アキュフェーズのコントロールアンプC240、パワーアンプP400の広告
(モダン・ジャズ読本 ’80掲載)
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アキュフェーズ C-240, P-400
アキュフェーズ C-240, P-400
菅野沖彦
ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶか 最新セパレートアンプ32機種のテストリポート」より
キメの細かいスムースな音は、きわめて洗練された品位の高いものだ。暖かい肌ざわりをもっているし艶のある、粘りのある音は、美音といってよい次元にまで高められている。しかし、反面、素直さ、自然さの面で少々不満がある。荒さは荒さとして聴きたい。
アキュフェーズ E-303
瀬川冬樹
ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
「JBL♯4343研究(2)」より
アキュフェーズ初期の音から、新シリーズは少し方向転換したという印象を受けた。セパレートのC240+P400などを聴いても、明らかに音の傾向を変えた、というより、アキュフェーズとしてより完成度の高い音を打ち出し始めたと思う。それがE303にも共通していえる。たとえば、弱音にいたるまで音がとても滑らかで、艶というとオーバーかもしれないが、いかにも滑らかな質感を保ったまま弱音まできれいに表現する。本質的に音が磨かれてきれいなため、パワーを絞って聴くと一見ひ弱な感じさえする。しかし折んょウを上げてゆくと、あるいはダイナミックスの大きな部分になると、音が限りなくどこまでもよく伸び、十分に力のあるアンプだということを思わせる。
マランツPm8の音のイメージがまだ消えないうちに、このE303を聴くと、Pm8ではプリメインという先入的イメージの枠を意識しなくてすむのに対して、E303は「まてよ、これはプリメインの音かな」とかすかに意識させる。言いかえるとPm8よりややスケールの小さいところがある。しかし、そのスケールが小さいということが、このE303の場合は必ずしも悪い方向には働かず、むしろひとつの完結した世界をつくっているといえる。Pm8ではプリメインの枠を踏み出しかねない音が一部にあったが、E303はこの上に同社のセパレートがあるためかどうか、プリメインの枠は意識した上で、その中で極限まで音を練り上げようというつくり方が感じられた。たとえば、「ザ・ダイアログ」でドラムスやベースの音像、スケール感が、セパレートアンプと比べると心もち小づくりになる。あるいはそれが、このアンプ自体がもっているよく磨かれた美しさのため、一層そう聴こえるのかもしれない。これがクラシック、中でも弦合奏などになると、独得の光沢のある透明感を感じさせる美しい音として意識させられるのだろう。
内蔵MCヘッドアンプのクォリティの高さは特筆すべきで、オルトフォンMC30が十分に使える。Pm8では「一応」という条件がつくが、本機のヘッドアンプは、単体としてみても第一級ではないだろうか。
総じて、プリメインアンプとしての要点をつかんでよくまとまっている製品で、たいへん好感がもてた。
最新セパレートアンプの魅力をたずねて(その14)
瀬川冬樹
ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶか」より
ずっと以前の本誌、たしか9号あたりであったか、読者の質問にこたえて、マッキントッシュとQUADについて、一方を百万五を費やして語り尽くそうという大河小説の手法に、他方をあるギリギリの枠の中で表現する短詩に例えて説明したことがあった。
けれどこんにちのマッキントッシュは、決して大河小説のアンプではなくなっている。その点ではいまならむしろ、マーク・レビンソンであり、GASのゴジラであろう。そうした物量投入型のアンプにくらべると、マッキントッシュC29+MC2205は、これまほどの昨日と出力を持ったアンプとしては、なんとコンパクトに、凝縮したまとまりをみせていることだろう。決してマッキントッシュ自体が変ったのではなく、周囲の状況のほうがむしろ変化したのには違いないにしても、C29+MC2205は、その音もデザインも寸法その他も含めて、むしろQUADの作る簡潔、かつ完結した世界に近くなっているのではないか。というよりも、QUADをもしもアメリカ人が企画すれば、ちょうどイギリスという国の広さをそのまま、アメリカの広さにスケールを拡大したような形で、マッキントッシュのサイズと機能になってしまうのではないだろうか。そう思わせるほど近ごろ大がかりな大きなアンプに馴らされはじめた目に、新しいマッキントッシュは、近ごろのアメリカのしゃれたコンパクトカーのように小じんまりと映ってみえる。
