アムクロンのコントロールアンプSL2、パワーアンプPL1、PL3の広告(輸入元:ヒビノ電気音響)
(オーディオアクセサリー 27号掲載)
Category Archives: アンプ関係 - Page 20
アムクロン SL-2, PL-1, PL-3
サンスイ AU-D907F EXTRA
テクニクス SH-8000, SH-8065
RGR Model Four, Model Five, ニッティ・グリッティ Nitty Gritty I, Nitty Gritty III
ヤマハ A-500, T-500, MC-4
マークレビンソン ML-12L, ML-11L
QUAD 34, FM4
マランツ Sc-1000, Sm-700
アキュフェーズ C-280
試聴テストの結果から私が選んだ特選/推選アンプ
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新プリメインアンプ11機種セパレートアンプ44機種の実力」より
いかなるスピーカーに対してもそのスピーカーの最良の面を示せるようなアンプがあれば、そのアンプが理想のアンプということになるのであろうが、理想は現実にならないから理想なのである。こっちをたてればあっちがたたず、あっちをたてればこっちがたたないしいうことがあるので、いわゆる「組合せ」に神経をつかうことになる。
一般的な考え方ではアンプがスピーカーに歩みよるべきものとされているのではないか。つまりこのスピーカーにはどのアンプがあうのかと考えられることが多いように思う。数あるアンプの中にはしなやかにスピーカーに歩みよるアンプもあれば、わたしが主人公とばかりに自己主張をつづけるアンプもなくはない。どっちがどうとはいいきれないとしても歩みより方の巧いアンプの方がつかいやすいとはいえそうである。
コンポーネントとはつまるところ、弦楽四重奏とかピアノ三重奏のようなアンサンブルである。個性的であっても一向にかまわないが、あわせもののうまいアンプやスピーカーを歓迎したい気持が、すくなくともぼくにはある。むろんクォリティの面を軽視したわけではないが、このスピーカーでなければ困るというアンプより、三つのスピーカーのいずれに対してもこのましい反応を示したアンプの評価の方が高くなった。
似たようなことは試聴に用いたレコードに対しての反応についてもいえる。いかにダイナミックな音を特徴とするレコードにこのましく反応しても、しなやかな音を特徴とするレコードの反応にいたらないところがあれば、そのアンプのぼくなりの平均点は低くならざるをえなかった。基本的にはアンプについてだけいえることではなく、スピーカーをはじめとしてのその他の機器についてもいえることではあるが、一種のヴァーサタイル性が求められるということである。オーディオ機器はすべからく音楽の従順な娘であってほしいというのがぼくの考え方である。
当然のことながらレコードはそれぞれ特徴のあるものを選んだ。責任の所在をあきらかにするために書いておけば、プリメインアンプの試聴でつかった三枚のレコードはぼくが選んだ。セパレートアンプの試聴でつかった五枚のうちのプリメインアンプでもつかった二枚以外の三枚は山中さんが選んだ。いずれのレコードもきかせる音の性格が極端にちがっていた。音楽としての性格もちがうし、音のとり方そのものもそれぞれ大変に個性的なレコードであった。かならずしもこれだけで充分とは思ってはいないが、アンプの可能性をさぐるためのレコードとして充分に変化にとんでいたはずであった。
この試聴はアンプの魅力をさぐる目的でなされた、つまり「アンプテスト」ではあったが、結果として三種類のスピーカーの可能性をさぐることにもなった。ヤマハのNS1000Mが、その価格からおして、ある程度のところで限界を示すであろうと漠然と考えていたが、どうしてどうして、JBLの4343Bのほぼ6分の1の価格であるにもかかわらず、見事にがんばり通した。あっぱれとしかいいようがなかった。
これまではこのヤマハのスピーカーに対してことさらこのましい印象は抱いていなかったが、おのれの不覚を恥じないではいられなかった。ヤマハのNS1000Mはすばらしいスピーカーです。むろんそのエンクロージュアの大きさからして、どうしても手にあまる部分があるとしても、さまざまな音楽への歩みより方、つまりヴァーサタイル性において底しれぬ力を内に秘めていることがわかった。一対で216000円のスピーカーを、たとえば2880000円のマーク・レビンソンML7L+ML3でならすというのは、おそらくありえないことなのであろうが、それでもNS1000Mはそこでまたあらたな可能性を示してききてをびっくりさせた。
編集部の求めに応じて「特選」のアンプと「推選」のアンプをあげた。ぼくなりに自信をもっての「特選」であり「推選」ではあるが、その場合にいわゆる「価格帯」を無視できなかった。アンプとて商品であり、買い手には買い手としての予算もあるのであるから「価格帯」を無視するわけにもいかない。当然のことに価格もアンプ選びの際の重要なファクターである。
