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JBL Olympus S7R, S8R

瀬川冬樹

ステレオ 5月号(1970年4月発行)
「世界の名器」より

 低音の再生ほど、むずかしいものはないと思う。ぶんぶんと締りのない低音なら楽に出る。腹にこたえるほどの量感を出すなども、たやすい話だ。が、そんな低音は「ほんもの」ではない。ほんものの低音は、むしろ控えめだ。それは決して鳴り響かず、音というよりは振動的で、部屋いっぱいの空気を、一瞬、確実に押しのける感じに身体をやわらかく包みこむ。しかもそういうほんものの低音は、レコードやテープにひっきりなしにつめこまれているわけがなく、ふだんはひっそりとおとなしく、プログラムソースに低音がある場合だけ、たしかな手ごたえで聴こえてくる……。
 そんな音を商品に望むのは無理だとあきらめて、家を削り、壁に穴をあけ、コンクリートを流し、はた目にはきちがいとしかみえないような努力を堂々と続けるマニアが後をたたないのも、つまり低音の再生がいかに難しいかの証左であり、逆にいえばそれほどのクロウトひきかえにしても惜しくないほどの魅力が低音にはあり、そして努力するに値するけわしい道のりだといえるだろう。しかもそれほどまでにしても、成功する確率は甚だ低い。まして商品にそれを望むのは無理だという見方も、まんざら見当外れとはいえない。
 そういう理想の低音再生に、商品としてあえて戦いを挑んだのがJBLオリムパスではないか、とわたくしは思う。たとえばキャビネットの中を覗いてみると、誰もがその補強のものすごさに驚きの声をあげる。1・5寸×4・5寸といったふつうの常識では考えられないような角材が、補強のためにふんだんに使われている。こんなにすごい補強をしたキャビネットは商品としてはオリムパス以外にわたくしは知らない。ここには、キャビネットのごく僅かな共振さえも許さないといった、低音再生の正攻法の姿勢が伺える。
 こうした形で完璧な補強をしてみるとスピーカーそのものにも、かえってボロが目立ってくるものだ。箱の共振をうまく利用して、ユニットのアラを隠して作ったスピーカー・システムのいかに多いことか──。JBLはそういうテクニックを使わない。あくまでも正攻法に、LE15Aというすばらしい低音スピーカーを作りあげる。LE15Aに、パッシヴ・ラジエーターPR15(マグネットもコイルも持たない、振動板だけの、いわゆるドロンコーン)を組み合わせたオリムパスの低音は、かちっと締って音の輪郭が鮮明で、重くもったりと粘るようなところが少しも無く、軽く明るく力強い。
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 オリムパスには、S7RとS8Rの二種類がある。JBLの型番のつけかたは独特で、スピーカー・ユニットとキャビネットとに、別々の型番がついている。オリムパスというのはキャビネットのニックネームで、型番はC50という。このキャビネットに適合するスピーカー・システムとして、S7R及びS8Rが推奨されていて、それらを組み合わせて完成品になると、キャビネットの型番の記号CがDと変わって、D50S7R及びD50S8Rとなる。S7RとS8Rは低音は共通だが、高音用ユニットが全然違うもので、S7Rは2ウェイ、S8Rは3ウェイになっている。
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 オリムパスは1960年に市販された。最初の形は完全密閉型で、S7システム(S7RからPR15を除いたもの)専用のエンクロージュアだった。パッシヴ・ラジエーターが加えられたのは1965年、そしてS8Rが加えられたのはその一年後のことで、ほんらいS7Rがスタンダードの組合せであることがわかる。実際、LE15AとLE85とのすっきりした2ウェイで構成されたS7Rの方が、音のバランスのよさでS8Rにまさるように思われる。S8Rでは、JBL最高の中高音用375ドライバーを使っているところがミソなのだが、あの大きな375をオリムパスに押し込むために、かんじんのホーンに、まるで土管みたいにずん胴で短いHL93型ホーンを組み合わせているので、375独特の中音の滑らかさが充分に発揮されにくい。
 そこでS7Rの中高音の音質だが、JBL特有の夾雑物のない鮮明な、低音同様に歯切れのよい、一切のあいまいさを拒否した澄明感にあふれている。しかしそれだけに、JBLのスピーカーは雑な鳴らし方をすると、荒くとげとげしい、ぎらぎらした音質に変わりやすく、乗りこなしのむずかしいじゃじゃ馬的な要素を多分に持っているために、多くの人たちがJBLの音をそうしたものと誤解しているようだ。たとえばオリムパスの場合でも、高音のレヴェル・コントロールを、ミニマムよりもさらに一段絞り込みたい感じで、とくに小住宅では、中~高音のユニットにさらにアッテネーターを加えて、もう3dBほど絞った方が、バランスの良い音質が聴かれる筈だ。
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 オリムパスはまた、内容や音質ばかりでなくデザインの素晴らしさでも一頭地を抜いている。とくに木工のよさ、中でも特徴のある組格子のの、繊細でしゃれた雰囲気は類が無い。理屈で押して筋が通り、音を聴いて素晴らしく、それが見事な意匠に包まれているという、これが名器というものだろう。
 先日、ある美術全集の中で、伊達政宗の建立になるという国宝、端厳寺の玄関花頭窓のパターンが、全くオリムパスの組子のそれであることをみつけておもしろく思った。桃山期の日本の建築の文様が、現代のアメリカの工業製品に生きている。こんなところにも、オリムパスの意匠に日本人が惹きつけられる何かがあるのかもしれない。