*
ところで、音の豊かさという点で、もうひとつのアンプについて書くのを危うく忘れるところだった。それは、イギリスの新しいメーカー、オースチンの、管球式パワーアンプTVA1の存在だ。
管球式のアンプが、マランツ7を最後に我が家のラインから姿を消してすでに久しい。その後何度か、管球アンプの新型を聴く機会はあったにしても、レビンソンは別格としても出来のよいトランジスターの新しいアンプたちにくらべて、あえて管球式に戻りたいと思わせるような音には全くお目にかからなかった。わたくし自身は、もうおそらく半永久的に管球に別れを告げたつもりでいた。
そういうつもりで聴いたにもかかわらず、TVA1の音は、わたくしをすっかりとりこにしてしまった。久しく耳にしえなかったまさにたっぷりと潤いのある豊かな響き。そして滑らかで上質のコクのある味わい。水分をたっぷり含んで十分に熟した果実のような、香り高いその音を、TVA1以外のどのアンプが鳴らしうるか……。
仮にそういう良い面があったにしても、出力トランスを搭載した管球式パワーアンプは、トランジスターの新型に比較すれば概して、音の微妙な解像力の点で聴き劣りすることが多い。そういう面からみれば、TVA1の音は、レビンソンのように切れこんではくれない。それは当然かもしれないが、しかし、おおかたの管球式の、あの何となく伸びきらない、どこかで物が詰まっているかのような音と比較すると、はるかに見通しがよく、音の細部の見通しがはっきりしている。
中音域ぜんたいに十分に肉づきのよい厚みがある。かつてのわたくしならその厚みすら嫌ったかもしれないが。
TVA1は、プリアンプに最初なにげなく、アキュフェーズのC240を組合わせた。しかしあとからいろいろと試みるかぎり、結局わたくしは知らず知らずのうちに、ほとんど最良の組合せを作っていたらしい。あとでレビンソンその他のプリとの組合せをいくつか試みたにもかかわらず、右に書いたTVA1の良さは、C240が最もよく生かした。というよりもその音の半分はC240の良さでもあったのだろう。例えばLNPではもう少し潤いが減って硬質の音に鳴ることからもそれはいえる。が、そういう違いをかなりはっきりと聴かせるということから、TVA1が、十分にコクのある音を聴かせながらもプリアンプの音色のちがいを素直に反映させるアンプであることもわかる。
今回の試聴では、この弟分にあたるTVA10というのも聴いた。さすがに小柄であるだけに、兄貴の豊かさには及ばないにしても、大局的にはよく似た傾向の音を楽しませる。オースチン。この新ブランドは、近ごろの掘り出しものといえそうだ。
最新セパレートアンプの魅力をたずねて(その19)
瀬川冬樹
ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶか」より
*
少し脱線したが、国産アンプの中で、いまふれたトリオは、価格とのかねあいという上で評価されるべき製品といえるのに対して、さきのデンオン、そして最後にふれるアキュフェーズなどは、価格の割には……といった注釈なしに受け入れることのできる、現在最高水準をゆく音、といってよいと思う。
アキュフェーズのC240、P400、T104の新シリーズは、昨年秋からことしにかけて、順次発表された。C240は、わりあい早い時期から試聴の機会にめぐまれたが、この音は、ほんとうに久々にわたくしをわくわくさせる素晴らしい出来ばえだった。LNP2Lがわたくしの最近最も永いあいだの常用かつ標準機だが、C240の音は、それと比較してどうこうというよりも、LNPとはまた別の路線上で、ひとつの完成度に到達したみごとな音質だといえる。LNPの音は、どこまでも切れこんでゆく解像力のよさ、芯のしっかりした、一音一音をくっきりと浮かび上らせる,それでいながら音どうしが十分に溶け合い、響き合い、立体感と奥行きを感じさせる。
