Category Archives: スピーカーユニット - Page 12

オンキョー HM-300A MKII

岩崎千明

電波科学 5月号(1971年4月発行)
「実戦的パーツレビュー」より

 オンキョーのHM500中音ホーンスピーカを取り上げて、推薦したことがあった。当時、発売間もなくだったこの中音ユニットは、その優秀性がひろく世に認められ、順調な売行きを見せた。
 わたくし個人も、このHM500の優れた中高音のお世話になったこともある。というのはわたくしごとで、少々申訳けないのだが、束京の中野で、ジャズ・ファンの溜り場みたいな喫茶店をやっている。この店で常用していた装置はJBLのアンプとスピーカシステムで、そのシステムD130(38センチ)とLE85(中高音用ホーン形)の組合わせをC40ハークネス形バックロードホーンに入れて使っていた。
 あまりパワーを入れ過ぎたためか片側の中高音用のこのユニットがびりつき出し、中をあけるとダイアフラムのエッジがバラバラになってちらばっていた。断線でなく、ダイアフラムのオーバースイングが原因のようだった。そこで急場しのぎに手持ちの国産中高音ホーン形をもってきて、音を出してみたのだった。
 LE85特有のアタックと、ひずみの少ない高品質の再生に、もっとも近かかったのがこのオンキョーHM500であった。これは、はからずも多くの人の耳で確められる試聴とその結果を得た。
 つまり、横においたユニットなしのLE85用ホーンHL91が鳴っているのであると多くの人に思われたのである。そのとき鳴っていた中高音用は、むろん、JBLではなくて、オンキョーHM500であったのだ。さて、話の本筋に入ろう。
 HM500に発揮したホーンスピーカの技術が新らしく、中音ホーンスピーカHM300を作り上げた。
 これを広告で知ったときから、その再生能力を自分の耳で一度確めたいと強く希ったが、たまたまオンキョーの秋葉原ショールームにおけるコンサートに引張り出されたチャンスに、この音に接した。
 そして、わたくしはこのすばらしい音が眼前の「国産品」から出ていることに驚嘆した。
 ひとことでいうなら、この中音ホーンスピーカの音は、まさにアルテックのそれだ。もう少し厳密にいうと、アルテックの華やかさを除き、そっけないぐらい素適な音である。
 今まで、どんな賛辞と共に聴かされた国産中音用ホーンでも、音を出して一瞬のうちに、それがまぎれもなく国産スピーカの音であることを知らされ、次になげかざるを得なかった。
 しかし、ホーンスピーカを中心とし、大きなエネルギー輻射を目的としているスピーカとしては、国産品というからを破って、外国一流品と太刀打ちできる製品は、市販品では絶無である。
 一度、外国製中音ホーンの優秀製品に出会えば誰でも認めざるを得ない事実であろう。口惜しいが、それが現状だ。いや現状であった。といいなおそう。今やわたくしの限前に、HM300が、高らかに鳴り響いているのではないか!
 HM300の良さ、それはずばぬけた高能率、再生帯域のひろさなどではない。もちろんそういう点でも、外国製の、さらにはっきりいえばアルテックの511B+802Dにいささかも劣るものではない。それはどに申し分ない高能率とワイドレンジであることは確かである。
 わたくしにとっては、「中音」の「質」そのものこそ重要である。これを形作るものは広帯域のピークのないf持と共に、過渡特性の優秀なことこそポイントであると考えている。
 ホーン形スピーカは過渡特性がいい、という定説は広く知られているが逆に、それ故にピークを帯域内に生じやすく、それが再生の質を大いに落してしまうことも現実の製品として少なくないのが事実だ。
 ハイパワーと高能率。フラットなf特と優れた過渡特性という相反するポイントが見事に結実してこそ優れたホーンスピーカが出来上るのである。中音域では、これが極端にむずかしいのが、国産ホーンに優秀製品が皆無であった理由であろう。
 HM500にみせたホーン形の技術、とくに注目すべき、リア・ダイアフラム形の採用によるエッジ部の共鳴の除去が強力形中音用HM300の完成をもたらしたのであろう。
 中音域が音楽再生においていかに重要かということをくどくど説明する紙面もないが、アルテック製品をもしのぐ国産中音ホーン形スピーカの誕生に、双手をあげて賞賛と推薦のことばをはなむけにしたい。
 なお、ひとこと付加えるならば、その55、000円という価格はオーディオマニアによってかなりの負担には違いなく、同級輸入品とほぼ同レベルにある。
 しかし、この級の中音ホーンを自分の装置に加えるほどのマニアだったら、また海外製品に匹敵し、あるいはこれをしのぐ性能を知れば、その投資に対し、十分な価値を認めるであろう。

