Lo-DのカセットデッキD3500の広告
(オーディオ専科 1975年4月号掲載)
Category Archives: カセットデッキ - Page 7
Lo-D D-3500
アイワ AD-5700
ウーヘル Compact Report Stereo124
瀬川冬樹
ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)
特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より
手帳一冊よりも小さなカセットテープに録音するのに現在のようなアンプ一台ほどの大きなデッキが必要だということを誰も疑問に思わないらしいことが逆にわたくしは不思議でならない。たしかにメカと電気回路で中味はいっぱいだが、それはメーカーの都合で既製の大型パーツを流用しているからで、本質から考え直して練り直してみればこんなに小さなメカニズムで往復再生さえできることを、ウーヘル124が教えてくれる。
ナカミチ Nakamichi 700
岩崎千明
ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)
特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より
あとでローウィのデザインと聞いて、やっぱりそうかと思い、半面少々ガッカリもした。日本人ばなれしたデザインは日本人ではなかったのだ。カセットというイメージ、いやテープデッキというイメージをこのデザインからはとうてい感じられない斬新で現代的なセンスだ。
サウンドは、カセットにありがちな、力不足の不安のないガッツのあるダイナミックなサウンドがなによりも魅力だ。
ソニー TC-2850SD
菅野沖彦
ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)
特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より
カセットのポータブル型として登場した一号機で、欲をいえば、さらに安定性、小型化、デザイン・センスなどに不満があるが、現在の段階ではやはり魅力のある製品だ。私は昔から、35ミリ高級カメラと同じような精密機械としてのポータブル・カセットの出現を待ち望んでいる。材質、加工精度、信頼性などで、ライカ級のカセット・デッキが出たらどんなに素晴らしいだろう。その可能性を予知させてくれたのがこの機械だと思う。
アカイ GXC-46D
菅野沖彦
スイングジャーナル 2月号(1973年1月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
磁気テープというものはなかなか厄介なもので、S/Nをよくしようとして、高いレベルで録音すると歪が増える。その歪を警戒して録音レベルを下げるとテープ・ヒスが目立って不快な思いをするというわけだ。だから、現在のテープの改良のポイントは、より少いヒス・ノイズ、より広いダイナミック・レンジということで各メーカーが苦労している。録音レベルを高くとった時の歪は、まず高音域から現れる。あきらかに飽和して音が汚れるとまではいかなくても、高域が荒くすさんだ音になったり、充分高い音までのびきらなかったりという現象はよく起きるものだ。日頃、録音の話しで、テープと機器の限界をよく把んで、ギリギリ高いレベルで録音をとることがS/Nのよい優れた録音をとるコツである…という表現を私はよく使っているが、それはこの辺の難しさをいっているのである。最近のテープはダイナミック・レンジか広くなっているので、基準レベル・セット、(テレコの0VUと一応考えてよい)に押えることは無難だが、それより高く録音することも可能である。しかし、一方、1kHzでは0VUでなんら差支えはないが、10kHzでは歪みを発生するというテープもあることも事実なのである。特にカセットのようにオープン・リールより、いろいろな点で制約のあるものの場合は、この現象にはより慎重に当らなければならない。こうしたテープの特質を電子的にコントロールして、録音時の高域のレベルを抑制して歪の少い録音をとれるように考えられた回路がアカイのADRシステムである。これはテープとテープレコーダーの関係を正しく把握したきわめてオーソドックスなアイディアであり、テープのより有効な使い方として高く評価できるものだ。このADR回路の組み込まれたカセット・デッキGXC46Dが今回試用してみた新製品で、その実力は、本誌の選定新製品になる優れたものであることが確認できた。メカニズムは大変スムーズで、ワウ・フラッターは聴感上問題にならないし、操作性も非常によい。プッシュ式のキー・スイッチも軽く確度の高い動作である。早送くり巻きもどしのスピードもこのクラスでは速いほうだし、安全でスムーズだ。録音はラインからだけしか試せなかったが、安定なメカニズムと歪の少いエレクトロニクスのコンビが、現在のカセットの最高水準といってよい高品位の音質を可能にしている。ちょっと気になったのは、再生ライン・アンプのS/Nで、これはもう少しよくしてほしいところ。ドルピー・システムが内蔵されているが、S/Nの聴感上の効果は大きいが音質はこれを使わないほうがかなり優れていた。マイク録音にはリミッターを入れてオーバー・レベルを押えることもできるし、ロー・ノイズとクロームのテープ・セレクターにより、カセット用高性能テープの使いこなしかできる。また、再生時のレベル・コントロールの他、トーン・コントロールまでついていて使用者の使いこなしの多様性に大きな可能性を持っている。
全体のデザインもよくまとめられていて仕上げも悪くはないが、もう一つ手先練された感覚の冴えという点では物足りなさが残る。プッシュ式のコントロールにやたらに色を使っていないのはよいが、録音のキーはやはり明瞭に識別できるようにすべきだと思う。それとAKAIマークのブルーはなにか安っぽさを感じさせるので、もう少しおちついた色に変えた方がいいような気がする。せっかくの良い商品をマークの色だけで安っぽく感じさせてはもったいない。
それはともかく、同社の自慢の単結晶フェライトGXヘッドはとかく疑問の多いフェライト・ヘッドの中で、音質的には最も優れたもので、これは、最近、私が確認したところである。もちろん、このデッキにもこれが使われている。
カセット・デッキはメカニズムが小さく、こみ入っているために故障が多いと怖く。事実、私も二、三そうした体験をしているか、このデッキについては正直なところ、耐久テストはしていないのではっきりしたことはいえない。これだけの性能をもった製品だからメーカーとしてはそうした信頼性に充分気を使ってもらいたいと思う。
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