JBL 375, 537-500

JBLのコンプレッションドライバー375、ホーン537-500の広告(輸入元:山水電気)
(ステレオ 1970年4月号掲載)

JBL

JBL SA600

瀬川冬樹

ステレオ 3月号(1970年2月発行)
「世界の名器」より

 プリメイン・アンプというと、ふつう一般にはプリアンプ、パワーアンプを独立させたセパレート・タイプにくらべて一段下の性能とみられることが多い。たしかに、アクセサリーの豊富さや、とり扱いの面ではセパレート型が勝るかもしれないが、音質だけに限っていえば、JBL・SA600は、第一級のセパレート型のアンプに対して、全くひけをとらないどころか、現在得られる内外のオーディオ・アンプの中でも群を抜いて素晴らしい音質を聴かせてくれるアンプなのだ。
 昨年9月号のこの欄でご紹介した、同じJBあるのセパレート・タイプ、SG520型プリアンプとSE400S型パワーアンプを、それぞれ僅かずつ簡素化して一体に(インテグレートに)まとめたものがSA600で、その音質は、JBL以外のアンプからは得られない独特の、華やいで繊細な、キリッと小股の切れ上ってぴりりと神経の張りつめた、透明で、シャープで、明るく小粋な音を響かせる。
「電波科学」誌68年8月号で、海外著名アンプのブラインドテストの席上で、菅野沖彦氏が(むろんブラインドだからSA600とは知らずに)おもしろい発言をしておられる。「──にくいアンプですね。非常ににくいアンプだと思います。だけどそれが果して自分で持っていて毎日聴いて、どこかでぶつかってきやしないかと思うのです。──」
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 SG520とSE400Sの組合せを常用アンプとして、3年間聴いてキたひとりとして言わせて頂くのだが、全く菅野氏の予言どおり、こういう張りつめた音に、ときたまふっといや気がさすことがある。それでいて、三日もこの音を聴かずにいると、もう無性にスイッチをいれたくなる。これは窮極の麻薬なのかもしれない。
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 JBLの製品は、音質ばかりでなく物理特性が優れていることでもよく知られ、いろいろな研究所やメーカーで実際に測定してみると、常にカタログに公称している以上の性能が出ることに驚異の目を見張る。中でも、SE400SおよびSA600のパワーアンプ部分の、差動増幅器による全段直結というJBLのオリジナル・サーキット(JBLではこの回路を、Tサーキットと名づけている)は、,トランジスターによるオーディオ・アンプの将来のありかたを示唆したものとして、専門家のあいだでも高い評価を受けている。差動増幅回路以後の三段に亘る完全対称型の電力増幅回路は、原理的に偶数次の調波ひずみがゼロになるという優れたもので、直流領域から高調波領域にまで亘る広い周波数帯域と、大きな出力を極度に少ないひずみで広帯域に亘って確保できるズバ抜けたパワーバンド・ウィズスは、今に至るまでこれを凌駕するものが殆んど無いほどのものだ。この優れたパワー・キャラクターのためか、あらゆるスピーカーを接続してみて、他のアンプとのあまりにも違う抜けの良い音質に、いったい幾たびおどろかされたことだろう。
 差動・直結回路をJBLが完成したのは一九六五年のことで、それから五年を経たいま、回路構成こそ違うがこの方式がアンプメーカー各社によって次々と採用され、開発されはじめたことをみても、JBLのアンプ設計技術が、いかに卓抜なものであったかと改めて思い知らされる。
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 しかしこのアンプを〝名器〟といわせるのは、決して回路構成や音質の優秀さばかりではなく、そういう内容を包んでいるデザインの素晴らしさも、また特筆する必要がある。
 フロント・パネル面は淡いゴールド・アルマイトで、光沢を抑えたヘアライン仕上げは、光線の具合によっては、やや若草色がかかってもみえる。そして、大胆な面の分割と、アンプの人間工学を十二分に消化した操作ツマミ類の簡潔な整理。さりげなく置かれたJBLのマークの一部がパイロットランプを兼ねて光るというしゃれたアイデア。パネルに続く両サイドのウォールナット板は、化粧張りなどしていない本もののムク板で、チークオイルでみがき込むと、だんだんと渋い深みのある濃いウォールナット色に変わってゆく。
 正面や側面もさることながら、このアンプはおそらく世界一のバックシャンでもある。精度の良いアルミ・ダイカストの厚板で、フロントパネル以上にきびしい分割面を持った、完璧にヴィジュアライズされた見事な作品で、ここにスピーカー端子とACプラグ、それにヒューズ・ホルダーだけがさりげなく配置されている。実はこのパネルは、パワー・トランジスターの放熱器(ヒートシンク)で、エナージャイザーとしてスピーカー・キャビネットに組み込むためのSE408では、これはもともと前面パネルなのだと知れば、この背面パネルらしからぬ美しい処理にも納得がゆく。
 そこでSA600では、入力端子のピン・ジャック類を、シャシー底面に置いている。しじゅうコードを抜き差しするといったマニアには不便このかたない場所に違いないが、このアンプそのものが、そういう目的に作られたものではない。
 一九六六年に発売されたSA600も、開拓期のTRアンプの宿命か、三年たった昨年(一九六九年)、新型のSA660にモデルチェンジされて、製造中止されてしまった。660は、ほとんど黒に近いブロンズ色のパネルに大きく方向転換し、SA600の若々しい姿から、ちょっぴり分別くさく、ややふてぶてしいパネルフェイスに変わってしまった。40W×2の出力が60W×2と増加したり、左右連動だったトーン・コントロールのツマミが二重型でセパレートされたなど小改良が加えられたが、あの若さに溢れたみずみずしい音質までが、パネルフェイス同様に妙に分別くさく、つまりよくいわれる無色透明型の音質にやや近づいてしまったのは、個人的には残念なのだが、おそらく660の音ならば、菅野氏も「毎日聴いていたら、どこかぶつかってこやしないか」とは仰らないだろう。

