Category Archives: スピーカーシステム - Page 67

ダイヤトーン DS-28B

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 旧製品のDS26Bと、ヒット作DS251の良いところをとって作ったという感じの構成だが、結果的には251の延長線上でのグレイドアップモデルという印象で見事に仕上がった。

JBL L45-S4

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

175+HL91の組合せは、175DLHよりも抜けがよく、活気がある。この点がS4の最大の魅力で、スッキリとしたJBLらしい音は、001を上まわること確実。

JBL L45-S4

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 小さな箱のL45にもホーン型高音の2ウェイが収められるのは発見だ。かつて名を馳せたランサー101の再現といってよい。割安で、本格的なJBLサウンドここにあり。

BOSE 901

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 いわゆる拡散型のシステムである。コーナーから1m程度離して置くのがポイントで、この場合、音場のひろがりは素晴らしく、狭い部屋が広い演奏会場と化するような感じだ。

BOSE 901

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 背面からのエネルギーが前方の8倍、従って背面の壁面がサウンドに影響することが大きな特長であり、日本家屋ではウィークポイントともなり得る。これも使い方次第なのだ。

アルテック 612C Monitor

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 伝統的な同軸型ユニットを使ったモニターシステムである。古典型だけに、ワイドレンジではないが、あかるく活気がある音と、同軸型らしい明快な音像定位に特長がある。

ボザーク B410 Classic

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 なにしろ聴いたことのないような豊かなエネルギーのローエンド。どっしりとした低域に音楽のすべての音が安心しきって乗ってくれるという感じだ。良き時代の良き音の再現。

ヴァイタヴォックス Bitone Major

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 英国系ウェストレックスとでもいいたいのがこのシステム。アルテックよりよりデリケート、JBLよりより繊細。しかも豊かな響き。迫力を追わなければピカ一のシステム。

ダルクィスト DQ10

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 Mr.ソール・マランツがこれと見込んだダルキストは、コンデンサーシステムの繊細な輝きとため息の出るような広帯域性とを豊かなハーモニーと共に再現できる音楽性を秘める。

サンスイ LM-022

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 山水の意欲的なシステムはデザインも斬新だがメカとしても新方式。スピーカーがふたまわりも大きくなったようなスケールの大きい響きと、充実した中低域から低域は魅力的。

ヤマハ NS-1000M

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ベリリウム・ダイアフラムの素晴らしさは、これから世界中に知れわたるだろう。未来を的確に把握した技術の勝利とでもいいたいひとつの理想の実現がヤマハの手でなされた。

QUAD ESL

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 世界でも例のない準コンデンサー型システムで、デリケートな音の素子が他に類のないクリアーな響きを伝える。低域が大音量で僅かにわれるのが気になるのは、欲張り過ぎか。

KLH Model 6

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 米国のアコースティックサスペンション型システムの尖兵としてARより一歩先に大ヒットしたのがこのKLH6と4だ。ウェルバランスのソフトな品のよい音は永久の傑作だ。

JBL D44000 Paragon

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 なにを隠そう、この俺もパラゴンの魅力に魅せられて、とうとうひとつ買うことに相成ったほどのほれ込みよう。じっくり鳴らし切るまでの楽しみは、また格別ぞ。

ボザーク B410 Moorish

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 オールコーンで3ウェイ・14スピーカーという大型システム。よくコントロールされた内省的な音だが、品位が高く、美しいバランスをもっている。外観も美しい雰囲気だ。

アルテック A7-8

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 本来劇場用の無愛想なシステムだが、2ウェイのよさをもった代表的なホーンシステムで、歴史に残る銘器だろう。決してワイドレンジではないが、豊かに鳴り渡る。

KEF Model 104

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 代表的なKEFのシステムの中で優れた音の104は割安な点からも、誰もが具えたいと願うに違いない。広帯域特性の低歪率は、最大音圧の物足りなさを補って余りあろう。

ダイヤトーン 2S-305

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 歴史的な日本のモニターシステム。良くも悪しくも日本的な優等生だ。低音の厚みと豊かさ、弾力性に筆者としては不満があるが、さわやかなタッチの美音だと思う。

KEF Concerto

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 イギリスKEFのシステム中、アッパーモデルといえるが価格としては安い。3ウェイでワイドレンジなKEFらしい繊細さと豊かさの絶妙なバランスが魅力的である。

オンキョー E-313A

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 独自の逆ドーム型の中、高域ユニットを採用したシステムで、音は明るくシャープだ。さわやかな中高域は歪感が少なく透明である。低音はたっぷりしていて歯切れがいい。

JBL 4350

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 JBLのモニターシステム中、最高・最新のシステム4ウェイ5スピーカーで、2台のパワーアンプが帯域を分割して受け持つ。堂々たる容姿と内容は王者の風格を持つ。

スピーカーシステムのベストバイを選ぶにあたって

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 スピーカーシステムとしてはどうしても高価格に片寄る傾向が強くならざるを得ない。それというのも、ステレオではスピーカーに対しての志向が究極的には贅沢の限りを尽くしたくなるものだからである。つまりシステム全体としての絶対価値をより大きくしたくなるとき、スピーカーシステムにはその矛先が向いてきてしまうからだ。それは他のパートよりもその最低と最高の価格差も大きいし、絶対価値もまた他に比べてはるかに高いのがスピーカーシステムであるからだ。オーディオの遍歴を重ねたとき、必ずそうなるものだ。

フェログラフ S1

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 英国の近代的モニターシステムの系譜をふむ特長のあるシステムであるか。パワーのあるアンプを使い、比較的近い位置で聴くときの独特な澄んだ音と音場感は素晴らしいものだ。

KLH Model 5

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 まとまりがよく、品位の高い音をもっている。東海岸のボストンに生まれただけにハイファイ的な華やかさはないが、落着いた大人っぽい魅力がある。市場評価が低いのは残念。

ダイヤトーン DS-303

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 大変に真面目な性格のスピーカーである。適合アンプは100Wクラスを要求するが、ある程度以上の音量で鳴らすときの音は、想像以上に豊かであり、活気のある見事さである。