C240の音は、LNPよりもいくぶんウェットだ。そこはいかにも日本のアンプだ。そしてLNPのようにどこまでもこまかく音を解像してゆくというよりも、複雑にからみあい響き合い溶け合う音を、できるかぎり滑らかに、ことさらに音の芯を感じさせずに、自然に展開させてゆく。その音のウェットさゆえに、そしてまたLNP2LやM6の透明感のある解像力と比較するといくぶん曇りを感じさせる点に、ネガティヴな意見を言う人があるが、私はむしろそこを含めて、音のマッスとしての響きの滑らかさを好む。一見見通しがよくないようだが、よく聴くと細かな音は十分に過不足なく解像され、音のマッスの中にきれいにならんでいる。パワーアンプにオースチンのTVA1を組合わせたときの音の良さについてはすでに書いたが、本来のP400がこれに加わってみると、C240の音には意外にシャープな面もあることが聴きとれて興味深い。あるいはP400のほうに音のシャープネスが強調されていてそれをC240がうまく中和するのかとも思えるが、いずれにしてもこの組合せから得られるとても滑らかでありながらよく切れ込み、そしてよく溶け合い響き合う音の快さは、近来類のない質の高い音だと思う。このところアキュフェーズの音には、個人的にかなりシビれているものだから、ついアバタもエクボになっているかもしれないが、しかしデンオンといいアキュフェーズといい、これ以前までの各機種は、これほどまでに完成度の高い、説得力ある音を鳴らしはしなかったことを思うと、今回の新型の、ともに水準の高さがいっそう際立った快挙に思えてくる。
アキュフェーズ T-103, T-104
アキュフェーズ T-104
井上卓也
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
豪華なローズウッドキャビネットに収まった、デジタル型らしくないデザインをもち、高級機らしい雰囲気を備えたモデルだ。
選局は、プッシュボタン操作の4局のプリセット同調、アキュフェーズ独自に開発した手動のパルスチューニングの2系統でおこない、切替なしで任意に選局できる。メモリーは、内蔵のニッカド電池でバックアップされ、電源スイッチを切っても約一年間はメモリーを保持できる。
2個の大型メーターは、マルチパス兼変調度計と新IHF法によるdBf目盛付信号強度計である。パルスチューニングツマミを回転すると100kHzステップでデジタルディスプレイの指示は変わり、ピップトーンがピッピッとその変化を知らせ、同調点では同調表示ランプが点灯する。機能面では、IF帯域帽2段切替、ディマースイッチ、メーター切替の他5mの範囲で使えるリモート選局スイッチが特長である。
マニュアル選局もピップトーンを備えるためフィーリングは通常の横行ダイアルに匹敵するものがあり、ミューティング動作もほぼノイズレスで快適。局間雑音チェックではノイズ分布がナチュラルで、受信チェック時の音質も今回試聴したチューナーのなかでトップランクである。
アキュフェーズ C-240
井上卓也
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
全面的にパネル面の操作をプッシュボタンスイッチでコントロールする非常にユニークなデザインをもつ、アキュフェーズの第2世代を意味する高級コントロールアンプで、アキュフェーズの技術の集大成として完成されたのがC240である。内容的にはMCカートリッジ用ヘッドアンプ、A級ピュアコンプリメンタリー方式のヘッドフォンアンプを備えたトータルゲイン86dBのハイゲインコントロールセンターである。
機能面では周波数特性可変機能が充実し、カートリッジ高域特性を調整するHFトリミング、高音・低音各2段に湾曲点切替可能な8ステップトーンコントロール、3段切替型ラウドネスコントロール、17Hz・12dB/octのサブソニックフィルターなどがある。パネル面は回転ツマミ4個、レバースイッチ1個、プッシュボタンスイッチが実に57個というユニークな構成が採用され、機能別に配置されている。プッシュボタンスイッチ独特の不要なポジションを飛び越して任意のポジションが選択できるフィーリングは、このタイプの最大の魅力だ。とくに、入力セレクターは電子制御のリレーを使うリモート切替型で、音質や耐久性を左右するプッシュスイッチやリレーは全て2回路並列使用で安定度を向上している。回路面はアキュフェーズオリジナルの全増幅段プッシュプル駆動をA級DC方式構成とした特長があり、MCヘッドアンプはモジュール化し安定度を向上している。
アキュフェーズ C-240
菅野沖彦
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「第1回ステート・オブ・ジ・アート賞に輝くコンポーネント49機種紹介」より
