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KEF Model 105.4, Model 103.2

KEFのスピーカーシステムModel 105.4、Model 103.2の広告(輸入元:BSRジャパン)
(オーディオアクセサリー 21号掲載)

KEF105

KEF Model 103

菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’79ベストバイ・コンポーネント」より

 いかにも英国の代表的スピーカーの音という感じの、輪郭の明快なサウンドが得られる2ウェイシステムだ。私の感覚ではちょっと小骨っぽいという印象だがそれだけ芯がしっかりしているともいえるわけで、むだなたるみのないすっきりとした端正な音が聴かれる。英国のオーケストラのサウンドにも共通するものといえる。

KEF Model 103

瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

価格が大幅に引下げられて、この低価格帯では特筆のベストバイ製品。

KEF Model 103

井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

103小型モニターとしても使える音と性格をもつKEFならではの製品。

KEF Model 103

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 KEFとしては音の肉付が豊かで、しかも、骨格のしっかりしたよさは、このメーカーらしい魅力を感じさせる。端正なバランスは、クラシックの品位をよく再現するし、高弦の表現に生命感が生きる。また、ジャズを聴いてもよく力感を再生してくれるので、かなりハードな音楽性に不満が出ない。104からみれば、かなり小型にまとめられているから、インテリアとの溶け合いにはこのほうがよかろう。

KEF Model 103

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ♯104が、音のデリカシーを大切にしている反面、耐入力にやや弱いという性格を改善したのが103で、密閉型であるために低域でのウーファーのはためきも少なく、104よりもタフネスさでは優っていて、その音質も、104ほど線の細い感じがしない。小型の割に意外に重いので驚かされるが、前面バッフルに鉄板を採用しているからで、バッフル版の向きを変えて指向性をコントロールできるのも特徴のひとつである。

KEF Model 5/1AC, 104AB, 103

瀬川冬樹

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より

 #5/1ACは、デュアル・チャンネルのパワーアンプとデバイダーを内蔵したモニタースピーカーだが、その原形は1950年代までさかのぼり、英国BBC放送局の研究スタッフと、KEFの社長レイモンド・クックとの長期に亙る共同研究の結果完成したモニタースピーカーLS5/1Aが基本になっている。
 LSというモデル名は、BBC放送局で正式に採用されるモニタースピーカーだけに与えられる。中でもLS5/1Aは、NHKでのAS−3001(市販名は2S−305。現在は改良型のAS−3002が主力)に相当するマスターモニターの主力機としてBBCで長期間活躍している。これをもとに、いっそうの耐ハイパワー化と、解像力に優れた現代のモニターに成長させた製品がKEF#5/1ACで、これを機にKEFでは、一般市販用の〝C〟シリーズに加えて、新たに〝リファレンス〟シリーズを作りはじめた。その名のとおり音質比較の基準としても使えるだけの優れた特性のシリーズとして、まず#104が発表され、小型であるにもかかわらずフラットでワイドな周波数特性で世界の注目を集めた。またKEFはこれらのシリーズ開発のプロセスで、コンピューターによる全く新しいスピーカーの測定・解析法を考案し、今ではこの方法が、日本でも多くのメーカーによってとり入れられて成果が上がっている。
 104に続いて発表された103は、指向性改善のためにスピーカーバッフルの向きを変えられること、そしてより一層にハイパワーに耐えることに特徴がある。最近になって、さらに進んだ解析の結果ネットワークを改良した104ABを発表したが、低音ユニットと高音ユニットり音のつながりが明らかに改善されて、見事に洗練された繊細で自然な音を聴かせる。イギリスのスピーカーの概してハイパワーに弱い性格はKEFも同様だが、家庭用として常識的な音量で鳴らすかぎり、このこまやかで上品な音質は、音を聴き込んだファンには理解されるにちがいない。