YL音響 18000, EL-1000

YL音響のスピーカーユニット18000、ホーンEL1000の広告
(スイングジャーナル 1971年4月号掲載)

YL

ソニー SD-3800W, SD-3000W, SD-1200M, SD-5000M, SD-6000T

ソニーのスピーカーユニットSD3800W、SD3000W、SD1200M、SD5000M、SD6000Tの広告
(スイングジャーナル 1971年2月号掲載)

Sony

クライスラー CE-1acII, CE-2aII, CE-4a, CE-5aII, CE-6a, TYPE-1w

クライスラーのスピーカーシステムCE1acII、CE2aII、CE4a、CE5aII、CE6a、スピーカーユニットTYPE1wの広告
(ステレオ 1970年12月号掲載)

CE1

オンキョー HM-300A MKII, DM-500A MKII, AL-8A

オンキョーのスピーカーユニットHM300A MKII、DM500A MKII、AL8Aの広告
(ステレオ 1970年12月号掲載)

Onkyo

アルテック Valencia, Santana, 420A, 807-8A, 811B, 416-8A, N801-8A

アルテックのスピーカーシステムValencia、Santana、フルレンジ420A、ドライバー807-8A、ホーン811B、ウーファー416-8A、」ネットワークN801-8Aの広告(輸入元:エレクトリ)
(ステレオ 1970年12月号掲載)

ALTEC

リチャードアレン NEW GOLDEN EIGHT TWIN, デッカ DK30, Acoustic Lens

リチャードアレンのフルレンジユニットNEW GOLDEN EIGHT TWIN、デッカのトゥイーターDK30、音響レンズAcoustic Lensの広告(輸入元:バルコム)
(スイングジャーナル 1970年11月号掲載)

Decca

タンノイ IIILZ, Autograph, GRF

タンノイのスピーカーシステムIIILZ、Autograph、GRFの広告(輸入元:シュリロ貿易)
(スイングジャーナル 1970年10月号掲載)

Tannoy

フォスター FX-2500

フォスターのフルレンジユニットFX2500の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

FX2500

ヤマハ JA-0506

ヤマハのトゥイーターJA0506の広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)

JA0506

ヤマハ JA-0506

ヤマハのトゥイーターJA0506の広告
(スイングジャーナル 1970年5月号掲載)

JA0506

ヤマハ JA-0506

ヤマハのトゥイーターJA0506の広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

JA0506

オンキョー HM-500A MKII

オンキョーのスコーカーHM500A MKIIの広告
(ステレオ 1970年5月号掲載)

HM500A

JBL 375, 537-500

JBLのコンプレッションドライバー375、ホーン537-500の広告(輸入元:山水電気)
(ステレオ 1970年4月号掲載)

JBL

YL音響 331A

YL音響のスピーカーユニット331Aの広告
(スイングジャーナル 1970年3月号掲載)

YL

JBL LE175DLH

JBLのスピーカーユニットLE175DLHの広告(輸入元:山水電気)
(ステレオ 1970年3月号掲載)

JBL-Segawa

JBL D130

岩崎千明

スイングジャーナル 2月号(1970年1月発行)
「私とジムラン」(サンスイ広告)より

 私はその部屋に入るなり思わず立ち尽くした。目もくらむような鮮かなフル・コンサートの音でその部屋は満たされていた。
 何分たったろうか、視線をめぐらしてスピーカーの存在を確かめるまで、それが再生された音であるとは信じられないぐらい鮮烈であった。
 私とJBLの最初の出合いは、その音と共に強烈な印象を脳裏に刻み込まれたのである。
 なんと幸運にも、その音を出していたJBL・D130はこの直後、私の部屋のメイン・スピーカーとなって、鮮かな音で再生音楽に息吹を与えることとなったのだ。13年も前のことである。

 JBLという名が米本国のハイファイ業界において大きく伸び、広い層に知られるようになったのは、前大統領リンドン・B・ジョンソンの時期であったといわれる。ジョンソンのイニシアルであるLBJにひっかけて、JBLという呼称で、最高級ハイファイ・スピーカーのイメージを広く一般層にアピールした作戦があたったためであろう。