ケンソニック社は決して歴史の長い会社とはいえないが、しかし、そのバックグラウンドを知る人にとっては、その歴史は古くトリオ、春日無線にまでさかのぼることになる。こうした歴史の重みに支えられてケンソニック社が誕生したわけだが、この会社は創業以来、あるレベル以上の高級品しかつくらないという体質に徹しているところに、一つの明確なポリシーが伺える。そして、やたらに新製品は発表せず、むしろ基本モデルの改良という形で、一つの製品を煮詰めていこうという姿勢で貫かれているのである。その姿勢が最も顕著に現れている例は、先頃発表されたC200S、P300Sのセパレートアンプである。このセパレートアンプシリーズは、同社の第一号機C200、P300のマイナーチェンジモデルだが、その第一号製品を買った人にも、サーキットボードを交換することによって この最新製品とほとんど同じ性能にまでしてあげるというサービスも怠らなかったのである。これはメーカーにとって大変な企業努力だと思うのだが、やはり製品のロングライフを旗頭にしている会社の体質を如実に示している例だろう。マスプロ、マスセールということは考えず、自分たちのできる量の中で追求し、それを理解していただけるお客様だけに買ってもらおうという、「質」を重視したオーディオメーカーなのである。
そのケンソニック社がつくり上げた最新のコントロールアンプがC240で、従来の製品に見られない、いくつかの新しさが盛り込まれた意欲的な製品である。たとえば、操作スイッチ類を、ボリュウム、バランス、カートリッジの高域特性コントロール以外はすべてプッシュボタンスイッチにしたことである。決して小規模とはいえないメーカーが、ここまで徹底的にプッシュボタンスイッチ化に踏みきった英断をまず買いたいと思う。そして内部を見ても、最新のディバイスと最新のテクノロジーが駆使されているわけだが、同社の初期からのポリシーである全段パラプッシュプルという方式はここでも踏襲されているのである。つまり、同社で自信のあるエレクトロニクス回路技術を豹変させることなく、常に基本的なものは踏襲しながらリファインさせているところに、信頼性のもてる一因があると思う。個人的なことをいえば、プッシュボタンにもう少し質感のいい、色のいいものを使ってくれれば、このユニークなパネルレイアウトがもっと生きてきたのではないかと思う部分もあるのだが、しかし、現在手の届く範囲でメーカーが最もハイエストなパフォーマンスを追求した製品として、十分納得できるものをもっていることは確かである。
ところで、このC240の音質についてだが、一言でいえば同社の従来のコントロールアンプの音に、最新製品にふさわしい洗練度を加えた音ということができる。従来の同社のアンプはたくましい音で、透明という表現よりも、むしろ輝かしい、磨きぬかれたスムーズさをもっていたのであるが、このアンプにもそれは一貫して感じられる。非常にたくましい音であり、磨きぬかれていて力もある豊かな響きの中に、都会的な洗練された音が加わったという感じなのである。おそらくこのアンプの音は、現在のコンポーネントの中でも最高の音質に属するのではないかと思う。プラスアルファをもつこのクラスの海外製品はたくさんあり、確かにそれらは一種独特の雰囲気がある、説得力のある音色を感じさせるが、このC240はそういう領域に達しているように思えるのである。ただ単にドライに無機的にフィデリティを追求していくということだけではなく、あらゆるソースに対して音楽的なエフェクトを聴かせてくれる。
ただ、もっと繊細で、もっと乾いた音が好きだという人ももちろんいるかもしれないと思う。このC240は決して乾いた音ではなく、グラマラスであり、脂の乗った音だからだ。しかし私は、やはり音楽は生命感が躍動しているような、グラマラスで、豊かで、薄っぺらでない底光りのする輝きをもっていてほしい。その意味で、このC240は音質のよさからいっでも、現在のコントロールアンプの中で〝ステート・オブ・ジ・アート〟に選ばれるに値する製品だと思う。
アキュフェーズ E-303
井上卓也
ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
従来のイメージを完全に一新したソフトで大人っぽい表情のデザインをもつプリメインアンプである。回路構成は同社オリジナルの完全対称型プッシュプルを全段増幅に採用し、DCアンプ構成、トーンコントロール段にはサーボ方式が導入されている。パワー段には、MOS・FETパラレルプッシュプルで130W/130Wの出力だ。E303は、音の粒子が細かく十分に磨かれているため、滑らかで柔かく、かつクリアな音をもっている。クォリティは十分に高く高級機としての完成度は高い。