しかしながら、もしぼくが価格のことなど無視できる大金持であったら、いささかのためらいもなくクレルのアンプを買うであろうということを、蛇足とはしりつつ、いいそえておきたいと思う。このクレルのアンプの積極的な「表現力」をそなえながら、しかも押しつけがましくならない提示をほれぼれときいた。もう少し時間をかけてじっくりきいてみたいと思ったのは、このクレルのアンプとエクスクルーシヴのアンプであった。クレルのアンプとエクスクルーシヴのアンプとは理想のアンプのすれすれのところまでいっていると思った。
特選プリメインアンプ
オーレックス:SB-Λ77C
ケンウッド:L02A
推選プリメインアンプ
マランツ:Pm6a
特選セパレートアンプ
ヤマハ:C50 + B50
パイオニア:Exclusive C3a + M5
クレル:PAM2 + KSA100
スレッショルド:FET two + S/500
推選セパレートアンプ
エスプリ:TA-E901 + TA-N901
パイオニア:C-Z1a + M-Z1a
マークレビンソン:ML10L + ML9L
ヤマハ C-50 + B-50
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★★
このスピーカーのもちあじをこのましくいかしていた。ひびきがみずみずしくあかいのがよかった。⑤のレコードではもう少しひびきにしなやかさがほしいと思ったが、ほかの4枚のレコードでの結果は、デリケートさにも力強さにもこのましく反応していて、ききごたえがあった。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★
このスピーカーの弱点をうまくおさえたならし方というべきであろう。総じてひびきがいくぶん重くなるところはあったものの、暗くくすんだ感じにならないところがよかった。⑤のレコードではこのスピーカーのもちあじがいかされていて、ふっくらとしたひびきに魅力が感じられた。
JBL・4343Bへの対応度:★★
⑤のレコードでのチェロの音が太くきこえすぎるような傾向があり、その傾向が全体的にいえなくもなかった。②のレコードでの結果が、音のちらばり方の提示にしても力強い音の示し方にしてもすぐれていて、ベストであった。①のレコードでは弦のひびきがいくぶん硬すぎた。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
スレッショルド FET two + S/500
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★★
力をともなった明瞭さとでもいうべきか。マランツSc1000+Sm700ほどの積極性はないが、その分だけ正確のちがうひびきへの対応が敏感だということがいえる。②のレコードでの力強い音への対応と⑤のレコードでのしなやかな音への対応を対比させることによってこのアンプの特徴が浮びあがる。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★★
ひびきはかならずしもあかるいとはいいがたいが、音像のくっきりした提示は特徴的である。⑤のレコードでの各楽器のひびきの性格の示し方にはきくべきものがる。③のレコードでは力感の提示にものたりなさを感じるものの、このスピーカーではこれはやむをいえないことというべきであろう。
JBL・4343Bへの対応度:★★★
きわだって鋭敏である。①のレコードではトゥッティではそこでなっているすべての楽器がききわけられるといっても過言ではない。⑤のレコードではたっぷりひびいて、しかも音像がくずれない。④のレコードで示されたなまなましさはまことに印象的であった。「現代的」な音というべきか。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
マランツ Sc1000 + Sm700
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★★
このスピーカーのもちあじを目一杯示しているといった積極的ななりっぷりである。⑤のレコードなどではひびきに力がつきすぎているようにも感じられなくてもないが、提示がごり押しになることはなく、またひびきがぼてっとすることもない。いい意味での陽性の積極性があるためといえよう。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★★
このスピーカーじたいの力強い音に対する反応の不充分さをかなりの程度おぎなっている。しかしながら②のレコードでのバス・ドラムのひびきなどではつらいところがある。④のレコードであきらかにされる音楽の息づかいはなまなましい。音像は全体的に大きめではあるが……。
JBL・4343Bへの対応度:★★★
