ダイナコのスピーカーシステムA25XS、A35の広告(輸入元:今井商事)
(スイングジャーナル 1972年10月号掲載)
Category Archives: 海外ブランド - Page 103
ダイナコ A-25XS, A-35
JBL L88 Nova
菅野沖彦
スイングジャーナル 10月号(1972年9月発行)
「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より
先月号の選定新製品で書いたJBLのL45に続いて今月のべスト・バイは同じJBLのノヴァ88である。JBLと僕との結びつきは、自分でもJBLを常用しているのだからしかたがないが、こう続くとやや食傷気味で、JBLしかこの世にスピーカーはないように思われそうだ。しかし、あえて、この原稿依頼を拒絶しなかったところに
僕のJBLへの傾倒の強力さがあるわけだ。
ノヴァ88はJBLのブックシェルフ型システムとしてはランサー44、ランサー77の延長線上に位置するもので、
0cmウーハーとダイレクト・ラジェーターの2ウェイ・システムというきわめてオーソドックスなコーン・スピーカー・システムである。ウーハーは例の白い塗料をぬったコーンだが、従来のものとはちがって、コルゲーションの多い新開発のコーン、エッジ、ダンパーという振動系をもっていて、決して最近流行のハイ・コンプライアンス、ロング・ストロークのフラフラ型のものではない。どちらかというと、一時代前のスピーカーを思わせる張りのあるサスペンションをもち、クロスオーバーを2kHzにとって5cn径のコーン・トゥイーターと組み合せている。これと同じユニットを使いデザインだけがちがうコルティナ88−1というモデルもあるが、デザインとしてはノヴァ88のほうがユニークで美しい。サランと木目を2分割し、ウーハーと同径の丸い穴を積極的に生かしたモダニズム溢れるフェイスはいかにもJBLらしい感覚の冴えといいたい。デンシティの高いがっしりとしたエンクロージュアは表見からは想像もできないほど頑丈で重さは21kg。許容入力50ワットの強烈な低音にもおかしな箱鳴きによる不明瞭なノートはでてこない。音質は腰のしっかりした安定感のあるもので豊かな低音感には血の通った生命感すら感じる。低音感といったのには意味があって、最近のスピーカーの中にはたしかに低い周波数までのびていても、実際に楽器のもつ弾力性にとんだ低音が出ないものが多い。このスピーカーの低音は、コントラバスのブーミーな低弦と胴の共鳴が生き生きと響くし、それでいて音程が明瞭に聞きわけられるのである。ピアノの巻線の響きも魅力的である。音のツプ立ちは極めて明解で、二つのスピーカーの間にかもし出される音の面は豊かな拡りと奥行をもって大きく迫ってくるのである。高音域はやや歪感のあるのが欠点ではあるが、へんなドーム型やホーン型のトゥイーターと組合わされたシステムのもつ木に竹をついだような違和感がまったくないほうをむしろ長所として評価したい。見たところはやや頼りのないコーン・トゥイーターのLE20系にJBLが固執しているのは何んらかの考えがあってのことだと思う。トゥイーター単体でこれ以上のものを作ることはさほど難しいことではないと思われるがシステムの全体のバランスを考えた時に、このトゥイーターの長所は捨て難いものをもっているといえるだろう。
私がよくいうことだが、スピーカーというものは、そもそも大ざっばな考え方から電気機械変換器として作られたところ意外に複雑な波形を再現し、いい音を出してくれたものらしい。誰が紙をゆすってあんな音を出すことを事前に想像しただろうか。その後のスピーカーの改善はでき上ったものの動作理論の解析によったのだが、それによってスピーカーは大きく進歩したことも事実だが、ある部分の改善により偶然得られていたよさがなくなった部分もないといえない製品も多い。そうした中にあって、新しいスピーカー理論と設計が、いい音で鳴るというロマンティックな心情と結びついて作られているのが現状における優れたスピーカー・システムであって、JBLの製品はその代表格といってよいだろう。
シュアー M91ED
メモレックス CHROMIUM DIOXIDE
ADC XLM, ダイナコ A-35
PE 2040
オルトフォン M15E SUPER
アルテック Valencia
BSR 310X, 810X
デュアル 1214, 1218, 1219
リーク Sandwich 300, Sandwich 600
B&W 70 Continental, DM-1
ADC XLM
メモレックス CHROMIUM DIOXIDE
JBL L100 Century, L200