JBL LE175DLH

JBLのスピーカーユニットLE175DLHの広告(輸入元:山水電気)
(ステレオ 1970年3月号掲載)

JBL-Segawa

JBL D130

岩崎千明

スイングジャーナル 2月号(1970年1月発行)
「私とジムラン」(サンスイ広告)より

 私はその部屋に入るなり思わず立ち尽くした。目もくらむような鮮かなフル・コンサートの音でその部屋は満たされていた。
 何分たったろうか、視線をめぐらしてスピーカーの存在を確かめるまで、それが再生された音であるとは信じられないぐらい鮮烈であった。
 私とJBLの最初の出合いは、その音と共に強烈な印象を脳裏に刻み込まれたのである。
 なんと幸運にも、その音を出していたJBL・D130はこの直後、私の部屋のメイン・スピーカーとなって、鮮かな音で再生音楽に息吹を与えることとなったのだ。13年も前のことである。

 JBLという名が米本国のハイファイ業界において大きく伸び、広い層に知られるようになったのは、前大統領リンドン・B・ジョンソンの時期であったといわれる。ジョンソンのイニシアルであるLBJにひっかけて、JBLという呼称で、最高級ハイファイ・スピーカーのイメージを広く一般層にアピールした作戦があたったためであろう。

 私がJBLを使い出した頃、米国マニアの一般の通例として、ランシング・スピーカーといういい方で知られていたが、すでに最高級マニアのみが使い得る最高価格のスピーカーとしての定評は、米本国内では確固たるものであった。
 ランシング・スピーカーと呼ばれる商品はJBLのほかにアルテックの製品があるが、アルテックが業務用ということで知られていることをはっきり狙った製品だ。業務用が信頼性と安定性をなによたも重要視するのにくらべて、ハイファイ用はまず、音楽の再生能力そのものを意識する。
 JBLが独立した戦後間もない初期の製品は、アルテックのそれと外観、機構ともよく似ている。しかし音自体はかなり差があって、JBLの方がより鮮明度が高い、ということができた。このことは現在でも少しも変らずにJBLの音に対する伝統となっている。

