Tag Archives: L150

JBL L150A

JBLのスピーカーシステムL150Aの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1981年9月号掲載)

JBL

JBL L150A

瀬川冬樹

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 発売後約1年半を経たL150の小改良型で、改良のポイントは、第一にグリルクロスを外してみるとすく目につくが、ドームトゥイーターが、旧型の黒い色からアルミニウム系の金属質の色に変っている。おそらくL112のトゥイーターと同等かまたは同じ技術で作られていると思う。
 第二は内蔵の分割回路の改良とのことで、これは外からはみえない。
 たまたま、別項で紹介しているアキュフェイズの500W(M100)の試聴と重なっていたので、遊びついでに、エージングをかねて、思い切りパワーを放り込んでみた(マイ・リトル・スウェード・シューズ/西 直樹 トリオPA9209)。M100のピークインジケーターが、一瞬、640W! を指示するほどの、といっても、目の前で演奏している、あるいは演奏者たちの間に入れてもらったような音量。しかし鳴り終えてしばらくは耳がジーンと鳴っているような、いささかショッキングな音量で一曲聴いてみるが、実に整然とバランスが整って、安定感があり、ユニットがハイパワーで飛ぶのではないかなどといったおそれは少しも感じさせない。ウッドベースはよく引き締って、しかし量感と弾みがあるし、ピアノの打鍵の切れこみ、ドラムスの叩き込んだエネルギーと音離れのよさ、実に爽快な一瞬を味わった。
 このあと、もっとふつうのアンプに戻してフュージョンその他のポップス、ヴォーカル等を聴いたが、抑制の利いたややクールな鳴り方で、全体にバランスのよく整っていること、旧型ではトゥイーターの上限に少しクセっぽい音のあったがよく取り除かれていること、総体に改良のあとははっきり認められた。
 ただ、旧型が、ときに少々きわどい音を鳴らしながらも、その反面として、難しいクラシックの弦の音にさえも、一種の魅力的な味わいを示したのに比較すると、総体に音がやや艶消しの質感、あるいは乾いた方向に調整されているので、結局、新製品はポップス系をよりよく再現する方向に徹したのではないかと想像した。
 設置のしかたはとても楽で、特別に台を用意せずにゆかの上にそのまま置いても、低域の音離れもよいし、背面は共振のない固い壁ならむしろぴったりつけてしまってさしつかえない。

JBL L150A

JBLのスピーカーシステムL150Aの広告(輸入元:山水電気)
(オーディオアクセサリー 21号掲載)

L150A

JBL L150

JBLのスピーカーシステムL150の広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1980年7月号掲載)

JBL_L150

JBL L150

菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より

 JBL・L150は、JBLの新製品。79年暮の発売。3ウェイ・3ユニットでドロンコーン付のトールボーイタイプである。精緻な音像の再現能力はいかにもJBLらしい。小音量でもぼけず、大音量再生は、家庭ほどの部屋なら間近かの生演奏に匹敵するレベルまで安定して可能である。

JBL L150

瀬川冬樹

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 少し前までのJBLは、かなり高額にならないと、音の質やバランスに納得のゆかない製品が多かったが、最近はローコストのほうも作り方が巧みで、一本筋が通ってきた。L150も近ごろちょっと感心した。たとえばブルックナー。コンセルトヘボウにしてはちょっと明るいきらいはあるにしても、相当に上質で滑らかで、本もののオーケストラの味わいが確かに鳴る。音量を絞っても音像がくっきりしていて、音の細やかさが損なわれない。ピアニシモでひっそりした印象を与えるのは、相当に優秀なスピーカーである証拠といえる。フォーレのヴァイオリン・ソナタでも、JBLでこんなにしっとりした雰囲気が? と驚きながら、つい聴き惚れてしまう。ここまできてようやく、テスト用以外のレコードを次々と聴きたい気持にさせ、しかもどのレコードを聴いても裏切られないスピーカーが出てきた。一枚一枚について細かく書くスペースのないのがとても残念だ。アンプ、カートリッジも選り好みせずそれぞれの魅力をよく生かす。

総合採点:10

●9項目採点表
音域の広さ:9
バランス:9
質感:9
スケール感:9
ステレオエフェクト:9
耐入力・ダイナミックレンジ:9
音の魅力度:10
組合せ:普通
設置・調整:普通

JBL L150

菅野沖彦

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 JBLの新製品L150は、L220の廉価版と受けとることもできるし、L110のグレードアップ版ともいえる。3ウェイ3スピーカーにドロンコーンを加えて、トールボーイタイプのフロアー型システムにまとめ上げたもの。トゥイーターは2・5cmドーム型、スコーカーは13cmコーン型、ウーファーは30cmコーン型で、ドロンコーンも30cm径だ。明解な音の解像力、現実感のあるシャープな立上り、豊かでいてけっしてたるみの出ない低音に支えられた端正なバランスは、JBL製品中でもかなり出来のいいシステムだと思う。これで、高域の品位がもう一つ高ければ文句なしだが、このドーム型トゥイーターには、弦の高域にやや耳を刺す傾向があるのと、ホーン型トゥイーターほど明晰とはいえないところが残念である。オーケストラのトゥッティの質感にこの傾向が聴かれ、もう一つ落ち着いた滑らかなテクスチュアが聴きたかった。ジャズ系のソースでも、スネアのブラシングに少々不満がつきまとったのもこのせいと思われる。

総合採点:9

JBL L150

黒田恭一

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 長所を多々そなえているスピーカーだが、すばらしいとはいいきれない理由がある。それをまずはじめに書いておこう。ひびきのきめがいくぶん粗い。ひびきのきめということでいえば、パイオニアS955の方が、ひとランク上だ。そのために、力にみちたサウンドへの対応ということで、ものたりなさを感じることになる。しかし、このスピーカーのきかせるはれやかなひびきは、実に魅力的だ。とりわけ❶のようなレコードできけるような、ふっきれているというか、につまっていないというか、さわやかなサウンドへの反応は、敏感だし、鋭いし、ききてをときめかさずにはおかない。ただ、❷になると、フォルテによるピアノの深いひびきの提示で、不充分さを感じることになる。このさわやかなふっきれている音は、まさに今の時代の音だと思うが、もうひとあじきめこまかさがあればとおしまれる。

総合採点:8

試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(好ましい)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(ほどほど)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
 カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(好ましい)

JBL L150

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

設置場所の節約を目的として開発されたJBL初のトールボーイ型システム。低音用磁気回路は注目のSFG方式フェライト磁石採用であり、チューニングを低くとったドローンコーンと新開発中域は力強く滑らかな音だ。

JBL 4343BWX, 4311BWX, L150, L222A

JBLのスピーカーシステム4343BWX、4311BWX、L150、L222Aの広告(輸入元:山水電気)
(モダン・ジャズ読本 ’80掲載)

4343