アキュフェーズ C-200S
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
C200の内容を充実させ現代的となった信頼度の高さが魅力である。
アキュフェーズ T-101
菅野沖彦
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
新しい製品ではないがすべてにチューナーの基本性能を確立した優秀機。
アキュフェーズ P-300S
菅野沖彦
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
製品づくりの信念による充実した内容と安定性が立派。
アキュフェーズ C-200S
菅野沖彦
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
高度なテクノロジーとクラフツマンシップの感じられる高級品。
アキュフェーズ C-220
瀬川冬樹
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
滑らかなトロリとした美しい味わい。これはまさに日本の独得の音質。
アキュフェーズ M-60
瀬川冬樹
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
エレガントを表現したい滑らかでソフトな肌触りの音は他に類がない。
アキュフェーズ M-60
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
モノ構成のハイパワーアンプらしく、エネルギー感は流石に見事。
アキュフェーズ C-220A
井上卓也
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
マランツ♯510Mとの組合せでは、かなり聴感上の周波数レンジが広く、伸びたバランスであり、音の粒子の細やかさや、音の柔らかさ、伸びやかさでは、セパレート型アンプとして第一級のものがある。低域は、暖色系の柔らかい音であり、中域はM60の場合よりも、コントラストは薄くなるが、粒立ちは一段とナチュラルで細かい。
音像定位は、まず標準的で、音場感はスピーカーの奥に広がるタイプだ。
内蔵のMCカートリッジ用ヘッドアンプは、MC20よりも103Sのほうがマッチするようで、柔らかく、粒子の細やかな、かなりナチュラルで伸びきった音であり、音場感もスッキリと広がるタイプだ。
アキュフェーズ C-200S
井上卓也
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
マランツ♯510Mとの組合せでは、かなりスッキリとした、いわゆる細身のクリアーな音である。バランスとしては、少し低域が抑え気味で、音を整然と聴かせる傾向があるため、ストレートでソリッドな音という印象となる。
ステレオフォニックな音場感は、左右のスピーカー間の奥に広がり、音像は、かなりクリアーに定位をする。音楽に対しての働きかけは、少し表情を抑える傾向があり、いわゆるマジメ型のアンプである。
音をソリッドに、くっきりと聴かせる点がこのコントロールアンプの特長であり、基本的な音のクォリティでも、このクラスのセパレート型に応わしいものがある。
アキュフェーズ C-220A
瀬川冬樹
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
周到に練り上げられた上質の音であることをまず感じさせる。どんなプログラムソースに対しても、いわゆるメカッぽさや金属質の音を鳴らさずに、しっとりと潤いのある肌ざわりの、上品でエレガントな音を聴かせる。うっすらと薄化粧した感じさえある。音の解像力や切れ込みも十分に良いが、それをあからさまにひけらかさないトロリとした滑らかな味わいが好ましい。内蔵ヘッドアンプは、MC20もDL103Sに対しても良好で、ハイエンドのよく伸びた色あいの美しい音を聴かせた。欲をいえばダイナミックな凄み、そして低音の量感が、それぞれもうひと息増してくるともっと良いが、それにしてもこれはとても良くできたコントロールアンプのひとつといえる。