 D130が1本しかなかったため、私はステレオに踏み切るのがかなり遅かったが、他のスピーカーによるステレオ以上に、D130のモノーラルの方がずっと楽器そのものを再生した。よく、どぎつい音がするとか、派手な音がするとかいわれたが、装置の他の部分、例えばアンプとか、カートリッジとかがよくなればよくなるほど、私のD130はますます冴えて、本物の楽器のエネルギーを再現してくれた。
 私は最近、ジャズをよく聴くが、アドリブを重視するジャズにおいては、一瞬一瞬の情報量という点で、ジャズほど情報量の多いものはない。一瞬の波形そのものが音楽性を意味し、その一瞬をくまなく再生することこそが、ジャズの再生の決め手となってくる。
 音色、バランス、クオリティー、パターン、いろいろ呼び方の音の再生能力の中で、ジャズでは音の変化の追随性というか、過度特性という点が、もっとも重要なファクターであるといえる。
 その点でJBLのスピーカーは、最も優れた能力を秘めていると思える。長い間、私はいろいろなスピーカーを使ったが、結局、最近はJBLを最も多く聴くようになってしまった。

 いま私の部屋にはレコード試聴用のSP-LE8Tとは別に、C40リアー・ホーン・ロード・バッフルに収められたD130が2本、それにオリジナル175DLHのクロスオーバーを下げた強力型のLE85が2ウェイを構成し、ステレオ用としてのメイン・システムとなっている。

 時代が変っても、社会の急速な進歩と共に、再生芸術の狙いも変ってくる。毎月聴いている新譜も、鮮かな音のもが増えているが、JBLのスピーカーはますます冴えて、その限りない真価を深めつつある。

JBL D130

JBLのスピーカーユニットD130の広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1970年2月号掲載)

JBL1

JBL 375, 537-500, 075

JBLのスピーカーユニット375、537-500、075の広告(輸入元:山水電気)
(ステレオ 1970年1月号掲載)

JBL

JBL D44000 Paragon

JBLのスピーカーシステムD44000 Paragonの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1969年12月号掲載)

JBL

JBL SG520, SE400

瀬川冬樹

ステレオ 9月号(1969年8月発行)
「世界の名器」より

 カートリッジやテープヘッド、マイクロフォンやスピーカー等のトランスデューサー(transducer)に対して、アンプが取り扱うのは純粋に電流の増減だけで、従って、オーディオ・パーツの中でアンプは解析が最も容易な部分といわれる。たとえば、A、B二つのスピーカーを聴きくらべて音質が違うと判っても、現在の理論では、その違いが何によって生じるのかを十二分に解明することができないが、アンプの方は、たとえばAというアンプの電気特性を測定すれば、それとほとんど変らない音のアンプを再現することができる。再現はできるがしかし、アンプとはほんらいそれほど個性的な音色を持つ筈がなく、持つべきでもない。アンプの中を通って増幅されてくる音には、できるだけ色がつかないことがよい。……とおろかにもわれわれは承知してきた。たとえばマランツのアンプなどは、いかにもそういう理解が誤りではなさそうだと思わせる音質で鳴る。
 JBLとマッキントッシュのアンプの音が、そのことに疑いを抱かせた。たとえばマッキントッシュの底力のある肉づきの豊かな、JBLとくらべたらやや大味ながらグラマラスな量感を持った音質は、ほかの多くのアンプからは聴くことができない。