⑤のレコードでひびきがいくぶん骨太になりすぎることを別にすれば、このアンプの陽性の積極性が充分にいかされている。②のレコードでのアタックの鋭い音などは力感にみちていて見事である。①のレコードではひびきのきめこまかさがいきている。4343のいいところがいかされている。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
デンオン PRA-6000 + POA-8000
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★
たっぷりとして明るいひびきに魅力を感じる向きもあるであろう。よくみがきあげられた、しかも腰のすわった音である。⑤のレコードできけるようなひびきへの対応はかならずしもこのましいとはいいがたいが、①のレコードなどは堂々とひびかせて独自の迫力をうみだす。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★
このアンプのもちあじであるところのみがかれた音がここでもいかされている。ここできける嫌味のないおっとりしたひびきはそのためのものと考えていいであろう。ただ、できることならシャープなひびきへの対応でもう少し敏感なところがあれば、さらにはえたであろうと思わなくもない。
JBL・4343Bへの対応度:★★
②のレコードなどは独自の迫力を示す。腰のすわった見事なひびきというべきかもしれない。④のレコードできける声のなめらかさもこのましい。しかしながらここできける音は4343の音としてはいくぶん異色でル。迫力にとんではいるが、音場感の面で多少狭めである。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
パイオニア C-Z1a + M-Z1a
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★★
なめらかなひびきをきかせる。あかるく、あたたかいひびきである。いくぶん力強さの提示に不足がちではあるが、③のレコードでのベースの音がふくらみすぎないところにこのアンプのよさを認めるべきであろう。⑤のレコードでもひびきのデリケートさによく対応できている。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★★
総じて音像が大きくなりがちではあるが、ひびきにきめこまかさがるので提示がごり押しにならないところがこのましい。④のレコードで歌い手たちがマイクロフォンの近くでうたっていることをなまなましく示す。①のレコードでの弦のひびきなどは艶があって美しい。
JBL・4343Bへの対応度:★★★
スピーカーに、あるいはソースにしなやかによりそうアンプとみるべきであろう。それぞれのレコードのあちあじをこのましくいかしていた。ただ、パワー不足ゆえであろうか、もう一歩踏みこんでの力感にみちた音を望みたくなる。全体的に音像は心もち大きめであった。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
テクニクス SU-A8 + SE-A7
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★
もう少しシャープな反応を示すアンプの方が、このスピーカーのよさをあきらかにするであろう。④や⑤のレコードでのひびきのやわらかさはそれなりにこのましいが、音にべとつきがなくもない。そのために音像が心もち大きめである。③のレコードはこのましかった。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★
④のレコードではしたっ:ている人と人との間が狭く感じられた。わざとしらい今日朝刊の内のはこのましいが、総じてひびきがったりするので、いきいきした感じがあきらかになりにくい。①のレコードでは細部の音の動きがいくぶんあいまいになっていたのがおしまれた。
JBL・4343Bへの対応度:★
このスピーカーの反応としては思いもかけぬ反応というべきであろうが、ひびきがたるんで重く感じられた。④のレコードではきわだって音像が大きかった。③のレコードでのベースの音もふくらんで本来の迫力を示しえていなかった。①のレコードでの結果がもっともこのましかった。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
エスプリ TA-E900 + TA-N900
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★
いずれのレコードでもすっきりと提示されていた。いくぶんクールにすぎるかなと思わなくもなかったが、この示し方の「正確」さはやはり美点というべきであろう。しかしながら③のレコードなどではひびきの熱を伝えきれていなかった。音の距離を感じてしまうなり方とでもいうべきか。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★★
