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アムクロン SL1

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 公称データはやたらによいプリアンプで、歪率は、ハーモニックス、IMともに通常の1桁2桁下だ。しかし、音はその通り桁違いによいとは感じられない。機能的には、業務用として設計されているので、一般には使いよい製品とはいえないし、デザインや作り、仕上げも決して魅力や味わいのあるものではない。これこそ、ラックマウントで使うべきもので、音楽鑑賞用としては少々冷たく、荒っぽいといわざるを得ない。

音質の絶対評価:7

アムクロン SL-1, SA-2

アムクロンのコントロールアンプSL1、パワーアンプSA2の広告(輸入元:ヒビノ音響)
(スイングジャーナル 1980年7月号掲載)

Amcron

オンキョー SL-1

井上卓也

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 最近のスピーカーシステムの話題に欠かせないのがスーパーウーファーシステムである。既存のスピーカーシステムの最低域を増強するこの方式は非常に効果的で、うまくバランスがとれたときには格段にスケール感が優れた音を聴くことができる。
 しかし、専用ネットワーク、パワーアンプ、スーパーウーファーなどのコンポーネントの選択から始めると、現在でも製品も少なく、誰にでも容易におこなえるものとは思われない。このSL1は、本来のスーパーウーファーシステムの名称のように、コンプリートなシステムとして開発された点にオリジナリティがある。
 構成は、エンクロージュア内部が二分割され、内側にドライブ用20cmユニットがあり、一般のウーファーユニットに相当する位置にジュラルミン板とゴムシートを使った平盤上のパッシブラジエーターが配置される独特の方式である。このドライバーと38dm口径のパッシブラジエーターは相互の共振を利用して、30〜50Hzがほぼフラットであり、上側も下側もシャープにレスポンスが落ちるバンドパス特性を得ている。
 エンクロージュア下部には、低域特性が優れ、効率が高く発熱量が少ないPWM方式の60Wパワーアンプと、カットオフ周波数60Hz、70Hz、PASSが選べるフィルターが組込まれている。
 使用例は、メインシステムのパワーアンプのスピーカー端子から信号を得る方法で、3D方式と各チャンネルごとにSL1を1台ずつ使う2種類が選択でき、プリアンプやチャンネルデバイダーから信号を受ける方法とあわせて3種類があり、大変にヴァーサタイルな設計で、中級以上のブックシェルフ型と組み合わせると3D方式で素晴らしい効果が得られた。