アキュフェーズ C-200S
瀬川冬樹
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
第一印象は輪郭の鮮明な鮮度の高い音。たとえばテストソースの中の「オテロ」冒頭のようにスケールの大きく編成の複雑な曲でも、混濁を生じることなく、ディテールをくっきりと浮き上らせ、声部をはっきりと際立たせて聴かせる。たた、音のコントラストをつよめて表現に抑揚をつけすぎる傾向があるために、楽音の内面よりも輪郭のくまどりの方に耳の注意をひきつけやすい。したがって打楽器系では立上りの鋭い切れ込みのよさが快いが、弦やヴォーカルではいくぶん硬さや冷たさを感じさせる。ただこれはテストの際のマランツ510Mの音との相乗効果もある。M60のようなソフトな肌ざわりのアンプと組み合わせると、適度に音をひきしめて楽しめると思う。
アキュフェーズ M-60
井上卓也
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
マーク・レビンソンLNP2Lとの組合せでは、かなり硬質でタイトな音となり、300Wのパワーのゆとりを活かしたスケールの大きさがあまり感じられない。M60のペアとしては、LNP2Lはマッチせず、音の傾向から推測すれば、今回の試聴した製品のなかでは、マッキントッシュC32あたりが応わしいコントロールアンプとなるだろう。C220では、EMTの入力は結果としてM69に直接入るために、これをベースとすると、M60は、引き締ったかなりタイトな音をもつアンプだということがわかる。いわゆるハイパワーアンプにありがちな散漫さがなく、整然と音を整理しソリッドに聴かせるところが特長である。
アキュフェーズ P-300S
井上卓也
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
150W+150Wクラスのパワーアンプとしては、トータルバランスがとれたスタンダードな性質をもつアンプである。
マーク・レビンソンLNP2Lとの組合せでは、C200Sとの場合よりも、音の鮮度が一段と高くなったクリアーな音を聴かせる。低域がバランス的に少し抑え気味のようで、かなり引き締っているが、豊かさはもう少し欲しいようだ。この面からは、大型スピーカーを使い、かなり音量を大きく再生したときに、適度のバランスがとれるタイプのアンプのようである。音の粒子は、最新のアンプのような微粒子型でなく、聴感上で中域が薄く感じられないところが、このアンプの特長である。
アキュフェーズ M-60
瀬川冬樹
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
露(あらわ)とか、あからさま、といった感じをことさら避けて、潜在的に持っている力をさえ一見それとわからないほどさりげなく感じさせるところまで練り上げたとでもいうような、いわば日本に古くから伝わる美徳とでもいった雰囲気を漂わせる音、といったらほめすぎになるだろうか。ほどよく潤いのあるしっとりした肌ざわりで、どんなハイレベルでも荒々しい音をとろりとくるみこんで上品に鳴らすところは「M60の音」とでも呼びたくなりそうになる。反面、すべての音を音源からやや遠くに持ってゆく傾向があり、曲によってはもっと荒くとも演奏に肉迫した感じ、もっと生々しい躍動感を求めたいという気持にもさせる。だが良いアンプであることは確かだ。
アキュフェーズ P-300S
瀬川冬樹
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
ロングセラーに改良を加えて事実上のニューモデルに変身したが、改良の成果はコントロールアンプよりもこちらに顕著のように思える。旧型のP300は(というより従前までのアキュフェーズの目ざしていた音は)、どちらかというと穏健型のおだやかな、音の丸みを大切にした作り方だったが、Sタイプになってそれが一変して、現代の新型アンプに共通の入力に対する反応(レスポンス)の鋭敏な、とても新鮮な音のするいいパワーアンプに生れ変ったと思う。ただそれがしいていえばもうひとつ熟成を待ちたい感じとでもいうか、C220やM60の鳴らす解像力の優れているがそれをあらわに出さないといういわば大人の雰囲気にくらべて、むしろ若さを感じさせるところがある。


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