瀬川冬樹
ステレオサウンド 37号(1975年12月発行)
特集・「スピーカーシステムのすべて(下)最新40機種のテスト」より
型番からも明白だが音を聴いてみて、251の兄弟であることが明らかに聴きとれる。251もそうだったが261も、本誌標準の50センチの台よりも低めの、20~30センチ程度の台に乗せる方がバランス上好ましい。総体的に同社各型に共通の、中域のよく張ったやや硬質の音色だが、その範囲でどてプログラムソースも一応過不足のない音で聴かせる。ただ、音の硬い傾向にしてはステレオの音像がスピーカーの向うに引っこむ形で定位するし、音像にいまひとつシャープさを欠く。音の繊細な余韻をやや抑えすぎる傾向があるためかもしれない。そういう面が生きてくると、弦の音などにもっと漂うようなしなやかさが出てくるにちがいない。もうひとつ、解き放たれたような弾みのある楽器の低音に対して261の低音は(251と似た点だが)ごく僅かとはいえ、箱の中でこもって出きらないという感じが自然感をやや損う。しかしアルゲリッチのピアノなど、SB5000と比較すると音の品位という面ではこちらの方がやや上、という感じだ。
採点:88点
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