ラックス SQ38FD, CL35II, MQ36, MQ60, LX77, BOSE 501, 901, B&W DM-1, 70 Continental
シュアー V15 TypeII, M91ED
アルテック DIG
ダイナコ A-25X, A-30
ADC XLM
菅野沖彦
スイングジャーナル 7月号(1972年6月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
ADCのイニシアル・ブランドで親しまれているオーディオ・ダイナミックス・コーポレーションはカートリッジやスピーカーなどの変換器メーカーとしてアメリカ有数の会社である。MM型の特許がシュア一によっておさえられているために、このメーカーはIM型で市場に多くのシリーズをおくり出している。中でも10EMKIIはその抜群のコンプライアンスの高さと繊細なトレーシング・アビリティで話題をまいたが、これはもう旧聞に属することだ。この10Eは現在ではMKIVにまで発展している。今回御紹介するXLMはそうした10Eのシリーズから独立したまったく新しい製品で、振動系、本体モールディングなどすべて新設計になるもので、スタイリングもずいぶん変った。変換方式はもちろんIM型で同社がCEDと呼ぶ(Controled Electrodynamic Damping)システムで極めて軽い針圧(推奨針圧0・6g)でトレースできる軽針圧カートリッジの最右翼である。実用的には1gぐらいが適度で、1・5gになるとカンチレバーの変位が激しくボディの腹(実際には振動系を支えるホルダー)がレコード面をこする危険がある。したがって重いほうの限界は1・2gと考えるのが妥当であろう。だいたい、こうした軽針圧カートリッジは繊細な再生音をもつ傾向にあるが、この製品は必らずしもそうした在来のイメージにそったものでなく、肉厚の中低域が豊かな音像を再現するのが好ましく感じられた。ADCの発表するところでは10Hz〜20kHz(±2db)となっているが、たしかに相当な高城までレンジがのびていることが認められる。ただ欲をいうと音に芯の強さがやや足りないようで、シンバルの衝撃音などが、切れ味に欠ける嫌いがないでもない。私の体験上、IM型はどうもレコーード面の静電気による影響を受けやすいようで、湿度やディスク材料の質によって帯電状態が変わるにともなって、トレーシングが不安定になるという傾向が感じられる。従来10Eシリーズが、私の手許ではトレーシングが不安定であったことが多いのだが、いろいろやってみると、それ以外に考えられないのである。普通、カートリッジのトレーシングが不安定になるというのは、ホコリによる影響力が大きいが、静電気によって音が独特のカスレ音になるということもあり得るらしい。そうした現象が、特にIM型において著しく出るという傾向を感じ始めているわけだ。これは全く私の体験と推測の域を出ないことなのだが、このXLM型カートリッジについても同じことがいえそうで、手持ちのレコード中、帯電の激しいレコードは時としてやはり不安定なトレーシングになる。しかし、そうした現象が起きない時のこのカートリッジの再生能力は実に優れていて、デリケートな細部を克明に再現してくれる。大振幅に対する追従もよくやはり第一級のカートリッジであることを強く感じさせてくれるのである。レコードの帯電というのは実に困った現象で、製品によってはパチッと火花がとぶほどひどいもの、レコードを持ち上げるとゴム・シートも一緒に上ってくるようなものがある。こんな状態では空気中のホコリを強引に引きつけてしまうしホコリによる害と相乗してくるから手に負えない。もし、私の考えることがはずれていないとしたら、ADCにとってレコードの帯電は大変な迷惑なことにちがいない。またこの帯電は場所によってもずいぶんちがうので、私の所でなんでもないのが、人の家でほもっとひどい場合もある。レコード会社になんとかしてもらいたい問題ですね。
帯電のおかげで、肝心のADCの新製品XLM型カートリッジにケチがついたような恰好になって申し訳けないが、非常に優れたカートリッジであることが前提での話しとして解釈していただきたいと思う。
試聴レコードはジャズからクラシックと,かなりの種類に及んだが、いずれにも満足感があり、特にMPSレーベルのバーデン・パウエル、エロール・ガーナー、あるいはフランシー・ボラーンなどの、レコードの中低音の厚味と豊かさ、パルスへの追従などはすばらしかった。1g以下の針圧でトレースするハイ・コンプライアンス型なので当然トーン・アームには精度の高いスムースな動作のものが要求される。























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