 私がJBLを使い出した頃、米国マニアの一般の通例として、ランシング・スピーカーといういい方で知られていたが、すでに最高級マニアのみが使い得る最高価格のスピーカーとしての定評は、米本国内では確固たるものであった。
 ランシング・スピーカーと呼ばれる商品はJBLのほかにアルテックの製品があるが、アルテックが業務用ということで知られていることをはっきり狙った製品だ。業務用が信頼性と安定性をなによたも重要視するのにくらべて、ハイファイ用はまず、音楽の再生能力そのものを意識する。
 JBLが独立した戦後間もない初期の製品は、アルテックのそれと外観、機構ともよく似ている。しかし音自体はかなり差があって、JBLの方がより鮮明度が高い、ということができた。このことは現在でも少しも変らずにJBLの音に対する伝統となっている。

 D130が1本しかなかったため、私はステレオに踏み切るのがかなり遅かったが、他のスピーカーによるステレオ以上に、D130のモノーラルの方がずっと楽器そのものを再生した。よく、どぎつい音がするとか、派手な音がするとかいわれたが、装置の他の部分、例えばアンプとか、カートリッジとかがよくなればよくなるほど、私のD130はますます冴えて、本物の楽器のエネルギーを再現してくれた。
 私は最近、ジャズをよく聴くが、アドリブを重視するジャズにおいては、一瞬一瞬の情報量という点で、ジャズほど情報量の多いものはない。一瞬の波形そのものが音楽性を意味し、その一瞬をくまなく再生することこそが、ジャズの再生の決め手となってくる。
 音色、バランス、クオリティー、パターン、いろいろ呼び方の音の再生能力の中で、ジャズでは音の変化の追随性というか、過度特性という点が、もっとも重要なファクターであるといえる。
 その点でJBLのスピーカーは、最も優れた能力を秘めていると思える。長い間、私はいろいろなスピーカーを使ったが、結局、最近はJBLを最も多く聴くようになってしまった。

 いま私の部屋にはレコード試聴用のSP-LE8Tとは別に、C40リアー・ホーン・ロード・バッフルに収められたD130が2本、それにオリジナル175DLHのクロスオーバーを下げた強力型のLE85が2ウェイを構成し、ステレオ用としてのメイン・システムとなっている。

 時代が変っても、社会の急速な進歩と共に、再生芸術の狙いも変ってくる。毎月聴いている新譜も、鮮かな音のもが増えているが、JBLのスピーカーはますます冴えて、その限りない真価を深めつつある。

JBL D130

JBLのスピーカーユニットD130の広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1970年2月号掲載)

JBL1

アルテック BF419, 3000H, N3000E

アルテックのスピーカーシステムBF419、トゥイーター3000H、ネットワークN3000Eの広告(輸入元:エレクトリ)
(スイングジャーナル 1970年2月号掲載)

ALTEC

サンスイ SP-1001, AU-555, BA-60, BA-90, TC-505, TU-555, CD-5, SR-2020

サンスイのスピーカーシステムSP1001、プリメインアンプAU555、パワーアンプBA60、BA90、コントロールアンプTC505、チューナーTU555、エレクトリッククロスオーバーネットワークCD5、アナログプレーヤーSR2020の広告
(スイングジャーナル 1970年1月号掲載)

Sansui

JBL 375, 537-500, 075

JBLのスピーカーユニット375、537-500、075の広告(輸入元:山水電気)
(ステレオ 1970年1月号掲載)

JBL

オンキョー W-30A MKII, W-38A MKII

オンキョーのスピーカーユニットW30A MKII、W38A MKIIの広告
(ステレオ 1970年1月号掲載)

W38A

コーラル 6CX-50, 8CX-50, 10CX-50, 12TX-50

コーラルのスピーカーユニット6CX50、8CX50、10CX50、12TX50の広告
(ステレオ 1970年1月号掲載)

8CX50

フォスター G-11, G-33, G-44, FE-103SR, FE-133SR, FE-163SR

フォスターのスピーカーシステムG11、G33、G44、スピーカーユニットFE103SR、FE133SR、FE163SRの広告
(スイングジャーナル 1969年12月号掲載)

foster

フォスター G-11, G-33, G-44, FE-103SR, FE-133SR, FE-163SR

フォスターのスピーカーシステムG11、G33、G44、スピーカーユニットFE103SR、FE133SR、FE163SRの広告
(スイングジャーナル 1969年11月号掲載)

foster