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ダイナベクター OMC-38 15AQ, OMC-38 15BQ

井上卓也

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 OMC38−15BQは、低域のダンプが適度であり、音の粒子はやや粗く感じられるが、ヴォーカルの子音を強調せず、スッキリとクリアーにコントラストをつけて表現する、オーソドックスなMC型の魅力があり、個性が表面的にあらわれない立派な音である。やや、全体の表情がリズミックでない面もあるが性質は素直で、音場感は拡がりがあり、音像はクリアーに立つタイプである。
 OMC38−15AQは、15BQよりもおだやかなウォームトーン系の音である。中域はやや硬調で、ヴォーカルはハスキー調となりやすい。低域は15BQよりも量感があり豊かだが、密度は少し薄くなる。全体に音の輪郭はシャープではなく、線が太くなるが、純鉄がもつ独得の暖かさに似た印象があって落着いた雰囲気が感じられる。

ダイナベクター OMC-38 15AQ, OMC-38 15BQ

岩崎千明

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 オンライフは、オリジナリティを充分にもった管球式セパレートアンプや、最近発表したセンセーショナルな近代的トーンアームなど、新しい技術をもった日本には珍しいオリジナリティを大切にするメーカーだ。
 オンライフのカートリッジは、すべてMC型で、OMC38ダイナベクターシリーズとして、15A、15AQ、15B、15BQの四つの製品がある。ボディは赤い透明なプラスティック製で、内部構造の様子が伺い知ることができるのが特長だ。MC型ながらMM型とほとんど変わらぬ高出力で使いやすさを大切にしているのは、マニアにとってはありがたい。
 今回試聴した製品は、全体に緻密な音で、エネルギー感も充分にもち、とくに打楽器に対してはMC型の中でも群を抜く再生をする。もちろんトレース能力も安定している。ベリリウムカンチレバーをもったOMC38/15BQは、ときとしてデリケートな音の再現で、オーバーに感じられることがあるのだが、15AQは、BQに比べるとソフトな聴き易さをもち、より自然だ。一般的なMC型に比べれば、鮮明度は充分高い。

ダイナベクター OMC-38

ダイナベクターのカートリッジOMC38の広告
(オーディオアクセサリー 1号掲載)

OMC38