 そしてJBL──。小味でピリッと胡椒が利いて、いささか細身だがシャープによく切れこみ、まるで幕一枚取除いたように音量を絞ってもディテールの失われないその音質は、スコアのどんな片隅までも照し出すような、演奏会場とリスニング・ルームが直結したような錯覚をおぼえさせる。はじめてこの音に接したときの驚きといったらなかった。
     *
 アンプの特性は九分通り解析できる。JBLのその類のない音質も、電気特性でいえば、主として可聴周波数の上端をわずかに盛り上げた意識的な音作りの結果だと、エンジニアはしたり顔でいうが、マッキントッシュ以前に、JBL以前に、誰がこれほど魅惑的な音を作りえたか。アンプで音をこしらえてはいけないというが、それならアンプ以外のどのパートで、こういう音が作れるのか。
 作る、といっては誤解が生じるかもしれない。JBLのこの独特の切れこみは、しかし原音のイメージを損なうといったたちのものでは絶対になく、これ以上胡椒が利いたら鼻もちならないだろうといった、ギリギリのところで危うく踏み止まっている。これ以上は度が過ぎるという微妙な一線を嗅ぎ分け、その崖っ渕まで大胆に踏み出すことが、いわば「奥義」といわれる性質のものであることはいうまでもないが、そういう音質をアンプに於て、あえて作りあげたという点が、第一級のスピーカーを生み育ててきた彼等の知恵であったのだろう。JBLの中を吹き抜けてきた音には、だから不思議な清涼剤が微妙に利いて、爽やかな高原のオゾンを漂わせる。
     *
 もともとスピーカー・メーカーであったJBLが、アンプの市販に手を染めたのはそんなに古い話ではなく、一九六三年の秋に、いまのSE408Sの前身であるSE402が、エナージャイザー(Energizer)の名で発表されたのが最初のことだ。マランツやマッキントッシュが、まだトランジスターに踏み切りかねていた時に、JBLは最初の製品からTRアンプをひっさげて登場したわけだが、一九六五年、JBL・T回路と称する全直結のユニークな回路を採用したSE400Sの出現によって、JBLのアンプに対する評価は決定的なものとなった。さらに翌66年、プリメインのSA600が市販されて以来、JBLのすばらしい音質が広く知られるようになったわけである。
 SE400S、SE408Sは、80ワット×2の出力時にも歪(高調波歪、混変調歪とも)が0・15%という驚異的な特性が公表されているが、実測データではこれよりさらに歪が少ないと報告され、その少しの濁りもない澄んだ音質が裏づけられている。そして一般のパワーアンプと最も変っている点は、指定のイコライザー(特性の補整回路)をとりつけると、JBLの各スピーカーシステムに対して、周波数特性やダンピング・ファクターをそれぞれ最適値に調整して、スピーカーを理想的なトランスデューサーとしてドライブする。これがエナージャイザーの名称のゆえんである。
 SG520は、一九六四年に発売されたプリアンプで、ストレート・ライン型のボリュームや、イルミネーティング・プッシュボタンによって操作を視覚的に整理した、いわゆる「グラフィック・コントローラー」である。450ドルという、家庭用としては最も高価なプリアンプで、音量バランス調整用の1kHzのテスト・トーン発振器を内蔵していることはよく知られているが、SE400S(又は408S)と組み合わせ際に、リレー・コントロールF22を追加すると、aural nuL(オーラル ナル)バランシングとJBLが名付けるところの、スピーカーからの音が最少になるようセットすると音量バランスの最良点が調整できるという合理的な動作をするようになる。なお、各モデルの型番のうしろにEがつく(例=SE400SE)ものはエクスポート・モデルの意で、電源電圧が220Vと117Vに切換えられること以外、何ら変らない。
 SG520の卓抜したデザインに対して、一九六五年度のWESCON工業デザイン・コンペテーションから、最優秀賞が授与されていることも附記しておこう。

