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ラックス L-309V

菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

完成度の高いロングライフの製品で、大人の風格をもつ。

ラックス L-309V

 菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ラックスらしい風格をもった品位の高い音の情趣が、その質感の高いパネルデザイン、ツマミ廻りのフィニッシュと共に、高級プリメインアンプとしての雰囲気に満ちている。新シリーズが発売された現在も、その独自性の故に、ライン・アップからはずされることなく、ロングライフを保つ製品となるだろう。管球式の38FDのデザインと共通のイメージのTRアンプとして内容外観フィニッシュの三拍子そろった製品だ。

ラックス L-309V

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 新製品ではないが、これも本誌42号の試聴テストで再発見しなおしたアンプのひとつ。ラックスというメーカーの体質の一面ともいえる、押しつけがましさのない上品な音が、十分に練り上げられた質の高さに裏づけられて、じっくりと聴き込むに耐える本ものの魅力に仕上がっている。デザインもよくこなれているし、ペアとなるべきチューナー(T300V)と並べた印象も、買った人に満足感を与えるだろう。

ラックス L-309V

瀬川冬樹

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 ラックスというメーカーが体質的に持っている上品さ、押しつけがましさのない控えめな印象が素直に音になっている。これみよがしな、あるいは大上段に振りかぶるようなところが少しもなく、上品に磨かれた、聴き手に安らぎを与えるような渋く美しい音。粗野なところがなく、低域から高域までの全帯域を、同じひとつの質感で鳴らすので、いつまで聴いていてもどこかおかしいというような感じを抱かないで安心して楽しめる。以前の製品でともすると不足しがちだった中低域の力や音の密度も、309Vでは過不足なく具えている。こういう上品な音は、クラシックにはむろん悪いわけがなく、弦やヴォーカルを滑らかに気持よくハモらせるがピアノの打鍵やポップスのパーカッションのハイパワーでも、腰くだけにならず十分に聴きごたえのある質の高い音で聴ける。素晴らしいとまではいえないかもしれないが、飽きのこない上等の音質といえるだろう。

ラックス L-309V

菅野沖彦

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 楽器や演奏の持つ美しい質感をよく再現するアンプで、ハイセンスの音の品位と風格を持っている。オーケストラの持つヴェルヴェットのようなクォリティ・トーンをよく再現するし、ピアノ一音一音のデリカシー、輝かしい音色を生き生きと再現する。こうした微妙な音色感が得られるか得られないかが、10万円を越えるアンプの評価の分れ道だと思うのだが、このアンプは、はっきりその水準を越えている。もちろん5〜6万円クラスのアンプにもそういうものがあるのだが、10万円以上のアンプでも、その再現をなし得ないものが多いのだ。ただ、文句をいいたくなるのは、ノイズレベルが最新最高の水準に至っていないことで、残留ノイズも少なくないし、ボリュウムを上げた時のノイズの増加も、ゲインに比して多過ぎる。最新の製品ではないのである程度はやむを得ないが少々気になる。見た目の風格も、さすがにベテランの落着きと重厚さで品がいい。

ラックス L-309

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 500シリーズで確立したラックス独特のデザインのイメージやファンクションの整理が、このモデルで完成度を高めた。パネルの色あいやツマミの感触は、もうひと息だが。

ラックス L-309

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 独特な雰囲気と風格を感じさせる渋好みの音は洗練された美しさをもつ。デザインも高級機にふさわしく落着いた大人の風格だ。見せかけではない誠実さが滲み出ている製品。