力を持つ。

Lo-D HMA-9500MKII

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

定評の高いパワーMOS型FET採用に新A級動作を加えた。

マランツ Ma-5

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

マランツ最初のモノーラル構成のパワーアンプである。タテ長の外形寸法は、かつてのモデル15/16が2台のパワーアンプを機械的に結合していた歴史を物語るようだ。

ビクター M-7050

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

スイッチング歪みとクロスオーバー歪みを解消する目的で、パワー段の可変バイアス方式とドライバー段の改善を含めたスーパーAクラス増幅方式採用のパワーアンプの第1弾製品。

QUAD 44

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

22、33以来のQUADのコントロールアンプの伝統を継承したコンパクトで多機能を備えたユニークな新製品。新採用のプラグインカード方式が特長で、業務用機器的な多角的な使用法ができる。

オンキョー Integra M-506

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

P306とペアとなるパワーアンプである。従来のスーパーサーボ方式に加えて、出力端のアース側にもサーボをかけるダブルスーパーサーボ方式の採用が特長。

ソニー RT-9

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

メタル対応フルロジック操作のデジタルタイマー付デッキにプリメインアンプを組込み、上部にシンセサイザーチューナーを乗せた異色の製品。新時代のコントロールセンターとしての魅力は絶大。

ビクター R-5000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナー付レシーバーに、メタル対応フルロジック操作のデッキをビルトインした非常に魅力的な新世代の到来を感じさせる製品。薄型デザインと10万円を割る価格も見逃せない。

オンキョー TX-55

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

オンキョーが提唱するFMコンポーネントの中心をなす製品。薄型で調整機構をカンガルーポケットに収納し、簡素化したパネルはデザイン的にも機能的にも優れ、音のある暮しへの展開が可能。

パイオニア SX-2020

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

ミニサイズコンポーネントの本来の魅力である小型、多機能、高性能を薄型デザインにまとめた開発時期の早さはさすがにパイオニアらしい。小出力ながら通常電源採用で粘り強いパワー感十分な音だ。

マッキントッシュ MA6200

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

つねにプリメインアンプを1機種もつというマッキントッシュの伝統に従った製品。C32で最初に導入されたような5分割型トーンイコライザー、独特の電流感応自動電源スイッチ内蔵など多機能で音の魅力も充分。