(註)トランスデューサー
エネルギー変換器のことで、たとえばオーディオでは、空気の振動(音響エネルギー)を電流(電気エネルギー)に変換(トランスデュース)するマイクロフォンとか、その逆のスピーカーなどのパーツを総称している。アンプは電流というひとつのエネルギーの増減を行うだけで、トランスデュースは行わない。

サンスイ Multi Amplifier System

サンスイのMulti Amplifier Systemの広告
(スイングジャーナル 1969年6月号掲載)

Sansui

JBL S99 Athena, L75 Minuet, LE14A, SA660, etc

JBLのスピーカーシステムS99 Athena、L75 Minuet、スピーカーユニットLE14A、プリメインアンプSA660の広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1969年6月号掲載)

JBL

JBL Lancer 77

岩崎千明

スイングジャーナル 5月号(1969年4月発行)
「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より

 アメリカ人は、JBLとかジムランといういい方をしない。ランシングと呼んでいる。James B Lansingの略だから当然で、このランシングスピーカーは米国の相当なマニアにとっても「高価な豪華品」を意味している。
 さてこのJ・B・ランシング社にランサーという名をつけたシステムが出たのは確か5年前である。
 ランサーという名からは、本来の語意の槍騎兵にふさわしいマスートなセンスをうかがわれるが、さらにこの名からシリーズに賭けた意欲をも知ることができよう。
 この時期を境にしてJBLはスピーカー・メーカーから規模も狙いもぐんと拡大した大型メーカーとして生れ変ったようだ。ランサーには、おなじみLE8Tを主体にし、パッシブ・ラジエター(ドローン・コーン)で低域を素直にのばした比較的普及価格のランサー44があるが、その一段とハイ・クォリティーの製品がランサー77である。
 さらにその上にパワー・アンプつきのランサー99や、このシリーズ最高級のランサー101がある。
 ARスピーカーの爆発的人気を意識して作られたこのランサーのシリーズの特長は「広い帯域特性と、素直な音色バランス」にある。ハイファイ技術のきわめて高度に達した今日では、広帯域特性はひとつの最低条件ともなっている。しかし、ランシング・スピーカーの最大の特長は、あくまでもその高能率と分解能のずばぬけた優秀性とにあり、これがいかなる楽器の音をも鮮やかに再現する基本的な底力としてこの社のスピーカーの他にない特長であり、ポイントでもあった。そして、この優秀性を基本的には損なうことなく、広いレンジを得たのが、ランサー・シリーズなのである。
 こういう点を考えると、ランサー・シリーズの中でも、もっともランサーらしい優秀性をそなえている製品はランサー77である。
 ランサー77は、JBLだけでなく米国製としても珍らしい10インチ25センチ・ウーファーが主力となっているが、この10インチ・ウーファーLE10Aはブックシェルフ型ランサー77のために設計されたのに相違ない。つまり本来のシステムとしての優秀性を確保すべく、広帯域ウーファーとして作られたものだ。当初はLE30Aという口径3インチのドーム・ラジエター・タイプのトゥイーターと組み合せて発表されたが、高域の鮮かさと指向特性とを改善する意味もあってか、いまは小口径のLE20Aとの組合せでランサー77として発表されている。
 この一見なんの変哲もないLE20Aからたたき出されるシンバルの音はまったく紙質のコーンから出てるとは思えない。このシンバルのブラッシの余韻やすみきった超高音はいわゆる周波数域だけでなく、優れた指向特性の所産でもある。
 そして、この超高音特性に加えてLE10Aにパッシブ・ラジエターを加えて超低域特性をスッキリと素直に伸ばしている点で、ランサー・シリーズ中でも広帯域特性という点でずばぬけた製品だ。加えて、中音域のややおとなしいひかえめなバランスはJBLスピーカーには珍らしいほどである。しかもひとたびブラスのソロに接するや輝かしいタッチをくっきりと再現しフルバンドの咆哮にはスケールの大きな音場を鮮烈に再現してくれる点は、JBLならではといえよう。
 93、500円という価格はブックシェルフタイプとしてたしかにかなり高価なものには違いない。しかしこの音に接したなら多くの市場製品の中でも抜群のコスト/パーフォーマンスを得るに違いない優秀システムがこのランサー77なのである。

JBL Lancer 77

瀬川冬樹

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より

 もしも、レベルコントロールがあるとしたら、中高域をもう少し抑えたい感じだが、とにかくすばらしいスピーカーであった。くっきりと澄んでいて、楽器の音に余分な音が全然まつわりつかない。明るく、抜けがよく、しかも軽い。相当なハイパワーでも、また絞り込んでもこの特徴がほとんど変わらない。これで室内楽の微妙な陰影がもう一段美しく再生されれば文句ないが……。どちらかといえば硬い方の音質だから、No.1の系統の音の好きな人には好まれないかも知れない。

テスト番号No.25[特選]

JBL Lancer 44

瀬川冬樹

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より

 中域が張り出す傾向が、多少硬めであるが、総体には音の質がなかなか良く、楽器のひとつひとつの音像がくっきりと浮き彫りにされる印象である。音量の大小にかかわらず、音色がほとんど変わらない点は見事である。弱音の解像力もなかなか良い。中域から高域にかけての独特の音色には、好き嫌いがありそうだ。

テスト番号No.3[特選]

JBL Lancer 77

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 私にはもっともぴったりきたシステムで、今回の試聴器中では最右翼に置きたいもの。明るく、よく抜けながら、音質が安っぽくなく解像力も優れている。プレゼンスも豊かでオーケストラのかもし出す音響空間もよく再現された。バランスの点でも中域がやや強い感じはあるがよくまとまっている。しかし、ジャズの再生で、中音が平板な感じで深みが足りないのが不満として感じられた。ピアノの打音の立上がりもよく大変好ましい音であった。

JBL Lancer 44

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 大変力強い音質だが、少々気になる響きが中域につきまとう。また、ごく低いほうののびもやや、ふやけた感じで不満だった。しかし、中音域あたりのマッシヴなクオリティは強固な音のイメージをもち、非常に聴きごたえのある音である。オーケストラは迫力のある再現だが、やや、きめが荒く、室内楽ではそれがやや仇となる。ジャズではガッツのある再生音が効果的だが、やっぱり、のびと抜けの点ではもう一つ不満が残った。

サンスイ SP-LE8T

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 解像力が大変よく、マッシヴで抜けのよい音はスケール感もある。ただし、高域ののびと繊細さにもう一つ不満があって、広い帯域のソースでは不満がでる。オーケストラの高域がまとまった響きとなって、浮き立たないし、高いハーモニックは十分に出きらない。パーカッシヴなソースには効果的で、ジャズには大変ぴったりしたキャラクターをもっていた。シンバルの打音もリアルだし、ガッツのある充実した中音域は力量感が豊かだ。

JBL SA600

岩崎千明

スイングジャーナル 3月号(1969年2月発行)
「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より

