ラックスのチューナーWL313の広告
(ステレオ 1970年3月号掲載)
Category Archives: ラックス/ラックスキット - Page 10
ラックス WL313
ラックス SQ507
ラックス SQ503
ラックス SQ503
ラックス SQ707
ラックス SQ503, SQ507
ラックス SQ707
菅野沖彦
スイングジャーナル 11月号(1969年10月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
SQ707というラックスの新製品アンプは、アンプの老舗ラックスが生みだした傑作である。ロー・コストの普及アンプであるが、決して安物ではない、これは、このアンプを使ってみればただちに理解できるであろう。第一、見た目にも、いかにも品位の高い音が出そうな美しい姿をしている。徹底した合理的な設計と、量産計画から割り出されたために、この価格がつけられたものと思う。数多くの商品を見馴れた眼には一目で、この製品の優秀性がピンとくるであろう。安物とは安物しか作れないメーカーが作るものらしく、高級機を作る技術と体験をもったメーカーがつくるロー・コスト商品には自ずから、その品位が滲み出るものであることを敢えてくれる
SQ707の機能は、プリ・メイン・アンプとして必要なすべてを備えていて、一般の使用上、まったく不便を感じない。入力側からみていくと、フォノ、チューナー、テープデッキ、補助入力の4端子が用意されていて、フォノの入力感度は2mV、その他は120mVとなっている。出力側は、録音用のライン出力と、3ヘッド・タイプのテープレコーダーのモニター再生端子、そして2系統のスピーカー出力端子とヘッドフォン・ジャックがそろっている。コントロール機構には両チャンネル独立の高、低トーン・コントロールに、高低の湾曲点を変更するスイッチ、18dbのミューティング(アッテネーター)スイッチ、ABスピーカー切換スイッチなどがラックス特有のパネル・レイアウトですっきりと並んでいる。パネルはホワイト・ゴールドの瀟洒な色彩をヘアー・ライン・フィニッシュにした美しい輝やきをもつ。ケースはABS樹脂使用のユニークなもので、合理性はもちろんのこと、下手な鉄板加工より完成感が強く枠である。操作面によく練られているし、スイッチやボリューム類は専門メーカーのラックスらしく実にタッチがよく、スムーズであった。そして、その再生音は、こうした外観上の特長と共通した、あるいはそれらを上廻る質の高いもので、まるで澄みきった深い水を見るように、濁りや汚れのない、そして丸やかなものだ 実にふっくらと、独特のプレゼンスといいたいほど軽やかに空間が再現されるのである。この特長は、コンテンポラリー・レコードのように、ステレオフォニックな空間性のある録音により効果的で、ブルー・ノートやインパルスのようなマルチ・モノーラル的な録音では、やや丸味がついて物足りないという印象になるかもしれない。連続出力17Wという表示に物足りなさを感じられる人もいるかもしれないが、能率のよいスピーカーを使えば、家庭用としてパワー不足は感じられず、SJ試聴室のアルテックA7が、ガンガン鳴る。我家では、サンスイのSP1001やクライスラーのCE1ac、またオンキョーのFR12というような数種のスピーカーをつないで、鳴らしてみたが不足は感じなかった。もちろん大きな部屋で、大音響を期待すると無理も生じるが、10畳ぐらいの部屋までなら十分いける。まして4・5畳〜6畳での使用にはまったく心配はいらないだろう。名士の手すさぴといったらメーカーに怒られるかもしれないが、このアンプには音にも、外観にも、そうした余裕が滲み出ていて無理な気張りをまったく感じさせないのである。34、000円という価格も、ユーザーにとって、それほど気張りを要しないだろうし、本誌の選定新製品として名実共に推奨にあたいする製品である。
このアンプから出る素直な音は、この製品を初めて使われる多くのオーディオ入門者に、初めから趣味のよい、音の規準を与えてくれると思う。これはいい変えれば、市販製品にあり勝ちな、ちょっと聞きには強い印象を与える、辛しや味の素が度ぎつくきいていないということである。ロー・コストの普及アンプの代表的地位を占める製品になるだろう。
ラックス SQ503, SQ507, CL35
ラックス SQ707
ラックス SQ505
ラックス SQ707, WL717
ラックス SQ707, WL717
ラックス SQ606
ラックス SQ606
ラックス 25C44
菅野沖彦
ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より
明るく明解な音で好感がもてる。バランス的には中音域がやや出過ぎの気もするが、これが決してマイナスにはなっていない。むしろ中域の充実感として受け取れるといってもよい。全体の音質は決して品位の高いものではなく、軽く、迫力不足だが、そうしたユニットを巧みに使いこなしてまとめた音づくりがうまい。どちらかといえばクラシック、ポピュラーに向き、ジャズには向かない。質感と力量感が物足りないからである。
ラックス 25C43
菅野沖彦
ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より
