Category Archives: アンプ関係 - Page 30

ハルアンプ Independence II G

井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 高精度、高品質の構成部品を世界に求め、ユニークな管球式アンプを市場に送り出しているハルアンプから、インデペンデンスIIの上級機種として限定生産モデル、インデペンデンスIIGが発売される。
 フロントパネルの基本的な配置は変らないが、色調がシャンペンゴールドとなり、ウッドケースが付属する。型番末尾のGは、この色調の変化を意味する。回路構成上での変更は、左右独立電源の採用をはじめ、イコライザー耐入力の向上、高信頼度管の使用が主な点である。高精度アッテネーターを使ったボリュウムコントロール、厳選された海外製のC・R部品の採用は、従来と同様だ。完全な手作業によるワイヤリングなど、専門メーカーらしい入念な工作とリファインされた仕上げは、一般的なマスプロダクトの製品とはひと味違う、この種の製品ならではの魅力であろう。
 試聴は試聴室でリファレンス的に使っているパワーアンプ、マランツ♯510Mと組み合わせて行った。従来のインデペンデンスIIが管球アンプ独特のスケールが大きい音を聴かせたことに比較すると、音の粒子が一段と細かく滑らかとなり、スムーズでクォリティの高さが加わったことが聴きとれる。パワーアンプにインデペンデンスIIIを組み合わせれば、新モデルの特長がより発揮されよう。

ラックス L-48A

井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ラックス独自のデュオベータ回路を採用したアンプ群に、新しくL48Aプリメインアンプが加わることになった。
 デュオベータ回路は、パワー部では全帯域にわたって音質的に最適量のNFBをかけ、可聴周波数帯域外の超低域についてはDCサーボ回路によりダンピング特性を向上している。プリアンプ部は、低域と中高域に2つのNFBを組み合わせ、全帯域にわたりバランスのよい再生音が得られる特長がある。また、パワーアンプ出力段は、高域特性が優れたパワートランジスターに充分なアイドリング電流を流し、スイッチング歪を低減し、デュオベータ回路を効果的としている。イコライザーアンプはハイゲインタイプで、MCカートリッジがダイレクトに使えるタイプである。トーンコントロールは、湾曲点切替周波数2段切替のLUX方式NF型。その他、フィルムコンデンサーには機械振動を抑えるため、両端子間に直流バイアスをかけ、電気的に振動を抑えて使っているのが注目される。外観は、薄型プロポーションのリアルローズウッド木箱入り。10素子のLEDピーク指示パワーインジケーターが特長である。
 音色は、明るく滑らかなタイプだ。デュオベータ方式を完全に消化した、いかにもラックスらしい特長がよく出た好ましい音である。音場感プレゼンスも自然で、トータルバランスの優れた製品だ。

パイオニア M-Z1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

純A級動作で、しかもNFBを使用しない無帰還型のモノ構成パワーアンプ。リニアリティは、増幅部の非直線性と逆特性の非直線性で吸収する手法で解決。ガラスケース入り電解コンデンサーなど部品選択は十全である。

アキュフェーズ C-230

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

デジタル表示チューナーT103、パワーアンプピ260とコンビとなるコントロールアンプ。オリジナル全増幅段対称型プッシュプル駆動、A級DC方式に新しくDCサーボ方式が導入された。

アキュフェーズ P-400

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナーT104、コントロールアンプC240とラインナップを組む製品。パワーMOS型FET、全増幅段対称型プッシュプル駆動、DCサーボ方式採用。純A級に切替使用可能。

パイオニア C-Z1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

タテ長のユニークなプロポーションで゛NFBを使用しないアンプとしては世界初のコントロールアンプ。イコライザーは無帰還型の特長を活かした独得な一種のCR型。素直で反応が早く、伸びやかな音は非常に魅力。

アキュフェーズ P-400

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナーT104、コントロールアンプC240とラインナップを組む製品。パワーMOS型FET、全増幅段対称型プッシュプル駆動、DCサーボ方式。純A級に切替使用可能。

デンオン POA-3000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

純A級動作をベースに独得なバイアス方式を採用して高能率A級動作とした設計は、国内製品として唯一のものだ。余裕あるパワーを土台として、ゆとりがあり、力強い音をスムーズに聴かせる製品。