 私のリスニング・ルームには時折米国のハイファイ・マニアが出入りする。都下の米空軍基地の将校たちである。米国ハイファイ界のニュースなども話題になるが、彼らにとってもジム・ランシングという名は超高級イメージである。日本ではジム・ランシングと同じ程度にハイ・グレードと思われているARスピーカーというのは優秀品には違いないがどこにでもあり、いつでも買える身近なパーツのようだ。ところが「ランシング」のブランドは多いに買気をそそられる魅力、またこれを使うことによる大いなるプライドを持てる商品というように価値づけられているようである。
 ジム・ランシングは本来スピーカー・メーカーで音響専門であったが60年代に入って、ステレオ・アンプを発売した。それ以前から「エナジザー」と名でパワー・アンプが出ており、ごく高級のスピーカー・システムに組み込まれて存在した。
 独立したアンプ商品としての第一陣はプリ・アンプSG520であったがパワー・アンプを組み込んだSA600が、2年ほど前から米国内で発売され、マニアに注目されている。このSA600の優秀さはいろいろな形で、昨年中の米国オーディオ誌に採り上げられているが、その代表的な一例を68年春のエレクトロニクス・ワールド誌にみてみよう。この雑誌はかなり技術的な専門誌であるが、この号には、米国市場にある20種の代表的なアンプの特性を権威ある研究所でテストした比較書がのせてある。
 その試聴結果をみて、私は眼を疑ったほどである。ジムランSA600の最大出力についてメーカー発表の規格値は左右40/40ワットの最大出力になっているのに、試験によると「60/60ワットを超える出力がとり出せる」となっている。つまり規格値を超えること50%も最大出力が大きいという点である。むろん20種のテスト製品の中で、これほどゆとりある設計は、ジムランのアンプだけであることはいうまでもない。
 この点にジムランというメーカーの製品に対する考え方、メーカーのポリシーを感じることができる。ほかの性能も一般のアンプにくらべてずばぬけて優秀であり、20種中、ベストにランクされていたのもむろんである。
 SA600のこの優れた性能は、あなたが技術的にくわしい方なら、このアンプの回路をみれば完全に納得がいくはずだ。そこには普通のアンプとは全然違った技術を見ることができよう。コンピューターの中の回路と同系の、バランスド・アンプの技術が中心となっているのである。ジムランでは、これをTサーキットと呼んでおり、ハイ・ファイ用として特許回路である。コンピューターと同じくらい厳しく、しかも安定な動作がこの回路でなら楽々とこなせるはずだ。SA600のこのTサーキットはジムランのもうひとつのアンプSE400シリーズに採用されているが、さらに後面パネルはスピーカー組込み用SE408パワー・アンプの前面パネルとまったく同じデザインであり、パワー・アンプがほとんど同じことが外観からもうかがい知ることができる。アンプの後面についているべきターミナルは、ジムラン独特のケース底面に集められており、実際に使用の際の合理的な設計が、身近に感じられる。
 SA600は日本市場価格は24万だが、プリ・アンプSG520がデザインこそ豪華だがほぼ同じ価格。さらにパワー・アンプSE400シリーズが、20万円弱ということで、この両者を回路的に組み合せたSA600の価格としては割安で、このアンプがベスト・バイとなるのもうなずけよう。

JBL SA600, SG520, SE400S, SE408S

JBLのプリメインアンプSA600、コントロールアンプSG520、パワーアンプSE400S、SE408Sの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

JBLamp

JBL Lancer 44, Lancer 77, Lancer 101, Trimline, LE8T, LE175DLH, LE20, LE10A, LE14A, PR8, PR10, LX10, LX4-2, サンスイ SP-LE8T

JBLのスピーカーシステムLancer 44、Lancer 77、Lancer 101、Trimline、スピーカーユニットLE8T、LE175DLH、LE20、LE10A、LE14A、PR8、PR10、LX10、LX4-2、サンスイのスピーカーシステムSP-LE8Tの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

JBL

JBL Olympus S7R, S8R, Lancer 44, Lancer 77, Lancer 101, Trimline, SA600, SG520, SE400E, SE408SE, LE15A, LE14A. 375, 075, LE85, LE175, HL91, 537-509, 1217-1290, サンスイ SP-LE8T

JBLのスピーカーシステムOlympus S7R、S8R、Lancer 44、Lancer 77、Lancer 101、Trimline、プリメインアンプSA600、コントロールアンプSG520、パワーアンプSE400E、SE408SE、ウーファーLE15A、LE14A、トゥイーター075、ドライバー375、LE85、LE175、ホーンHL91、537-509、1217-1290、サンスイのスピーカーシステムSP-LE8Tの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1968年1月号掲載)