ひびきの暗さが気にならなくもないが、バランスのよさが印象的であった。④と⑤のレコードでのきこえ方が、ひびきのきめこまかさによく対応できていて、このましかった。③のレコードでは迫力に欠けるきらいはあるとしても、まとまりがよかった。①のレコードでは遠近感もよく示した。
JBL・4343Bへの対応度:★★★
過度にきらびやかになることをおさえて、JBLから品位のある音をひきだしたといっていいであろう。総じてひっそりとはしているが、みがきあげられたなめらかな音のこのましさがあった。いずれのレコードに対しても、それぞれのひびきの特徴をひかえめに示した。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
SAE P101 + A1001
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★
スリムなひびきのよさというべきか。⑤のレコードではひびきにもう少し肉がついてもいいように思うが、ごり押しになったり、ぼてっとしたりしないところをよしとするべきかもしれない。④のレコードでの六人の歌い手の横へのひろがりは自然に無理なく提示されていた。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★
いくぶん積極性に欠けるひびきの暗いのが気にならなくもない。②や③のレコードはこのスピーカーとこの組合せにはあわない。④のレコードでのいくぶんひっそりしたきこえ方には独特の魅力があった。⑤のレコードでのひびきのとけあい方もよくわかった。
JBL・4343Bへの対応度:★★★
すっきりとした提示に特徴がある。①のレコードでの個々の楽器のひびきの性格をよく示すが、かならずしもひびきそのものをおしだしてこない。②や③のレコードで迫力の不足を感じなくもない。④のレコードでの声にはもう少し円やかさがほしい。音場感の面ではすぐれている。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
マークレビンソン ML-7L + ML-3L
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★★
①のレコードではオーケストラのひびきがぐっと押しだされてくる。尋常ならざる迫力というべきである。⑤のレコードにおけるチェロの音は充分にやわらかく、しかもその音に力が感じられる。③のレコードで和音をひくピアノの重い音も見事に示されている。円みのある音の提示で特にすぐれている。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★★
いずれのレコードでも音場感的に狭く感じられた。④のレコードでは右のバスの方がきわだつ傾向があった。⑤のレコードにおける三つの楽器の音色の対比も十全であった。①のレコードでのトゥッティではもう少し鮮明であってもいいと思った。②のレコードでは充分な迫力を示した。
JBL・4343Bへの対応度:★★★
①のレコードでのバスのひびきはすばらしい。ここにあるのは下品にならない馬力とでもいうべきものである。それでいながら④のレコードでの6人6色の声の色あいのちがいをも鮮明に示したし、⑤のレコードでのフラウト・トラヴェルソの強奏したときと弱奏したときのちがいも完璧に提示した。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
ハーマンカードン Citation XXP + Citation XX
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★★
敏感に反応する音というべきか。おしつけがましさのない明快さがここでの美点である。さらにこれで力強い音に対しても十全に反応できればと思わないではいられない。④のレコードでは右にいるバスより左にいるカウンター・テナーの方がきわだつ傾向がある。⑤のレコードのチェロはほっそりひびいた。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★
切れこみ鋭いとはいいがたいが、このクールな提示には魅力がある。④のレコードでカウンター・テナーの方がきわだつことでは、NS1000Mの場合とかわらない。②と③のレコードでは力強い音に対しての反応でものたりなさを感じる。①のレコードでの木管のひびきはきめこまかく美しい。
JBL・4343Bへの対応度:★★
とても片チャンネル250Wの出力があるアンプでならした4343とは思えない軽やかな音がする。しかしながらこのひびきはきめがこまかくさわやかである。⑤のレコードでのフラウト・トラヴェルソのひびきの提示などは見事である。③のレコードではベースの音がふくれぎみであった。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
オーディオリサーチ SP-8 + D-90B