デンオン PRA-2000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

別系統のサーボ専用アンプをもたないダイレクトDCサーボ回路を全増幅弾に採用。2段のリニアアンプ段間にCR素子を入れたイコライザーとフラットアンプの単純構成。MCヘッドアンプ内蔵。

テクニクス SE-A3

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

ニュークラスA方式を採用したパワーアンプの第1弾製品。高速パワートランジスターと電源部をユニット化したコンセントレーテッドパワーブロック採用に代表される独自の最高の技術を導入。

テクニクス SU-A4

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

考えられる機能をフル装備のA2を基本に機能を標準型としたシンプルな新製品。特長はプリアウトの超ローインピーダンス化で、信号ケーブルの影響が軽減され正確な伝送と強力な駆動力を持つ。

Lo-D HMA-9500MKII

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

定評の高いパワーMOS型FET採用に新A級動作を加えた。

マランツ Ma-5

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

マランツ最初のモノーラル構成のパワーアンプである。タテ長の外形寸法は、かつてのモデル15/16が2台のパワーアンプを機械的に結合していた歴史を物語るようだ。

ビクター M-7050

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

スイッチング歪みとクロスオーバー歪みを解消する目的で、パワー段の可変バイアス方式とドライバー段の改善を含めたスーパーAクラス増幅方式採用のパワーアンプの第1弾製品。

QUAD 44

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

22、33以来のQUADのコントロールアンプの伝統を継承したコンパクトで多機能を備えたユニークな新製品。新採用のプラグインカード方式が特長で、業務用機器的な多角的な使用法ができる。

オンキョー Integra M-506

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

P306とペアとなるパワーアンプである。従来のスーパーサーボ方式に加えて、出力端のアース側にもサーボをかけるダブルスーパーサーボ方式の採用が特長。

ソニー RT-9

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

メタル対応フルロジック操作のデジタルタイマー付デッキにプリメインアンプを組込み、上部にシンセサイザーチューナーを乗せた異色の製品。新時代のコントロールセンターとしての魅力は絶大。

ビクター R-5000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナー付レシーバーに、メタル対応フルロジック操作のデッキをビルトインした非常に魅力的な新世代の到来を感じさせる製品。薄型デザインと10万円を割る価格も見逃せない。

オンキョー TX-55

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

オンキョーが提唱するFMコンポーネントの中心をなす製品。薄型で調整機構をカンガルーポケットに収納し、簡素化したパネルはデザイン的にも機能的にも優れ、音のある暮しへの展開が可能。

パイオニア SX-2020

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

ミニサイズコンポーネントの本来の魅力である小型、多機能、高性能を薄型デザインにまとめた開発時期の早さはさすがにパイオニアらしい。小出力ながら通常電源採用で粘り強いパワー感十分な音だ。

マッキントッシュ MA6200

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

つねにプリメインアンプを1機種もつというマッキントッシュの伝統に従った製品。C32で最初に導入されたような5分割型トーンイコライザー、独特の電流感応自動電源スイッチ内蔵など多機能で音の魅力も充分。

ケンウッド L-01A

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

鉄板などの磁性体による磁気歪の影響を徹底的に排除する目的で非金属製筐体の本体と独立した電源部というセパレート方式を採用した製品。従来より粒子が一段と細かく、整然と高品位な音が特長。

ヤマハ A-9

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

アンプブロックと電源の相関性を新技術により断絶し、給電系をも含むさまざまな音質的難問を解決した、ピュアカレントサーボ方式のプリアンプ部と新リニアトランスファーバイアス方式のパワーアンプ部が特長の高級機。

サンスイ AU-X1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

強力なパワーアンプにプリアンプを組み込んだエキスペリメンタルな性格が強い製品。パワー直接入力は2虎38ファンに大変に魅力。

サンスイ AU-D907 Limited

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

TIM歪を解消するダイヤモンド差動回路採用のAU−Dシリーズ・プリメインアンプのトップモデルD907に徹底的に改良を加えて開発された限定生産のスペシャリティモデル。現時点の最高峰に位置する音質だ。