力感はないが、量感はある音で、豊かである。オーケストラのスケール感がよく再現され全域にわたって明解なディフィニションが得られている。強い個性やアトラクティヴな魅力がないのが特長でもあり、弱さでもある音で、技術的にはよく検討されまとめられたといった感じがする。ジャズではガッツに物足りなさがあり、説得力の弱いのは先述した個性のなさによる。この個性と、まともな技術的精度の兼ね合いは、スピーカーの悩みの種。
ラックス 25C44
瀬川冬樹
ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より
高域にわずかに強調感があって、たとえばNo.29ににたような安っぽさが多少残る点が気になったが、どんなレコードをかけても一応ソツなく聴かせる適応性の広さを買って特選にした。組み合わせるアンプやカートリッジに、高域のおとなしいものを選ぶと、総体に質の良い再生をしてくれるだろう。
テスト番号No.13[特選]
ラックス 30C74
菅野沖彦
ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より
オーケストラのスケールはよく再現される量感豊かなスピーカー。しかし、音色的には品位が高いとはいえず、高域が繊細ながら、甘美な味つけがある。また、低域はよく鳴るが明解さの点で、やや濁りがあって不満だ。音程が明瞭に聴き分けられない嫌いがあり音量だけで押しまくる傾向がある。また、ピアノが後へ引っ込むような印象もあり、衝撃音に、もう一つトランジェントの点で不十分なところがあるような気がした。
ラックス SQ78, SQ606
ラックス WL515
ラックス P-22
ラックス SQ505
岩崎千明
スイングジャーナル 1月号(1968年12月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
昭和のごく初めのラジオが普及期を迎える頃から、戦前の電蓄大流行の時期は今日のステレオ大全盛期と同じように多くの国内の新進メーカーが隆盛をきわめた。その中にあって、高品質のスイッチ、端子類、ソケットの類のメーカーで規模は大きくないが、ひときわ有名だった錦水堂というキャリアの長いメーカーが関西にあった。このメーカーはトランスをも手掛けていた。このトランス類を初め、全商品ともかなり高価であったが、みるから豪華な神経の行き届いた仕上げのたまらない魅力であった。私の家に戦前直前、つまり昭和16年頃作られたと思われる錦水堂と銘うった多接点のロータリー・スイッチがあるが、引張り出して確かめたら30年後の今だに接点不良を起すことなく、使用に耐えそうである。この錦水堂こそ、今日のラックスなのである。
高品質という言葉はいろいろな意味を持っているが、ラックスのアンプの場合は特に信頼度が高いという点が強いようだ。
ラックスのステレオ・アンプにSQ5Bというのがあるが、これは昨年末やっとカタログから姿を消したが、過去8年間にわたって、ままりステレオが始まってから、ずっと作られていたという日進月歩の電子業界にあって、まったくまれな存在の驚くべき製品であった。これも高い信頼性の裏付けであろうが、こんな例はラックスではちょっとも珍しくはない。SQ38Dというアンプもそうだ。今から4年前の製品で、しかも今なおマイナー・チェンジを受けたSQ38Fが現存し、管球式のステレオ・アンプとして貴重な存在にある。昭和初期からのラックスのポリシーは、ステレオ全盛の今日なお輝きを失っていない。トランジスター・アンプが各社からぞくぞく発表されるや、管球アンプで「もっとも頼りになるアンプ」う送り続けてきたラックスの、トランジスター・アンプが待たれた。それが1昨年末発表されたSQ77Tであり、そのデラックス・タイプが、301であった。SQ301は、管球アンプの音を、トランジスター・アンプによって実現すること技術を集中したと伝えられた。それは当時の他社のトランジスター・アンプとはかなり異った音色で、それが、ファンだけでなく専門家の耳さえも賛否の両論に別かれさせた。これはSQ301の存在が、アンプ界において大きなウェイトを占めていたからにほかならない。
’68年後期、つまり昨年の後半になってやっとラックスも今までにない意欲的な姿勢を示した。それがSQ505、606アンプの新シリーズの発表なのである。この新製品は、まさにラックスのイメージを一新した。ここには今までの、のれんを意識した老舗の感覚は見当たらない。しかし今までの永いキャリアは、全体の貫禄の中にずっしりと感じることができる。だがパネルにおけるデザイン、アンプ全体の仕様はまるで違う。フレッシュだ。まるでジムランのインテグレイテッド・アンプSA600にあるような、センスのあふれる仕上がりだ。パネルやつまみのつや消しや磨き仕上げの良さにもその新しいセンスがみられ、しかもスイッチの感覚に昔からの技術的神経の細かさが指先を伝わってくる。このアンプの音は前作得スキュー301とはかなり違う。もっと澄んだ音で、301をソフト・トーンとすればかなりクリアーな感じである。しかし、それでも他社のアンプとくらべると暖かさを感じる。いわゆる真空管的といわれているウォーム・トーンだ。
つまりラックスのアンプに対する音楽的良心はフレッシュなセンスのSQ505にも少しもがけりなく光っているのを感じる。



















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