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★
いくぶん硬質な音でひびきの輪郭をはっきり示す。低い方の音の提示にものたりなさをおぼえる。②のレコードでのバス・ドラムの音などはいくぶんききとりにくい。③のレコードでの提示はまとまりはいいものの、小ぶりな提示でとどまる。もう少したっぷりしたひびきがほしい。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★★
このスピーカーでは低い方の音がふくれぎみになることがままあるが、その辺をうまくおさえているので、まとまりがいい。③のレコードでは、本来の迫力は示しえてはいないが、雰囲気ゆたかな提示はこのましい。⑤のレコードではチェロがいくぶん細めにひびく傾向がある。
JBL・4343Bへの対応度:★★★
③のレコードでのきこえ方が力感不足でものたりないのはいかなる理由でか。②のレコードでは充分に迫力が感じとれる。⑤のレコードでは三つの楽器のいずれもが多少太めに提示される。もっともこのましかったのは④のレコードで、6人の声の色あいのちがいをよく示していた。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
マッキントッシュ C33 + MC2255
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★★
ひびきは上品であり、ゆたかである。しかしながら個人的な好みでいわせていただければ、いくぶんひびきに肉がつきすぎていると思う。そのためと考えていいと思うが、音像は総じて大きめである。いずれのレコードでもバランスがとれていて、しかもその提示のしかたには独自の表情がある。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★
とりわけ②や③のレコードで感じることであるが、ひびきの角がとれすぎている。むろんそれなりの迫力はうみだすが、シャープさの点でもものたりなさが残る。①のレコードでの重心の低いひびきは特徴的であった。細部の音の動きがさらに鮮明に示されれば音としての説得力もますのであろうが。
JBL・4343Bへの対応度:★★
スレッショルドのきかせた音の対極にある音というべきである。⑤のレコードできかせた円やかであたたかいひびきにこのアンプの魅力を認めるべきであろう。ひびきのストレートななまなましさを求めたら、ここでは不満をおぼえるはずである。①のレコードでのヴァイオリンの音は美しかった。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
アキュフェーズ C-240 + M-100
黒田恭一
ステレオサウンド 64号(1982年9月発行)
特集・「スピーカーとの相性テストで探る最新セパレートアンプ44機種の実力」より
ヤマハ・NS1000Mへの対応度:★★
音がこっちに向ってくるというより横にひろがる傾向があるようである。ひびきには多少の湿り気があり、そのために⑤のレコードでの音などは独自のなまなましさを示すともいえる。②、ないしは③のレコードなどは、この組合せに適していない。力強い音への対応でいくぶんものたりないところがある。
タンノイ・Arden MKIIへの対応度:★★
ごり押しにならないところは美点であるが、消極的にすぎるといえなくもない。①のレコードではひびきが音場的に横にひろがり、そのためかどうか、音の身ぶりが大きく感じられる。しかしながら音像そのものはかならずしも大きいとはいえない。ひびきは暗めである。
JBL・4343Bへの対応度:★★
4343でのきこえ方としては異色というべきであろうが、③のレコードでのベースの音がふくらみぎみであった。①のレコードではひびきが総じて重く感じられた。②のレコードは効果的にきかせはするものの、本来の力強さを求めるといま一歩といわざるをえなかった。
試聴レコード
①「マーラー/交響曲第6番」
レーグナー/ベルリン放送管弦楽団[ドイツ・シャルプラッテンET4017-18]
第1楽章を使用
②「ザ・ダイアローグ」
猪俣猛 (ds)、荒川康男(b)[オーディオラボALJ3359]
「ザ・ダイアローグ・ウィズ・ベース」を使用
③ジミー・ロウルズ/オン・ツアー」
ジミー・ロウルズ(P)、ウォルター・パーキンス(ds)、ジョージ・デュビビエ(b)[ポリドール28MJ3116]
A面1曲目「愛さずにはいられぬこの思い」を使用
④「キングズ・シンガーズ/フレンチ・コレクション」
キングズ・シンガーズ[ビクターVIC2164]
A面2曲目使用
⑤「ハイドン/6つの三重奏曲Op.38」
B.クイケン(fl)、S.クイケン(vn)、W.クイケン(vc)[コロムビア-アクサンOX1213]
第1番二長調の第1楽章を使用
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