Tag Archives: MonitorII

インフィニティ Monitor II

瀬川冬樹

ステレオサウンド 37号(1975年12月発行)
特集・「スピーカーシステムのすべて(下)最新40機種のテスト」より

 アメリカ西海岸の新しい世代のスピーカーだが概してスーパーハイ(超高音)の領域を強調する傾向のあることは前号(81ページ以降)に書いたとおりだが、インフィニティのウォルシュ・トゥイーターの音は、どことなく粘った感じの、クチュクチュあるいはペチャペチャとでもいう形容の似合うたいそう独特の音を鳴らす。いかにも高域のレインジが広いんだぞ! と言わんばかりで、そしてたしかにレインジは広いのだが、音色のつながりが必ずしも良いとはいえない。レベルコントロールで絞ると音の面白みに欠けるので、結局FLATの位置の方がよかった。東海岸の製品が中~低域に引きずられるのとは対照的に、何を鳴らしても総体に中高域にひっぱられて軽い音になる傾向を示す。それがどこか空威張りのようで、もう少し実体感が欲しい。ただ、シェフィールドのダイレクトカッティング・レコードでパワーを上げると、がぜん精彩を放って、こういう音がこのスピーカーの性に合っていることがわかる。上蓋を取った方が音の広がりがよく出る。

採点:82点

インフィニティ Monitor II

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 独特な放射理論で開発されたトゥイーターをもつ意欲的な製品。中低域の腰が少々細身だが、繊細な高域と豊かな低域はスケールの大きなシンフォニックな響きが素晴らしい。