JBL

外国製の組合せ型

菅野沖彦

スイングジャーナル 12月号(1967年11月発行)
「SJオーディオ・コーナー 特集/ステレオ装置読本」より

外国製の組合せ型
 外国製品の組合せについて書く前に、現在、国産パーツの水準が世界的に第一級といえるものが多い中にあって、なおかつ輸入製品が存在することについてふれておかねばなるまい。いうまでもなく、オーディオ・パーツは科学の産物で、その多くは商品としての品質の均一性をもつべく管理のゆきとどいたメーカー製品である。したがって、製品の性能は理論と測定による物理特性によって設計、製造の一貫性が保れるべきだ。一口に技術水準といういい方をすれば日本と諸外国との間に差は認められない。ある分野では日本のほうが優れている面すらある。しかし、これは理論、設計面について特にいえることで、実際の製造面になると必ずしもそうはいかない。特に材質面と音に対する感性の二点においては最高級品を比較した場合、たしかに外国品には一日の長のある製品を散見する。そしてまた、外国の専門メーカーの歴史と伝統そして豊富なデーターの集積とは国内メーカーが一朝一夕には追いつけないものかもしれない。また、最も大きな相違点である音のちがい、これこそ血のちがいであり、土のちがいであり、環境のちがいであるといわざるを得ない。よくいわれることだが、物理特性のみをもってしては外国の一級品が必らずしも国産パーツを凌駕しない。しかし、結果として出てくる音には強い個性と充実した密度の高い音が存在し、ジャズや西洋音楽の特質と密着したアトモスフィアをもって圧倒的な説得力をもった製品が存在するのである。この差はよく紙一重といわれる。
 このように、国産製品の水準が高度化した現在、未だ輸入品の一部には立派に存在価値のある、なくてはならぬ逸品がある。それらは、もはや機器としての性能以上に音楽を創造する芸術作品といえるほどの風格すら備え、見る喜び、持つ誇りといった充実感が優れた再生音と共に強く感じられるのである。
 それでは、そうした外国製品のみによる組合せの実例をご紹介しよう
★組合せA
〈カートリッジ〉シュアー㈸V15II
〈トーン・アーム〉SME・3009
〈ターンテーブル〉トーレンス・TD124II
〈アンプ〉JBL・SG520E、SE401E
〈スピーカー〉JBL・075(高音)、375+537-500(中音)、LE15A(低音)、N500、N7000(ネットワーク)
合計 約120万円(含箱類)
 アメリカ製品を基調とした最高級組合せとなると価格も100万を越える。このクォリティは今のところ国産では絶対に得られないといってもいいだろう。ただし、この装置を生かすには部屋が小さくとも12畳相当、できれば30畳程度の広さが欲しい。このクラスになると、いかなるプログラム・ソース(音楽)にもペストリプロダクションを得られる。
★組合せB
〈カートリッジ〉オルトフォン・S L15+2-15K
〈トーン・アーム〉SME・3012
〈ターンテーブル〉ガラード・401
〈アンプ〉マッキントッシュ・C22、MC275
〈スピーカー〉タンノイ・GRF
合計 約112万円
 前者がアメリカ調とすれば、これはヨーロッパの香り豊かな重厚な装置である。音のキャラクターはかなりちがう。最高級品でも装置の音質が全く傾向のちがうものがでてくるといったことは外国製品のメーカーの主張が感じられ興味深い。本来、クォリティが上れば上るほど装置の個性はなくなるという考え方に対する一つの示唆といえるかもしれない。

JBL SG520, SE400S

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 音の豊潤さでマッキントッシュに一歩譲るが、それよりももうひと桁ばかり分解能に優れている。たとえていえばマッキントッシュが満々と水をたたえた湖なら、JBLは水の量では勝てなくとも水の透明度に於て桁ちがいによく湖の底の底まで見通せるという音だ。マッキントッシュにJBLの透明な分解能が加われば、あるいはJBLにマッキントッシュの豊潤さがあれば申し分ないアンプになる。JBLのすばらしい低域特性は、スピーカーの低域が1オクターブも伸びたような錯覚を起させる。JBLとマッキントッシュの両方の良さを兼ね備えたアンプを、私はぜひ自分の手で作ってみたい気がする。
 アンプとしてみれば、JBLにはスピーカーを選ぶ弱みがある。タンノイ15、アルテック604などは、JBLでは音が硬くなる。やはりトランジスター・アンプの弱点といえようか。

JBL SA600

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 このアンプの特徴はよくのびた低域特性と、ローレベルでも澄んだ切れこみの良い解像力の良さに集約される。低域の良さはオルガンの再生によく現われて、このアンプを使うとスピーカーの低域がグンと延びたように思われる。一方、音量を絞り込んだときにもディテールを少しも失わない切れ込みの良さは、まるで澄んだ深い湖を覗き込む感じである。しかしスピーカーはかなり選ぶ。